外室許可でのワンシーン
舞子は自室でゴロゴロしながら、窓から見える雲をボーッと見つめ飛び交う小鳥を羊皮紙にスケッチしているとガチャリと扉が開いた
「おーい、舞子!ちょっと外に出掛けようぜ!」
「あっ、みっちゃん!外に出る許可出たの?」
「ボディランゲージで伝えたから多分大丈夫だろ、敦子も行くって言ってたぞ」
「おぉ!異世界初のぶらり城下町だね!いいねいいね!いこいこ」
そそくさと舞子は制服に着替え2人と合流すると城の出入口へと歩いていくと、ドタドタと近づいてくる複数の人影に気付きそちらを向くといつものメイドさんが息を切らして何かを喋っている
「○×❈/#&¥~#!」
「何喋ってるのか分からん……敦子、羊皮紙で筆談してくれるか?」
「はいはい、ちょっと待っててね〜」
ガサゴソと鞄から数枚の文字が書いてある羊皮紙を取り出し、それを見せながらボディランゲージで応答していくと徐々に敦子の対応は荒くなっていった
「あ、あっちゃん……どうしたの?」
「どうしたもこうしたも……公の場に声明を発表してないから外出は禁止ですって!そんな見聞で国の改革なんて無理に決まってるじゃない!」
「あれ?私の時はすんなりOK出たけどな」
「みっちゃんは誰に許可をとったの?」
「あぁ、訓練所で空手を教えながらついでに騎士団長と手合わせして勝ったから外出したいとボディランゲージでそれとなく……」
「みっちゃん……それ伝わってないんじゃないかなぁ……」
んーと言いながら舞子は指を頬にあて、光子はポリポリと頭を掻いていると敦子はプルプルと震えだしメイドさんへとにじり寄っていく
「と・も・か・く・城下の街には行きたいのです!召喚だか勇者だか知らないけど私達はこの文化に触れる必要性はあるのです!」
『城内でそなた達は何を騒いでいるのだ』
舞子がハッと周りを見渡すと王様が柱からこっそりと覗きこちらをチラ見している姿が目に飛び込んできた
『覗きですか……趣味悪くないっすか?』
『誰が好き好んで隠れながら見ていなきゃならんのだ!私の所に報告があったので見に来ただけだ!』
『そんな事より私ら3人城下の街に行きたいんですけど許可下さい』
『そん……ゴホン、わかった、こちらで手配するから先ずは部屋で着替えを用意するからそれが終わり次第連絡をしてくれるか?』
『……着替えも覗くんすか?』
『違う!そんな服装じゃ目立つだろうが!あと、馬車の手配や私が変装して着いていく、それで問題はなかろう』
『は〜い、了解しました』
舞子は王様の事を伏せながら先ずは自室へ向かうよう伝えると、隠れていた王様も急いで部屋へと向かい側近に変装する衣装と警護を用意させ慌てながら城下へと向かう準備をするのであった




