大聖堂でのワンシーン
「あ゛っづ〜い……マジでなんなんだよこれ……あっちゃんの内政で何とか出来ないかなぁ……」
「うるさいぞ舞子ぉ……余計暑くなるから喋るな……」
ゴロゴロと舞子の寝室の大きなベッドで2人は転げ回ってるとガチャっと部屋の扉が開き光子が入って来た
「なにやってんの……余計にそれ暑くね?」
「みっち゛ゃん!たすげでぇ〜」
「暑いからこっち来んな、舞子、王様に連絡したいから回線頼むわ」
ぶーぶーと舞子はベッドの上で地団駄を踏むが、光子は腕を組みそれをじぃーっと数分見つめると飽きた舞子がストンと正座をして目を閉じる
『あーあー業務連絡、業務連絡、今みっちゃんから王様へ連絡がしたいとの事ですので今よろしいでしょうか〜どうぞ〜』
舞子が王様へテレパスを送ると、大聖堂の食堂で各地の領主と神官長との会食中だった王様は飲んでいたワインを盛大に吹き出して咳き込んでいた
「だっ!?大丈夫ですか王様!お身体が優れないのでは……」
「いやいや、大丈夫……失礼した、食事を続けようか……」
『いきなりなんだ、ビックリするじゃないか!』
『感度良好、OKOK、ちょっと待ってて下さいね〜』
舞子は目を開けチラッと光子の手元を見ると、羊皮紙に書かれた文字を目を細めながら読み上げていく
『えーと、この前の軍団の報告と……何だこれ……んーと指揮系統の書類をポンプアップをして下さい。大至急でよろ、だそうです』
王様は目頭を押さえながら深くため息をついたのを見て、大聖堂はヒソヒソと周りが騒ぎ始めた
「やはり隣国の事でお疲れではないだろうか……」
「いや、食事が合わず困っておられるのでは……」
「オホン!食事を続けようじゃないか皆の者」
そう場を和ませ笑顔でテーブルに並べられているナイフとフォークに手を伸ばす
『あーあー、あーあー、聞こえますか聞こえますか〜どうぞ〜』
『聞こえておる!だからなんじゃ』
『感度良好、OKOK!繰り返します、えーっとこの前の……』
『わーかったわかった、帰ったら聞くから!』
舞子は頭の上で丸を作ると今度は敦子から羊皮紙が提示され読み上げていく
『あっ!OKOK!あーあーあーあー、おおさ……』
「ぐむっ……ぐっ……ぐるじい……」
話が終わったと思った王様は、おもむろに前菜の蕪と白身の蒸し焼きを喉に入れた瞬間脳に言葉が駆け巡り食べた蕪が喉につかえてしまったので慌ててワインを飲み干した
『もしも〜し、あれ?着拒?もしも〜し』
「王様!?本当に大丈夫ですか!?」
大神官が異常事態を察し慌ててヒールを王様へかけたが効果が無く、今度はポイズンクリアを唱えようと詠唱に入るところを王様はバッと手を出し止める
「ゴホッゴホッ……す、すまん……少し席を外すが宜しいかな皆の者ゴホッゴホッ」
「えっ、えぇ王の仰せのままにごゆるりとお身体をお休め下さい」
「やはり様々な状況によりお身体が優れないのでは……おいたわしや……」
ヨロヨロと王様は大聖堂の廊下に出て舞子の通信に備えてみたが、数時間経っても連絡が来ず城に戻ってその件について問いただしたが、光子のついでに敦子の連絡をしようとしただけとの事で王様は疲れ果てまた自室へフラフラと戻っていくのであった