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出会い 2
9月の下旬の週末、僕達のサークルはいよいよ噂の屋敷に行くことになった。
一人づつその周辺を回って帰るというただの肝試しだったが、人様の家を餌にするというのはどうにも気乗りしなかった。
くじ引きで順番を決めて、僕は最後になっていた。
9月の下旬の夜といえど少し暑い。
ちょっと行った風にして怖いと怯えて早く戻ろう、そう思った。
「そなた、迷ったのか?」
小柄なゴスロリ少女が話しかけてきた。
「いや、サークルで来てるものでしてご迷惑であればすぐ帰えります」
「ならいいのだ。この辺りは特に足場が悪い故気をつけて帰ってくれ」
「ありがとうございます。どちら様ですか?」
「私はあの家の主だよ。私一人しか住んでいないがね」
あんな大層なお屋敷の住人の人物像を勝手に年老いた老人を想像していたため、ロリータ少女が出てきてびっくりした。
「すみません、すぐに帰ります。それよりもその服装ですしお家までお送りした方がいいですか?」
「私はこの道になれいるから不要だ。
しかしだが…ふむ。申し訳ないと思っているのであれば一つ頼み事を聞いて欲しい」
そう言われて僕は訴訟案件まで覚悟した。