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出会い

この田舎には似つかわしい洋風の屋敷がある。


その屋敷には近寄っては行けない、そういった噂がこの街には蔓延っている。

何故近寄っては行けないのか、ある人は「死神が住んでいる」、ある人は「死体コレクターの住む家」など尾ひれがついた噂をたくさん耳にする。


遠くから見える窓から沢山の人形が見えるからだろうが、なんとも不気味だ。




僕は家から1番近い(といっても電車で片道1時間)の大学に通っている。


僕の大学はサークル活動が盛んであり、新入生の勧誘などが凄まじくて有名だ。


どこのサークルにも属さないというのが許されない空気感が漂ってる。

運動会系のサークルには絶対に入りたくない、と思い「名前書くだけでいいよ」と言われたオカルト研究サークルに名前を書いた。


ーーそれが運の尽きとは知らずに




「ねえ、皆!今度の週末N県の樹海に行かない?」

細身の眼鏡をかけたサークルの代表、緑川翠(みどりかわみどり)が皆に問いかけた。


「いいですね!」「わくわくしてきました!」と他の部員が言った。

オカルト研究サークルは部員数5人の少人数のサークルだ。


オカルト研究と見る限り幽霊部員が多そう、そんな想像をしていたが下手な運動部より活動しているのはの誤算だった。

週末や長期休みなどことある事に、心霊スポットや自殺の名所などに連れていかれる。


「名前書くだけでいいから」そんな詐欺をされて直ぐに辞めてやろうと思った。


しかし、事務局に書類(といっても名前を書くだけ)を提出しなければならず、その場所では常にどこかしらの運動サークルが待ち構えているため行きにくい。


幽霊部員であっても部員が欲しいのは予算のためだ。


だが、参加してるからにはという理由で飲み会やら練習やらなんやで連れ回されてはたまったものでは無い。


特に田舎の学校であるためサボったり何かやらかす事に大学外にも話が筒抜けなのである。


商店街の肉屋のおばちゃんに「オカルト研究って何するんだい?」と聞かれた時はゾッとした。




「節穴だったんだけど、この街には噂のある屋敷があるじゃない?そのそばに行ったことなかったよね」

いつもの如く代表の緑川さんが言い始めた。


「そういや……でもさ、あそこ森の奥だし私有地がどこからか分からないし……」

最もなことを寺田が言った。


僕は心の中で寺田に賛同したが波風を立てたくない、そう思っているため静かに部室を出ようと思った。


「ねえ、安藤くんはどう思う?」

僕の目論見は一瞬で消え去った。


「人様の家なのであまりいいとは思えませんけど」

「そうよね〜でもさ、周りの森って公道よね?地図にも書いてあるし。近寄るだけなら別にダメじゃないわよね。ピンポンダッシュとかする訳でもないし」


そう代表が言うとみんな賛同し始めた。

僕はため息しか出なかったが背中を皆に叩かれて「行こうぜ!」と言われた。


ちなみにこのサークルの女性は代表1人のみ。そして権力の最上位に君臨している代表の言うことが絶対でルールなのだ。

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