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県立新田中央高校 〜平凡なる日常〜  作者: 停止する春風
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部活動紹介

 委員会決めの後の昼に弁当を食べ終えた後は、大森から来る会話をスマホゲームをしながら、適当に返答して時間を潰していた。いや、人と話しをする時は、スマホをいじるのはよろしく無いのはわかっているんですよ。しかし許してくれ、今はゲームのイベント中なんだ。報酬のためにランキングを、今の三桁台で死守しなくてはならないんだ。


 そんなこんなで時間が過ぎていき、昼休みは終了となった。本来ならこの後は掃除の時間となるのだが、掃除が始まるのは明日かららしい。という訳で次は午後の部活動紹介となるので、一年生全員は今体育に向かっていた。


 体育館に着くと各クラス二列で整列して、その場で座って待機となった。待っている間とくに何もやる頃が無いので、事前に配られた部活動紹介のしおりを見ることにした。ざっと確認した所メジャーな運動部や文化部は軒並みあるようだ。他には天文部や登山部など、中学校では見なかった部活もあるようだ。


 いまだ自分は部活動に入るか入らないか決めていないが、とりあえず入るのなら中学生の時にやっていた陸上部だろうなと考え、しおりの陸上部の紹介のページの内容を見ていると、前に座っている大森が話しかけてきた。


「君は何か部活に入るのかい?」

「うーん、まだちょっと考え中ですね。大森さんは何か、部活に入るつもりなんですか?」

「私は特に、入るつもりは無いかな」

「そうなんですか、意外ですね。てっきり演劇部や美術部に入るかと思っていましたよ」

「はて、何故そう思ったんだい?」

「いやなんか、美しさを追求している大森さんなら、そういう系の部活に入るかなと思っていたんで」

「あぁ、確かにそういう部活に入れば、美を追求できるかもしれないね。でも私は自分のやり方で美を追求したいのでね」


 なるほどなるほど。他の人と一緒にやるとかではなく、一人で美を追求したいのね。


「そうですか」

「あぁ、だから部活には入るつもりは無いよ。……おや、そろそろ始まるようだね」


 大森に言われ視線をステージも方向へ向けると、ステージの手前に司会らしき生徒が立っているのが見えた。見てみると入学式に在校生代表の言葉を話していた人と同じなので、恐らく生徒会長と思われる。


「……新入生の皆さん、こんにちは。改めまして、ご入学おめでとうございます。本日はこの学校の部活動の紹介をさせていただきたいと思い、皆様に集まって頂きました。私の挨拶の後、各部活動からの説明がありますので、興味のある部活動の紹介は是非お見逃しなく。また今日この時間に部活動紹介を行わない部活もありますが、その部活については配布されている資料を御覧ください。では、まず最初は……」


 生徒会長の説明の後、次々と部活動が紹介をしていく。ほとんどの部活動が後ろで軽く実演をして、前で説明をする形をとっていた。中には球技系の部活なのに、部員全員でダンスをしている所などもあった。いやぁ部員の皆さん大変ですね。


 しかしこういった部活動紹介で一番楽しみなのは、軽音部や吹奏楽、和太鼓部やダンス部などの発表である。彼らの発表は実際に演奏したりダンスをしてくれたりするので、見ていてこちらも楽しい。運動部系はこいう発表の場では派手な動きが出来ないから、どうしてもおとなしい発表になっちゃうんだよね。だから踊るところとか出てくるんだけど。


 その後部活動紹介は何事も無く、順調に進んでいき終了した。そして部活動紹介が完了したことで、今日の放課後から部活動の体験入部が始まるらしい。体育館から教室に戻る途中、自分も何か体験入部をしようかなと考えていたが、委員会あることを思い出し、今日からの体験入部は諦めることにした。おのれ委員会、どこまでも邪魔をしおって。


 教室に着くとクラスメイトは、一斉に帰りの支度をする。ざっと様子を見た限りでは、即帰宅勢と体験入部勢が半々と言ったところだろうか。彼らの違いは顔や動作、持ち物を見ればわかる。本当に早く帰りたい人は、動きに無駄が無いからね。羨ましいねぇ、委員会未所属の人は早く帰れて。


「平丸、よかったら一緒に帰らないかい?」

「いや、俺はこの後委員会があるので」

「あぁ、そうだったね。ではお先に失礼させてもらうよ」

「お疲れ様」


 そういえば大森も委員会未所属だったな。あぁ羨ましい。自分も早く帰りたいが、委員会の仕事をほっぽりだすのは流石にまずい。仕方ない、ここはささっと行ってささっと話しを聞いて、ささっと帰るしかない。よし、ではいざ委員会へ。


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