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極魔法対極魔法

遅くなりました

炎が入り乱れる。猛き燃え盛り、乱舞する。

端から見たら拮抗。

その言葉が一番当てはまる光景が写し出されている。

だが、それを行っている本人達の顔は正反対の顔をしていた。

片や、滴る汗を拭うこと無く目の前の光景に一点集中しながらも、口元は苦しげに引き締められている。

片や、難しい顔ながらも、指をタクトのように動かしながらなにかをしていて、この熱風のなか汗一つかかない。

そしてこの光景は唐突に終わりを告げた。

炎が混ざりに混ざって渦状になると、それから先程と大きさの変わらない《フェニックス》に復活した。しかし、一体だけ。

修練場内にどよめきが起こる。

皆が皆、《フェニックス》が二体現れるものだと思っていたところに一体だけ。困惑が辺りをしめすなか、スラリアが口を開いた。

「はぁ、はぁ、はぁ、わた、しの、魔法をのみ、こんだのですね」

その言葉に修練場内がシーンと静まり返ってまった。

「えぇ、その通りよ」

その静まった中にアルフェーナの言葉は想像以上に響いた。

でもそれは本来あり得ないこと。

自分のでない相手の魔法を、しかも今回はぶつかりながら、入り乱れながら混合していると、本来が不可能とされていたことが可能になる条件が整ったのだ。

だが条件が揃ったとしてもそれをおこなえるかというとそうではない。混合しているのを自身の魔力の波長に合わせる、力業でおこなうと反発が起こり、ゆっくりしても遅すぎて反発が起こる。速さはその時々で変わるが、これをなし得るには精密すぎる魔力操作をおこなうしかない。

でも超一流と言われる魔法使い達ですらなし得なかったことをアルフェーナのこの年で、しかも格下とはいえ一流といっても差し支えないスラリア相手に成したのだから異常である。

それをここに集まっている者達はほとんどわかっていないだろう。

だけど目の前で起こった現象、そして先程の会話、それによりそれがいかにあり得ないことなのか徐々に浸透していっていた。

「どうする?また魔法を練り上げる?」

傍らに《フェニックス》を浮かべたままのアルフェーナが周りの喧騒を余所にスラリアに語りかける。

そんなスラリアは杖により辛うじて立っているといった状態だった。汗はその間も滴り落ちて、息も上がっている。それでも眼は死んでいなかった。

「…………」

「なら魔力を全快まで戻しなさい。待っていてあげるから」

沈黙を肯定と受け取ったアルフェーナはコポルサに魔力を回復するように言った。そして、見届けにいた騎士に魔力回復ポーションを持ってくるように言った。

言われた騎士は戸惑いながらもすぐにポーションを取りに戻り、ポーションをスラリアに渡した。

「ありがとう」

スラリアは受け取ったポーションを一気に飲み干した。

「ふぅー……お待たせしました」

「いいの?」

「はい、これだけ回復出来れば十分です」

「そう、なら始めなさい」

「天ねく天の王よ我の願いを聞いてくれたまえ、炎の幻獣も蒼き凶獣も打ち倒し、黒き守護獣も緑の精獣も砕きし敵を打ち倒す力を我に与えたまえ《コールリンク》。撃ち抜くは」

スラリアは滑らかに次の魔法を使うため詠唱に入った。

「全弾必中の銃撃の王、撃鉄を上げろ、弾を装填しろ、幾百の距離があろうともそれは当たる、外れることなどありはしない《バルバドス・バレットブレイク》」

二つともに最上級補助魔法として魔法使い数人で使うものだ。でもこれはあくまでも補助、攻撃をすることはできない。なのでスラリアが最後の魔法を紡ぐ。

「創生の災禍ここに顕現する、破壊の撒き散らし、何者にも止めること敵わず、力尽きるまで暴れまわり、山を砕き、谷を作り、湖を無くし、断壁を作る、災禍の一撃刮目せよ!《創生の傷痕(グラン・ペイン)》」

最上級魔法の上にある魔法、ごく限られた者にしか到達することが出来ない極魔法を発動させた。

先に発動させていた最上級魔法二つ、これにより数秒だけの極魔法を発動させることが出来た。

最初に発動した魔法は大気に漂う魔力、大地に染みこんでいる魔力、それらを即座に使える魔力に変換する魔法なのだ。

二つ目の魔法はとてもシンプル。ただこの魔法がかかった魔法は外れることはない。それだけ、たったそれだけの魔法が最上級に位置づけられているのか。それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という効果を付与されるからだ。

そして最後の極魔法。これは本来たった一人に放つような魔法ではない。対城壁、対城、対国軍という一人ではとうてい相手出来ない(アルフェーナとクルサ辺りは出来なくはない)ものを()()()()()()()()()ような魔法なのだ。

実際スラリアも初めて使った魔法だった。

使えることはある程度研究と推測で確定していた。だが放つ機会も場所もなかった。それもそうだ、発動までにかなり時間をかけて、使えばどこまで余波が起こるのかわからないのだから。

そんな魔法を全力で放った、確実に客席に被害が出てしまってもだ。それをアルフェーナは真っ正面から見据えながら迎撃のため魔法を構築した。

「我との契約によりて力を貸せ氷結の王、来い!全てを停滞させる時殺しの氷結よ、藍白に世界を彩れ、溶けぬ白、飲み込む白銀、触れし者に終わりを告げる蒼の世界《時を止める(エンドゼロ)永久氷河(ブリザードネイアス)》」

アルフェーナも自身最強の魔法で迎え撃った。これは元々最上級魔法に位置付けられていた魔法だったが、アルフェーナ今この時をもって極魔法の極致にまで到らせてしまった。

元々氷魔法を多く使うアルフェーナだった。だからこそ行えたこと。ありえないを起こしたのだ。

前回クルサに放った魔法より格段に凍結スピードが速く、吹雪の量多く、アルフェーナの姿を一瞬で消し去った。

そして両者の極魔法と極魔法が激突した。

スラリアの極魔法が吹雪を切り裂いて進もうとするが、アルフェーナの極魔法の吹雪の威力で押しとどまれて押し返されるが、すぐに押し返していき、押して押し返されてが続いた。

「はぁはぁはぁっ、っ、はぁは…ぁはぁ…あぁっあ!」

スラリアが過呼吸になりかねながら魔法の維持をしていた。アルフェーナの方を向く余裕もなく顔は下を向き、足はただ立つことだけ、手は前に突き出して魔力注ぐことだけを意識して、それ以外の事を考えていなかった。

その一方アルフェーナの顔にはまだ余裕があった。手も片手しか向けていない。

「辛そうだしそろそろ結界も壊れそうだから決めるね」

アルフェーナがそう言うと魔力を集中的に高めた。

それにアルフェーナの言うとおり周りの客席を守る結界がひび割れ始めた。二つの極魔法のせめぎあいは少しだけだったとしても耐えられなかったようだ

高めた魔力を受けたアルフェーナの極魔法がスラリアの極魔法を呑み込んだ。


今回の小説ざっと紹介コーナーです

『異世界はスマートフォンとともに。』第二巻中編についてです

道中竜と戦うことになった冬夜達。なんとか倒して竜の素材で武器を作った。

獣王国につくと国王と戦うことになってしまった。

勝利してその後不思議な少女と出会うことになった。

この後は書籍か電子書籍をお買い上げお願いします

今回はここまで、また次回に。

ではでは~。

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