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二人の戦い

遅くなりました

「チェスター側先鋒、騎士団副団長コポルサ・フィン・ポルポーサ前へ!」

そう言われてコポルサは中央に歩いていく。

「んじゃま、予定通り行きますか」

ちょっと散歩でもしてきますか、といった感じ歩いていくクルサ。

「エルザ側先鋒、ファンデーラ伯爵家長女、クルサ・セル・ファンデーラ前へ!」

コポルサの目の前まで歩いていく。

「よろしくー」

「よろしくお願いします」

挨拶を交わした二人は一定距離につくと、コポルサは模擬剣を構えて、クルサは手をだらりと下げた。

「?……構えないのですか?」

「?…あぁ、アタシはこれでいいの」

コポルサの疑問にクルサはなんでそんなことを聞いてくるのかわからないまま普通に答えた。

「そうか、わかりました。ケガをしないでくださいね」

「?……はい」

「それでは試合開始!」

その合図とともにコポルサは瞬時に移動、中段に構えていた剣を水平に薙いだ。

それをその場でバク転で避ける。

それに水平斬りから流れるように上段に構えると振り下ろした。

空中にいたクルサは迫る剣を額で受けると、空中に前にくるりと回転した。

「なっ!?……ぐぺっ!」

流石にこんな曲芸を目の前で見せられたコポルサは驚きで振り下ろした体勢で固まってしまった。そこにクルサの蹴りが顔面にめり込む。

「ありゃ?かわされると思ったのに」

そんなことを言うクルサ。そのためか軽い一撃だったのかコポルサは後ろに倒れることなく踏みとどまる。

だがその顔には怒りの浮かんでおり、顔は真っ赤になっていた。

「このような屈辱は始めてだ!」

柄を握る手に血管が浮かぶほど握りしめるコポルサ。

「別にそれアタシのせいじゃなくない?避けられないあんたが悪いじゃん。それに、アタシが本気で蹴ってたら……今ごろあんた終わってるよ?」

「……殺す!」

怒りを殺意に変えたコポルサが一直線に向かっていく。終わっているを倒されていると思ったようだが、

「実際は死んでいるの間違いでしょ」

「そうですね、クルサさんが終わっているってあやふやなこと言ったのでそんな風に思ってしまったようですが、私達からしたらクルサさんが本気で蹴ったらそうなると必然的に考えますね」

「実際クルサの本気の蹴りは殺気ゲキヤバだから避けられる可能性が無きにしもあらずだけど」

そんな会話をアルフェーナとエルザがしていると、歓声が聞こえてきた。

中央ではコポルサが常人では視認するのが無理な速度でクルサに剣を振るっている。模擬剣とはいえあの速度で当てられたら大怪我、下手をしたら死ぬ可能性すらある。

でもそれをは?向けているのがクルサなのだ。先程から剣はクルサの服を触れるか触れないかのギリギリを通る。端から見たらコポルサが遊んでいるように見える。そうなるようにクルサが見せている。

でもクルサの実力を知っている者からはクルサが遊んでいるようにしか見えない。

それをコポルサはわかっているのか怒りの表情を見せたり、でもとてつもない実力差があるのをわからされ続けて真っ青になったりと百面相をしていた。

「そろそろいい?」

「っ!?……くっ!」

クルサの呟きを聞いたコポルサはすべての行動を防御に回した。でもそれだけだは、

「それだけじゃクルサの攻撃は生半可なものじゃない」

踏み込んだクルサが中段蹴りを叩き込む。

魔力を纏わせていなかった剣が中半から折れた。

「がはっ!」

蹴られた衝撃で空中を飛ぶコポルサ。そのまま地面に落ちて転がる。

「ぐっ、ぐぅううう……」

防御したとはいえ、衝撃が強すぎて立ち上がれずにいる。

「はいおしまい」

折れた剣の先端を指でつまみながらコポルサの頚に押し当てるクルサ。そのまま勝利宣言をしながら国王を見る。

「くぅぅぅ……勝者……クルサ・フィン・ファンデーラ!」

国王は顔をひきつらせながらクルサの勝利宣言をする。

「ブイッ」

ピースしながらこっちに来るクルサ。

「ナイスよクルサ」

「流石ですクルサさん!」

パンッ!パンッ!

クルサが近くに来たら、ハイタッチをかわす。

「次アルでしょ」

「えぇ、任せておきなさい」

そう言いながら歩を進めるアルフェーナ。

それに合わせてチェスター側からも歩いてきた。

「チェスター側次峰、宮廷魔法師団副師団長スラリア・フィン・ギルギリネン前へ」

緊張した面持ちで進んでくるスラリア。その額には汗が滲んでいた。

「エルザ側、グラビトン公爵家長女、アルフェーナ・フォン・グラビトン前へ」

アルフェーナも進んでいく。その顔には表情が現れてはいないが、もとから負けるつもりはないようだ。

「よろしくね」

「……よろしくお願いします」

自然とスラリアはアルフェーナに敬語を使っていた。コポルサ自身それを不思議だとは思っていないようだ。

「焼き尽くす業火の不死鳥!《フェニックス》!」

スラリアは火の最上級魔法を開始早々発動、家ですら軽く呑み込める大きさの炎の鳥が現れた。

死ぬ、死なない等最初から関係なく放たれたそれは、アルフェーナに到達する前に、炎から氷の鳥に姿を変えていた。

「なっ!?」

普通ならあり得ない現象にスラリアは驚愕し、呆然としてしまった。それは見ていた観客達もである。驚いていないのはエルザ達のみである。

「こんなこと、ありえない」

「ありえるからこうなってるのよ。戦っているなかで思考を停止させるなんて……余裕ね?」

呆然としているスラリアに、自身ではゆっくり近づいていき、端から見たらとてつもない速さで迫っていくアルフェーナ。

「いっ!いつの間に!!」

「遅い」

でも攻撃を加えず元居たとこに着地した。

「な、なぜ……」

「このまま終わるのはつまらない。もう少し長引かせたいのよ」

そう言ってアルフェーナが指を鳴らすと、炎が舞い上がり、最上級魔法の《フェニックス》が傍らに現れた。

「なっ!?!!?!」

いきなりのことにまたも呆然とするスラリア。

だけど今回のは先程までとは違った驚きだった。それは、いままで誰もなし得ることが出来なかった最上級魔法の無詠唱を目の前で見せられてしまったからだ。

「ほら、待ってあげるから同じの作って」

「ぐっ!……ふぅー、ふぅー………ふぅー、焼き尽くす業火の不死鳥フェニックス!」

スラリアも《フェニックス》を傍らに控えた。

「もっと待ってあげるから魔力込めなさい」

そんなことを言うアルフェーナ。

それを向けられたスラリアは、

「ふぅー……わかりました。ありがとうございます」

感謝を述べてから魔力を込め出した。

「ありゃ?」

アルフェーナも予想外の言葉に首をかしげてしまう。

「何も驚くことはありません。騎士と違い魔法使いである私達は相手の力量を正確に計れます。それに私は腐っても副師団長、わかりますよ。あなた様の実力は」

「ふーん、ならいいわ。私としては怒って早々に攻撃してくるものだと思ったけど……楽しませられるならそれでいいわ」

「頑張らせていただきます!」

気合いを入れたスラリアの《フェニックス》が火の粉を撒き散らして猛々しく燃え盛る。

それな比べアルフェーナの《フェニックス》は火の粉は枚散らないが、堂々とした王者の威厳があった。

「はぁああああああああああああああ!!これが私の全力です!!」

スラリアの《フェニックス》が羽ばたき突き進む。

「行きなさい」

アルフェーナの《フェニックス》も静かに羽ばたくと、滑るように飛んで行く。


そして両者の《フェニックス》が激突する。

それでは小説ざっと紹介コーナー。

『異世界はスマートフォンとともに。』第二巻前編です。

婚約をした望月冬夜はそれにともない家を貰った。

でもかなり大きいのでみんなで住むことになった。

そのあと獣王国に向かうことに。

このあとは書籍、電子書籍をお買い上げよろしくお願いします。

ではまた今度。

ではでは~

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