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追及

遅くなりました

「……確かにこれは、私にもわからないことが起きているようですわね」

いままで一言も喋らなかった王妃が口を開いた。その顔には、

なぜ知らされていないのか。

なぜ第二王子と国王が結託しているのか。

なぜこのような場で発表しているのが。

とうとうの疑問が浮かんでいたが、それをはるかに越える怒りが滲み出ていた。幸い口元は扇子で隠されているが、隠されていない眼には、見ただけで殺せそうな殺気が乗っていた。

「答えていただけるのでしょうね?今この場で!」

「…………」

質問された国王は居心地が悪いのか俯いてしまって話そうとしない。

「まぁ、あなたはそうなるでしょう。チェスター、説明しなさい」

「いや母上、これは」

「いいわけ無用!!真実を話せと言っているのです!誤魔化そうとするなっ!」

「はいぃいいいいいいいいっ!」

王妃様のあまりの剣幕に縮こまり震え上がるボルエナルト卿。隣の夫人いたっては顔面蒼白で今にもへたりこんでしまいそうだ。

「わ、私共はスカーレット卿から娘のエルザ()を受け取り育てることになりました。私共には子供が出来ませんでしたので、出きることはなんでもしてあげました。愛情も……この上なく」

エルザを様付けで読んでいるものの、ボルエナルト卿が話す言葉言葉にはエルザへの愛情も確かに含まれている。だけどそれと同等かそれ以上の感情も感じ取れた。

「で、ですが!…………ですが……」

「なんなのですか?ちゃんといいなさい!」

「は、はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

王妃様の一喝に震え、もう涙も流し始めたボルエナルト卿が口を開いた。

「ある日のことです、エルザ様がお出掛けになっているときのことでした。チェスター殿下の使いの者と言う者がやってきたのです。その者は時間を指定して私達夫婦を呼び出しました。私達は逆らえずに指定された場所に向かいました」

「なぜ逆らえなかったのだ?使いの者というのは分かるが、それがチェスターの使いの者だと分かるのだ?一応貴様も貴族、断ることも出来たはずだ」

「そ、それがですね、指定場所を言いに来た者がですね……ヒュントー伯爵でしたので」

『…………』

予想外の名前に会場中が静まり返る。そして名前を出されたヒュントー伯爵に全員(チェスターと国王以外)の視線が突き刺さる。

ヒュントー伯爵も流石にこの展開は予想外過ぎて後ずさる。

「伯爵を使いっぱしりするなんて……なにを考えているの?」

王妃様がチェスターを睨むと、チェスターは視線を反らして汗を流す。

「はぁ、で?どうしてのですか?」

「はい、指定された場所に向かうとそこにはチェスター殿下と……その、あの……こ、こ、ここ、こく、国王陛下が……いらっしゃいました」

その瞬間会場全体の音が消えた。

そう錯覚するほどの静寂が会場を満たす。

「…………騎士団長」

「はっ」

「私はそんなことに陛下が向かったということを聞いていないのですが……影武者でもいるのですか?」

「宮廷魔法師団団長殿が私に話を通さず決まっているのでしたらいると思われます」

「だそうよ?」

「こればっかりは私めのいままでの行いのせいですが、まず始めに影武者の件は既に提案はしています。ですが決まってはいません。そして今回の外出に関してはしりませんでした。初耳です」

「今はその言葉を信じよう。ボルエナルト卿、それは何月の何日であるか覚えておるか?」

「はい……4月の27日だったと思われます」

「両団長、その付近の数日、陛下が外出すると聞いておったか?」

「「いえ」」

「了承した。ボルエナルト卿続きを」

王妃様の視線がいよいよ睨みだけで人を殺せそうになってきた。もちろん表情は笑みを浮かべているのだが。

「は、はい。そこから今日までどういう行動をするか大まかに指示してきました。それから細かいことは何度も会合が行われ決められていきました。私達はただそれを行っていくことしか出来ませんでした。逆らえばどうなるか」

今この瞬間、暴露の中心人物達の目の前で暴露しているのだ。恐怖がどれ程の者か。でもそれをする理由があるのだ。それをしなければならない理由がここにはある。

「愛されてるねエルザ」

「はい……はい……」

エルザは涙を流しながら成り行きを見ていた。ボルエナルト夫妻がどれだけエルザの事に愛情を向けているのか分かったのだろう。

「そうであったか…………申し開きはあるか?」

王妃様は国王とチェスターに鋭い視線を向けた。絶対に誤魔化すようなことをするなと命令するように。

「事実だが……それがどうしたというのだ?」

国王は何と悪びれた様子もなく淡々と答えた。それに横にいたチェスターは驚き視線を向ける、口元が半開きになりながら。

「むっ?」

これには王妃様も動揺した。それは両隣の騎士団長、魔法師団団長も同じだった。

「確かに護衛を付けずに城下に行ったのは謝ろう。だがそれ以外に私が何か悪いことをしたか?ただ息子の婚約者を探して交渉をしただけではないか」

「脅迫紛いの指示をされていたようですが」

「サプライズさ!そのための情報の秘匿を厳守させただけさ」

「法を逸脱しかけていますが」

「スカーレット卿のことか?これくらい目をつぶってやろうと思っただけだ」

「国王が貴族を脅してどうするのですか」

「脅す?人聞きの悪いことを言うんじゃない!ただ私が国王として王命を下したまでさ」

「…………」

王妃様も流石にこれにはなにも答えられなくなってしまった。

「王妃様」

「?……貴女は?」

そこにアルフェーナが前に進み出てきた。

「私はエルザの友人、グラビトン公爵家アルフェーナ・フォン・グラビトンと言います。ここで王妃様に意見具申させていただきたい」

「貴女が……わかりました。なにを言いたいのですか?」

「はい、このまま話し合っていても平行線を進むままでしょう。なのでどうでしょう、私、エルザ、そしてもう一人を加えた三人と、チェスター殿下と他二人を加えた、三対三の勝負をして勝ち越したほうの言い分を採用するというのは」

アルフェーナの提示した条件を聞き驚きに目を見張る。

なぜならその条件はチェスター側にとってとても有利な条件だったからだ。すでに出るメンバーが二人もわかっている上に、チェスター側はメンバーを選び放題なのだ。なぜならここには様々な人々が集まっているのだから。

「誰でもいいんだな?」

「えぇ、誰でも」

「なら……父上?」

「私が決めよう。ギヌレット卿、ボナルート卿」

「「はっ」」

国王に任命された二人が前に進み出てきた。どちらもかなりの実力があることがわかる風格だ。

「その二人でよろしいですね?」

「そっちこそいいのかね?」

「?……えぇ、いいですけど」

「なら!一時間後に大修練場にて対決を行う!」

国王が急いで決めようとしている。それがなぜなのかアルフェーナには分からなかったが、周りの貴族達はわかっているようだった。

だとしても、

(私に敵うやつなんているわけないけど)

アルフェーナにはどうしようもない実力があるのだから。

こうして、披露宴なのに対決をすることになったアルフェーナとエルザ。二人は最後の一人が待つ控え室に堂々と歩いていった。

それではざっと小説紹介コーナー。

『異世界はスマートフォンとともに。』第一巻中編です。

異世界にやってきた望月冬夜はそこで、銀髪双子の女の子をたすけたり、金髪少女を助けたり、黒髪和服の女の子と知り合ったりと色々な出会いをしたいた。

今回はこれでしまいだ。

続きは電子書籍、書籍を購入してください。

それではまた次回まで。

ではでは~

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