披露宴からの
遅くなりました
「今日はこのよき日に集まって貰ってもらい感謝する。早速今回の主役を紹介しよう。我が息子にして王位継承権第二位、チェスター・フォン・アルカネーゼとその婚約者、エルザ・フォン・ボルエナルトである」
「紹介に預かった、チェスター・フォン・アルカネーゼです」
「紹介に預かりました、エルザ・フォン・ボルエナルトで」
「今日は集まっていただきありがとうございます。皆さま方の前に今日という日を祝福していただくことを心から感謝します」
「ちっ、あいつ緊張でもしてんのか?」
エルザの紹介を遮るように喋りだしたチェスターに対して、クルサが隣のアルフェーナにだけ聞こえるように呟いた。
「わざとに決まっているでしょ?自分よりも目立たせないようにしたいから邪魔したいんでしょ」
「器ちっちゃ!」
そんなことを話している二人を尻目にチェスターは自身の自慢話に花を咲かせていた。その横でエルザは笑顔で立っているが、チェスターはそれが気にくわないのか、嘲笑うかのようにエルザにも話を振る。
「それにしても私の婚約者も綺麗だろう?ドレスは実家から取り寄せたようだが、私ならもっといいドレスを用意することが出きるのだかな。だが私は彼女の意思も尊重しようとのことでな」
「うさんくせぇ~」
チェスターの言葉にだんだん不快感を募らせていくクルサ。もう嫌な顔を隠そうともしていない。
「少しは顔を隠しなさい。見られるわよ」
「なんだね君?何かいうことでもあるのかい?」
「ちっ、バカ」
最前列に居たため、チェスターにクルサのしかめっ面を見られてしまい、指摘されてしまった。
流石にアルフェーナもそれには舌打ちをする。
「いえ、なんでもありません」
クルサもアルフェーナに悪いと思い、普段使わない嘘笑いを浮かべて答える。
だがチェスターも伊達に王族ではない、そんな嘘笑いはすぐに看破されてしまった。
「舐めないでくれたまえ君。そんな嘘が通じると思っているのか?消えたまえ、君のような者はここにふさわしくない!」
「む~……はーい。それじゃあねエルザ」
そう言いながらクルサは出ていく。クルサの出てくいくための道が左右にわかれていく。
アルフェーナはそれに着いていかず出ていくクルサの後ろ姿を見守っている。けど、
「ブレンナ、一緒に行ってもらっていい?ここには私が残っておくから」
「わかった、エルザのことお願い」
そう言うとブレンナはクルサの後を追っていった。
アルフェーナはブレンナを見送ったあと視線を元に戻した。
「これでこの場にふさわしくないものが消えた。彼の者の家も良き家ではないのだろう、皆のものも付き合いを考えるのだぞ。特に我が婚約者殿はな?」
「…………」
それはエルザのせめてもの抵抗だった。
「ふん。まぁ辛気臭いのはここまでにしましょう。陛下、お願いいたします」
「うむ、皆のもの、今宵は集まってもらい感謝する。大いに楽しみましょう、大いに親睦を深めよう」
盛大な拍手が鳴り響く。
それから会食が始まり、チェスターとエルザの周りには人だかりが出来、他の王族と婚約者の周りにも出来ていた。
アルフェーナは一度外に出てクルサとブレンナの元に向かった。
二人はすぐに見つかった。
「ミスったわね」
「……まぁ、今回にかんしては流石にアタシが悪かったわ。ごめん」
「ふぅ……まぁいいわ。ブレンナからも言われたみたいだし、私はなにも言わないわ。反省して、そんなに落ち込んでいるんだから」
クルサからはいつもだったら感じないような哀愁を漂わせていた。
そんなふうに話していると、会場からミグナット達三人が現れて寄ってきた。
「大丈夫でしたか、皆さん」
「あんなことになるなんて」
「思っても見ませんでした」
「いやぁ、面目ない」
クルサが三人に謝る。その顔はやはり晴れない、無理して笑っている感じだ。
「ひとまず、珍しく意気消沈なこいつのことはほっといて、これからよ」
「今のところどうなんですの?」
「私が出てきたところではまだ囲まれて近寄れなかったわ」
「私達は何とか話せましたが、少し話してすぐに退けられてしまいました」
「もうもみくちゃです」
「ぎゅうぎゅう詰めです」
「なら、もう少し待ってから私は戻るわ、ブレンナも付いてきて」
「わかりました」
「ミグナット達はクルサに付いていて」
「わかったわ」
「クルサは」
「なにもしないでここにいるわ。必要になったら呼んで」
それからたわいもない雑談をしてから、アルフェーナとブレンナは会場に戻った。見ると、エルザとチェスターは離れていた。エルザは中央寄りの端に寄り、訪れる人と話しており、チェスターは中央で群がる人と話し込んでいた。
アルフェーナはチェスターを一別しただけですぐにエルザの元に向かった。
「おめでとうエルザ」
「おめでとうございますエルザさん」
「アルフェーナ様!ブレンナ様!ありがとうございます。先程ミグナット様達とお会いしたんですけどすぐに避けられてしまって」
「あっちも残念がっていたわ。仕方がないじゃない、今日の主役なんだから」
「それでも友達と話したいと思うのが私の気持ちです。それに今日の主役は私よりも……」
そう言うとエルザは、いまだに人に囲まれているチェスターを見る。
チェスターその視線に気がついたのか、エルザを見て、周りにいるアルフェーナとブレンナをみると、嘲笑ってから見もしなくなった。
「なんなのかしらあれ!」
流石のブレンナもあの態度には怒り心頭のようだ。
「まぁまぁブレンナ、落ち着きなさい……あれのときになったらそのストレス発散させてあげるから」
「……そうね、ここは我慢のときね」
最後の方はエルザに聞こえないように小声で言った。
「なんの話ですか?」
「こっちの話よ」
「エルザさんは気にしなくて……いえ、ちょっと気にしながら待っていてくださいね」
「……えっと、はい……わかりました」
とてつもなく困惑しながら頷くエルザ。その顔はなにがなんだかわからないといった感じだ。
そんなふうに談笑をしていたが、会場がいきなり暗転した。
「なんでしょうか?」
主役のエルザもなにがなんだかわからないといった感じの声をあげている。エルザも知らないイベントのようだ。
するとライトがひかり、とある夫婦を照らし出した。
「お義父さん、お義母さん」
それはエルザの里親である、ボナトデナン男爵夫妻だった。
「皆様にも紹介いたしましょう。婚約者であるエルザ嬢の父母であるボナトデナン男爵夫妻だ。拍手」
そう言うと割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
「桜かしら?」
拍手すら嘘っぽく感じてしまう。先程の会話中にこうしてほしいと言っていたかのようだ。
「なにが起こるのかしら」
エルザも不安にかられだした。
「続いてこちらの方々」
チェスターがそう言うとライトがもう一組の夫婦を照らし出していた。
「っ!?」
その夫婦を見た瞬間、エルザは固まり、眼を見開いていた。
そこにいたのはエルザの本当の両親、スカーレット夫婦だった。
「どう……して……」
「……不味いかもね。ブレンナ」
「読んできます」
指示を出すまえにブレンナが駆け出す。
ここから胸くそ悪い茶番劇が始まる。
久々のざっと小説紹介コーナー。
今回から『異世界はスマートフォンとともに。』をお送りします。
第一巻を大まかにです
主人公の望月冬夜は神の手違いで死んでしまう。異世界に生き返らせてもらい、そこで生きていくことにした。
そこで様々な仲間と出会い、驚きがあり、頑張っていくことになった。
今回はここまでです。
ではでは~




