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エルザの家と昨日の話

今年ももう終わりですね

エルザが連行もといチェスターに連れていかれた次の日、アルフェーナ達【精霊会】の面々はその日の学園を休んでエルザの実家にやって来ていた。

「私初めてだよー。学園終わった瞬間に馬車に突っ込まれて夜通しで移動させられたの」

「大丈夫よ。みんなの家には既に連絡、許可を貰っているから」

「いつの間に」

こんなことをされたことのないブレンナ達がゲッソリした顔でふらふらしていた。

クルサは度々こういうことをアルフェーナがしていたので慣れていたのだが、ブレンナ達は流石は生粋のお嬢様。夜通しで馬車で移動なんてしたことがない。慣れないことはさせないのが一番である。

「でもここで合っているのかしら?」

「それは……アタシにはわからないわよ。情報収集したのアルなんだし。でもアタシもそれは同意する」

「わたしくも」

アルフェーナとクルサの会話に他の面々も同意のように頷く。

それもそのはず。今目の前に見えているエルザの実家っとおぼしき屋敷だが、ほぼほぼ森の洋館と言っていいほどの場所、外観、雰囲気が醸し出されていた。草もぼうぼうで手入れがされていない庭。蔦が絡み付いている外壁。ひび割れている窓。昼なのに全体が薄暗い。

「でも……人の気配はするのよね」

そう言いながらアルフェーナは、傾いて動くかどうかわからない門を開いて庭に入っていった。

「少し綺麗にしましょう」

全員が学園の制服なので足首付近が出ているので、伸びている雑草がチクチクするのでそうならないようにアルフェーナが先頭を歩きながら、雑草を風魔法でちょうどいい高さで切っていった。

屋敷まで来ると扉を叩いた。

「エルザー!来たわよー!いるー?」

しばらくすると中から足音が近づいてきて扉が開いた。

「お待ちしておりましたわ皆様!」

そこにはいつも通り、輝かしい笑顔を見せるエルザがいた。

「お邪魔するわね」

『お邪魔しまーす』

中に入ると、中は以外に清掃が行きとどいていた。

「以外ですよね。わかります」

「まぁ……そうね。外とのギャップがすごいから驚いている」

言葉を見繕わないアルフェーナの物言いにブレンナ達がぎょっ!としたように眼を見開く。「そこはオブラートに包まないの!?」といった感じに。クルサはいつも通りといった感じだ。

「ははっ……まぁ外にまで手を伸ばせないのが現状ですかね。なのでせめて中だけはちゃんとしようといった感じです」

そう言いながら二階に連れていくエルザ。とある部屋の前に着く。

「ここが私の部屋です」

中は綺麗に整っていた。

「椅子とかなくてすみません。床に座って貰うことになります」

「私は気にしないから大丈夫よ」

「アタシも」

気にすることなくアルフェーナは床に座ると、横にクルサが胡座で座った。

「女子なんだからやめなさい」

「いてっ……いいでしょ、ここには女子しかいないんだからいいじゃん」

「それもそうだけどね」

そんな会話をしていると、ブレンナ達も周りに座っていた。

「まずは……エルザ」

「はい」

「昨日何があったのか教えて貰ってもいい?」

「わかりました」

エルザは深呼吸してからゆっくりと話し出した。

「昨日チェスター様に連れられて王城に向かったのです。そこには両親もいて、国王様も来ていたのです」

エルザの言葉に各々が息をのむ。それほどに驚愕することだった。

「まさかたかがスペアごときの第二王子様の婚約に国王が来るなんてね。しかもそれ、急遽組まれたようなもんでしょ?そんなのに……」

「はい、私も驚きましたが、それ以上に……」

「?どうかしたん?」

「はい……この婚約が既に決定事項、私が生まれた瞬間から決まっていたとのことです」

「それはまた……」

エルザから聞かされた驚きのことに全員が暫し無言になる。

「それで?その後どうなったの?」

「はい。なぜかその後も勝手に話が進んでいって、何故か王位継承の話になってきたので、段々わからなくなってきたんです」

「なにやらきな臭くなってきたわね」

「それからはずっと国王陛下とチェスター様が話すのが続いて、私はただそこにいるだけになっていました」

「それは可哀想だけど、これはどうなるのやら」

『うーーーん?』

アルフェーナがそう言うと、他の面々も腕を組んで考え出した。あの考えることがあまりないクルサでさえ。

「こうなったら調べて、本番にガツンといくしかなくない」

「まぁそれしかないか。私は個人的に調査部隊持っているから、発表までには情報を調べられると思うけど、発表っていつなの?」

「………かんです」

「うん?もう一度お願い」

「一週間です」

『…………』

早すぎる発表に全員が押し黙ってしまった。

「これは何がなにやらわからなくなってきたわね。ねぇ、エルザが放置されていたときの会話ってどういうものだったか覚えている?」

「覚えていると言うかなんと言いますか、確かに真横で聞いていたのですが……なにを喋っているのかわからなかったのです」

「わからなかった?」

「はい、国王陛下とチェスター様は話しているのですが、話に使っている言語が私の知らない言語でしたので話す内容がわかりませんでした」

アルフェーナ達がまたしても考え込んでしまった。

だが、アルフェーナとクルサ、ブレンナ達が考えていることは別だった。

ブレンナ達はエルザが話したまったくわからない言葉とはどういうことなのか?ということで悩んでいた。

それとは別にアルフェーナとクルサは、その知らない言葉と言うのが日本語、もしくは地球で使われている他の言語ではないのかと考えていた。だからそこから導きだされるのは、

((国王とチェスターは転生者、それもこのゲームの経験者っていうことになる))

アルフェーナとクルサはアイコンタクトで頷きあった。

「これは厄介なことになったわね」

『…………』

「でもやることは変わらないわよ?エルザには学園に残って貰うし、第二王子には身の程をわきまえてもらう」

「じゃあ……」

「各自、一週間で出来ることをやり尽くしておきなさい。どんなことが起きても私が何とかしてあげるから」

それが当然とばかりに宣言するアルフェーナ。

そんなアルフェーナの言葉に力強く頷く面々。その顔には既に不安なんてものは消え去っていた。


小説ざっと紹介コーナー

『無職転生』第十一巻の前編です。

ルーデウスの元に妹二人がルイジェルドに連れられてやってきた。

下の妹は元気いっぱいに甘えてくるが、上の妹とは良くない別れかたをしているので避けられていた。そんななかの上の妹が学園に通いたいとのこと。これからどうなるのか

この後は次回か電子書籍、書籍をお買い上げよろしくお願いします。

それでは今回はここまで

ではでは~

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