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【高潔騎士団】王城内殲滅戦後編

遅くなり申し訳ない

閃光がはれるとトルッツオがミーゼの方向に飛んでいき、トルトゥルニアはその場に黒焦げで立っていた。

トルッツオは吹き飛ばされてミーゼの元まで行ってしまったということだ。

「そういうことになっていたのね」

事の詳細を聞き終えたミーゼがそう言う。その顔には色々な葛藤が反映されていた。

一つは姫、アルフェーナの誰も殺さないということを破ってしまったことに対してのやるせない思い。

一つはこれもアルフェーナからの、誰も死んではならないということを守ってくれた嬉しさ。

一つはそろそろ迫る時間に対してどうしようかという焦り。

そんな事を考えて、動こうとして、でも思い止まってということをしていると団員達が駆け寄ってきた。

『トルッツオ無事か!』

「あぁ、なんとかな」

団員達にトルッツオはぶっきらぼうに答える。そのぶっきらぼうが照れ隠しと、やるせなさに対してだと全員がわかっているので、微笑ましく見る。

「団長、この騎士団長早く拘束しなくていいんですか?」

団員の一人が横たわるゴルディアを指差して呟く。

「え?…………あっ、そうだった!?起きる前にしないと!」

「我々も手伝います。お前ら!」

『おう!』

慌てながら拘束魔法を使うミーゼを補助するように魔法を使っていく団員達。

「そんな……団長が」

「魔導師長が負けた?」

「バカな……ぐがっ!」

ゴルディアを光る鎖、床と接合した枷、手錠付きの鎖、それを包むようにドームで重ねて拘束していく。それくらいしないと安心できないせいなのだが。

「まぁここまでやってもまだ安心できないけど」

ミーゼがそんな呟きをしていると廊下の奥から先行していた部隊が戻ってきた。全員が満身創痍で、何人かは肩を貸してもらって来ていた。

「戻ってきた!すぐに撤退!補助が必要なものには手を貸して!誰も脱落せず急げ!」

中庭での戦闘もゴルディアとトルトゥルニアが敗れたことで騎士達が意気消沈してしまい、抵抗しているのがほとんどいなかったので撤退もすぐに行えた。

だが抵抗する者達も少ないがいる。そう言う者達は周りの余力がある者が助けに入って鎮圧していった。

それから城壁を一気に飛び降りていく面々。何人かの動ける騎士、応援でやってきた騎士が同じく飛び降りて追ってこようとしていたのだが、その前にミーゼ達とは違う別動隊が設置した時限爆破魔法が王城で起こりそちらに向かっていった。

城壁の下は戻す堀になっていて水が張っており、そこに飛び込んでいく。

そのまま潜水していくと、中腹にあらかじめ脱出用の横穴を通っていく。そして最後の者が穴を塞ぐ。一度使った脱出路はもう使えないからだ。

脱出路は廃屋に繋がっておりそこに続々とミーゼの部隊がやってくる。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、すぐに周辺警戒して。それから姫に連絡を。それ以外は脱出経路を精査して、各自隠れ家に向かって」

『了解!』

それから各々がミーゼの指示通りにしていき、徐々に人数が減り始めた頃、アルフェーナに連絡に行った者が戻ってた。

「どうだった?」

「団長に来てほしいとのことです。場所は……」

「……了解。あなたも隠れ家に向かいなさい。私も休めたからすぐに向かうわ」

「了解しました」

隠れ家を出て、一直線にアルフェーナのところに向かうミーゼ。その顔には疲労とは別に緊張が浮かんでいた。

数分してアルフェーナのところに到着する。

「作戦完了しました。姫」

「うんありがとう」

ミーゼに対していつも通りに答えるアルフェーナ。

「……申し訳ありません」

「?……どうしたの?」

「副団長であるトルッツオが、宮廷魔術師筆頭のトルトゥルニアを殺してしまったことです。なにも申し開きしません。ですがこの首のみで部下達にはお慈悲を」

「あぁ、別に気にしていないからいいよ。それにトルッツオは誰も殺していないでしょ?」

「……え?どういうことですか?」

「わからなかった?あの魔術師筆頭、誰のことも信用も信頼もしていないから絶対に本人が出てくることはないの」

「本人が出てこない?一体どういうことですか?あいつは噂に見合う実力を見せていました。あれが影武者だったなんて考えられません」

「あぁ、ごめんごめん。言い方が悪かった、別に影武者って訳ではないの。あれは本人であって本人ではない。あの体も本人だけど本人じゃない」

「すみません。言っている意味が良くわからないのですが」

「まぁ、端的に言うとあれはホムンクルスなのよ」

「ホムンクルス!」

アルフェーナが言った事実に声を荒げるミーゼ。

それもそのはず、アルフェーナが言ったホムンクルスは古代文明期において生成されていたと言われ人造人間であり、現代では禁術、または特級指定魔法に加えられているものなのだから。

ちなみにこの国では特級指定魔法に当たっている。

「この国で作ってよかったんですか?」

「ダメに決まっているでしょ?いくら特級指定で魔術師筆頭だったとしてもホムンクルスを勝手に作成して、それを運用するなんてことはあってはならないことよ」

「でしたら……」

「でもこの事を知っているのはあいつの弟子でも限られた者数名だけよ。まぁ私は知っていたけど」

「……姫はどうして知っておられたのですか?」

ミーゼが最もな質問をする。

「そんなのは視ればわかるわよ」

「視れば……ですか」

「そっ……魔力の流れ、精霊の動き、細胞の変化、息づかい、確かにホムンクルスかほぼほぼ完璧に同一な存在を創ることが出来る。でもほぼほぼなの。どこかしら他の個体とは違うことが出てしまう。だから私はわかったの」

「そうですね。姫の特技は相手を見極めること。ですからね」

アルフェーナは現在の強さに到達してからは強くなることを現状維持に留めている。それはなぜかはいまは語らないが、その代わりに観察眼をずっと鍛えている。それのお陰で人の細かな癖や、先程言った魔力の流れ、精霊の動きと眼に見えないことまである程度わかるまでになっていた。精霊にかんしては感覚だよりなのだが、ほぼほぼあっている。

そんなアルフェーナだからこそトルトゥルニアの違和感にたどり着き、その正体を見破ることが出来たのだ。

「それで話戻すけど、違反処分はなし、そもそも違反していないんだから。だから早く戻って体を休めなさい」

「っ!……はっ!ありがとうございます!」

そう言うとミーゼは影に潜るように消えていった。

「来るときもそうすればいいのに」

「姫の前にそんな風に現れることが出来るのはご友人だけですよ」

今まで口も開かず、影に徹していたセルネが口を開いた。

「…………いたの」

そんなことをされては当然忘れられるもので、アルフェーナもその場にいきなり現れた(現れたと思った)セルネに驚きの眼差しを向けた。

「いましたよ、ずっと。空気を読んで黙っていたのに」

「ごめんマジで忘れていた。というか隣にいたのすら忘れていた」

「…………なんかすみません」

「いいっていいって。それより今回のどう見る?」

「そうですね……企画していた【高潔騎士団】の残党狩りはある程度達成されたと思われます。必ず撲滅出来たとは思いませんが、もう敵と断定しなくてよいかと。ただ……」

「そうね。今回王族の一人を殺害したことによって我々は王国軍から第一級、あるいは特級の討伐対象にされるでしょうね」

「そうなると動こうとするときに動けなくなります。どういたしましょう」

「うーん……」

セルネの問いかけに深く考え込んだアルフェーナ。眉間に指を当てて唸っている。

「…………仕方ない。死のう!」

「………………………………………………………は?」

晴れやかな顔で、更に満面の笑顔でとんでもないことを言ったアルフェーナに対して、しばらく固まったあと、なにを言っているんだ?といった感じの顔でセルネが疑問の声を上げた。

では小説ざっと紹介コーナーのお時間です。

『無職転生』第十巻前編についてです。

晴れてシルフィエットと結婚することになったルーデウス。結婚に必要な物を買いに行ったりしていた。でも結婚やそれ以降のことでお金をたくさん使うのでそれに対して以外と悩む。

このあとの続きは電子書籍、書籍のどちらかをお買い上げをお願いします。

では次回もよろしくお願いします。

ではでは~

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