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両組の激突

遅くなりました

(い……生きてる?)

朦朧とする意識の中ミーゼは自身の状態を確認し出した。

(脚は…動く。右手は痺れているけど、動く。左手は……前腕の半分……とりあえず右手首付近から上は失くなっている。首は繋がっていている。血管までは届いていないけど血は流れている)

ミーゼは右手で首の傷を押さえながら立ち上がると霞視界で周りを確認する。

(ゴルディアは……)

「ほう?あれを耐えきるか」

瞬間ミーゼはなりふり構わず前方に飛んだ。

先程までミーゼがいた場所に轟音と土煙が立ち込めている。

ミーゼは片方の眼だけでも回復を早め視界を戻す。土煙の場所にはクレーターを作った大剣を振りかぶった状態でミーゼを見ているゴルディアがいた。

「あ……危なかった。迷っていたら真っ二つだった」

冷や汗を流し振るえる声でさっきまでの状況を確認していた。

ミーゼは息を整えつつゴルディアを見ると、大剣を担いでミーゼを睨み付ける。

「逃げることが得意なようだな。まさかかわされるとは思わなかった。だがそれもここまでだ。そんな状態でこれをかわせまい」

ゴルディアはそう言うと魔力を高めて足元に亀裂を生じさせた。片手で大剣を構え、もう片方をミーゼに向けると腰を落とす。

(来る!)

ミーゼがそう思った直後、ゴルディアの足元が破ぜて音を置き去りにしたゴルディアがミーゼに突っ込んだ。

ミーゼにはゴルディアの姿が影ですら見えなかった。気が付いたら何かが近くにいることだけわかった。だが対象出来る時間なんてなかったのだが、ゴルディアが振るった大剣はミーゼの首元ギリギリで止まった。

「なにっ!?」

予想外のことに初めて驚きの声を上げるゴルディア。

それもそうだろう。大剣は首に触れているわけではない。かといって魔法で防がれているわけではない。ただ何かに防がれている感覚はあるのだが眼で見えない。感覚的に押し戻される感覚はあるのだが、でも押しても前にだけが進まない。

「何がどうなって……」

「ここまで仕込んでいたのが無駄にならなくて良かったわ」

俄然に大剣があるにも関わらず落ち着いた口調で語るミーゼ。

「なにを言って」

「私がただただ殴られて吹き飛ばされていたと思う?本来なら食らう必要がない攻撃を受け続けたのか」

本来ミーゼの戦闘スタイルは超近接における回避&攻撃を主とする超接近近接型の戦士だ。はまればアルフェーナにすら接近戦で勝てるほどの。

「ここからは私のターン。全力で相対して上げる」

「くっ!?」

ミーゼの圧力が上がり思わず軽く仰け反るゴルディア。それを見逃さずミーゼは手首に仕込んだ針を手首のスナップだけでゴルディアの顔に投擲、ゴルディアもそれに気が付くと間にある大剣で防ごうとするが、大剣が動かなかった。たった数センチなので込める力も少なかったのでミーゼの不可視の拘束で動けなかったのだ。

ゴルディアは仕方なく腕を動かして防ごうとするが、腕も動かなかった。

「なにっ!?」

これには流石に予想外過ぎて身体が硬直してしまうゴルディア。そんな首元に投擲された針が刺さった。

だがなにも起こらなかった。

「…………どうゆうことだ?」

ゴルディアは困惑し過ぎて自分がどうなっているのかで停止する。

そんなゴルディアの懐に踏み込むと掌を胸元に添える。

「むっ!」

それに気が付いたゴルディアが膝蹴りを放つ。

「遅い」

ミーゼは冷たくいい放つと魔力を添えた掌に瞬間収束すると放った。

「『暗撃(あんげき)波状螺旋(はじょうらせん)』!」

ミーゼの掌から魔力が波のように広がり、更に体内に螺旋状に浸透していき、中心まで行った瞬間絶大な衝撃がゴルディアの内から(ほとばし)った。

「がぽぉ!」

顔中の穴から血が吹き出し、そのまま崩れ落ちるゴルディア。

ミーゼはそこから先程攻撃を防いだ不可視防御を拘束するためにゴルディアに()()()()()。それに加えてミーゼは魔法で拘束魔法を発動してがんじがらめにしていく。

「はぁ、はぁ、はぁ、ここから更に薬剤を嗅がせれば作戦内ではなにも出来ないはず。トルッツオ達はどうなって」

ズガァゴオォオオンンンンンンン!!

息を整えていたミーゼの横に爆音付近から黒い物体が飛んできて床に叩きつけられた。

「かはっ!」

「なっ!トルッツオ!どうしたの!?」

飛んできたのは指揮を取っていたトルッツオだった。トルッツオの身体には様々な要因で出来た傷がいくつもあった。そして若干顔色も悪い、毒でも受けたかのように。

「すみません団長。俺達では押さえきれませんでした」

「押さえられなかった?ならトルトゥルニアは!」

「すみません」

そう言いながらトルッツオは振るえる手で爆音があった方を指差す。そこには煙が充満しているが徐々に晴れてきていて、その中心に人影が現れ出した。

ミーゼは咄嗟に近くに転がっていた剣を拾って構える。

だがその人影から攻撃されることも、むしろ人影が動く気配がない。

「すみません団長」

「……死んでいるのか。トルトゥルニアは」

「はい」

ミーゼの問いかけに弱々しくも答えるトルッツオ。

「何があったんだ?」

「実は……」

トルッツオが事の次第を話し出した。


時は数分前に戻る。ミーゼとゴルディアが激闘を繰り広げる場所から少し離れたところでのこと。

トルッツオ達とトルトゥルニアの魔法戦も佳境に差し掛かっていた。

トルッツオ達はトルトゥルニアから放たれる魔法に対して、相討ち、霧散、避けるなどで対応、更に縦横無尽に動き回り撹乱していた。

それに対してトルトゥルニアはその場から動かず、攻撃を加えていく。魔力の配布は八割攻撃に、二割を防御の障壁に割いていた。

攻撃も殺傷能力を高めていた。展開されるのが、氷の槍や岩の弾丸、炎の円環などが放たれていく。

(くそっ!決め手にかける。俺達は動きまくっているから体力面が削られているが、あっちは魔力面が減っていく。確かに魔力が膨大にあって、消費魔力が少ない魔法を使っているとはいえ、数と常時展開の障壁、着々と減っているいるから、どこかで仕掛けないと)

「トルッツオ」

トルッツオがそう考えていると部下の一人がよってきた。

「どうした?何か問題が?」

「団長がぶっ飛ばされた」

思いがけないことに眼を見張るトルッツオ。すぐにミーゼがいた方向を見るもそこにミーゼがいないで大剣を振り抜いた姿勢のゴルディアがいた。

「ウソだろ」

予想外の事態に困惑してしまい動きが止まる。そこをトルトゥルニアに狙われてしまった。

「死ね!」

「しまっ……」

「トルッツオ!あぶねぇ!」

連絡しに来た団員がトルッツオを庇うように前に出て迫る魔法をモロにくらってしまった。

「あがっ!」

「バカ野郎!」

第一陣で重傷を負ってしまった団員を庇うように前に出て、迫る第二陣を障壁で防いだ。だが量が多かった。数秒もしないうちにヒビが入り、それが広がっていく。

「総員、トルッツオを守れっ!」

『おう!』

トルッツオが粘っていると周りの仲間達が集まってきて障壁を展開していった。

「お前ら」

「たく、こんなつまんねぇミスしやがって。お前は団長のこと信じてないのか?」

「信じてるに決まってるだろ。だが……」

「それ込みで信じてやるのが団員の勤めだろ。おら、さっさと打開策考えんかい!」

仲間に渇を入れられ気持ちを立て直したトルッツオが考え込む。

(このままじゃ全滅して、団長の状況が悪くなってしまう。なら今すぐあいつを無力化すればいいが、今すぐなんて出来ねぇ。どうすれば……)

「……そうか。だがこれは姫の命令を逸脱してしまう。だがそうしなければ……くそっ!仕方がないか!」

そう叫ぶとトルッツオは仲間達を押し退けて前に飛び出すと、そのままトルトゥルニアに向かって走り出した。

「血迷ったか!」

「そうだよ!」

放たれる魔法を掻い潜りながら接近すると勢いそのまま飛び込むトルッツオ。

「姫、団長。すみません!」

「しまっ!」

飛び込んだトルッツオが魔力暴走を意図的に起こして大爆発を引き起こした。

トルトゥルニアも障壁を張りかけていたが威力に負けて閃光の中に飲み込まれた。


今回の小説ざっと紹介コーナー。

『無職転生』の第十巻を大まかについてです。

シルフィエットとの結婚のために奔走するルーデウス。決闘があったりと色々あったが、なんとか結婚式を挙げる。そのあとにルイジェルドが妹達を連れてきてくれた。

このあとは次のざっとか小説、電子書籍のお買い上げをお願いします

ではでは~

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