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王国最強

遅くなりました

「とうとう現れたわね近衛騎士団団長……いえ、騎士団総督ゴルディア・バルトシュタイン。そして宮廷魔術師筆頭トルトゥルニア・シュルグ」

ミーゼは戦闘が激化する中庭に現れた国最強の二人に眼を向ける。

「予定通りゴルディアは私、トルトゥルニアはトルッツオ達が押さえなさい。命令は守りなさい」

たった二人が現れただけで騎士団が活気に溢れて【竜帝】側が押され始める。それを防ぐためのミーゼ達だ。

ミーゼが持ち前の素早さで一気に肉薄すると、飛び上がり携帯した小太刀を振り下ろした。

「ぬんっ!」

それを迎え撃つゴルディア。

「ぬるいわっ!」

それを片腕だけで弾き飛ばす。華奢な体型をしているがミーゼとて成人女性、それを片腕で弾き飛ばすなどどれだけの馬鹿力なのか。

そしてミーゼも飛ばされるも、しなやかに着地すると腰に着けた短剣を空いているもう片方に握る。

そんな二人が対峙する横でトルッツオ率い精鋭チームがトルトゥルニアを囲んで対峙していた。

「ふん、ネズミ共が……私を倒そうなどと片腹痛いわ!」

怒りをあらわにしながらも、繊細な魔力操作で魔法を構築していく。その繊細さもさることながら構築するスピードが速い。現在構築しているのが上級魔法なので難易度が高いにもかかわらず。

「《ブレイズランス》!」

散会するトルッツオ達に同時に魔法を放った。

「即対応!相殺しろ《バニッシュ》!」

『相殺しろ《バニッシュ》!』

それぞれが魔法霧散の魔法で対応する。

「それなりに出来るようだが、私には遠く及ばないがな!」

トルトゥルニアは魔法を霧散されるよりも多く魔法を発動していく。

「ちっ、対応できなくなり次第散会してかわせ!」

『了解!』

トルッツオ達もだてに【竜帝】の実働部隊に所属しているわけではない。一定の距離を保ち、激しく動きながらも背後に魔術を向かわせないようにしていた。

「小癪なっ!」

トルトゥルニアはその状況にイライラしだしていた。なぜなら自分が最強の魔術師だと思っているのに、数人がかりで押さえているとしても、自分の魔法を捌いているのだから。プライド高めのトルトゥルニアにはそれが腹立たしく受け入れられなかった。

「ふざけるな。私が使うのが炎だけだと思うなよ…………《アイシクルキャノン》 《エアバースト》 《グランドハンマー》」

氷の砲弾が、風の奔流が、土で作ったハンマーがそれぞれに迫る。

「総員散会!攻撃を霧散、受けるのでなく捌くか避けるかに限定しろ!」

『了解!』

流石にトルッツオ達でも各種様々な魔法をさばくのは不可能だった。

そもそも霧散魔法バニッシュは迫る魔法に対して込められている魔力を上回る、もしくは魔法の核に当てなければ霧散しない。

トルッツオ達は魔法の核に当てることで霧散させていた。だがこんなに各種様々な魔法が迫るって来ると核を見極めることが不可能なのだ。

うち漏らした魔法が背後で行われている戦闘の周りに着弾する。それにより【竜帝】側が有利になったり、騎士団側が有利になったりと半々になったりしていたが、トルッツオ達にとってはそれよりも生存に神経を費やしていた。

【竜帝】側は極力殺さないように気を使っているが、騎士団側は殺す気で来ているのでたちが悪い。

部隊隊員達が相手する騎士団員達はなんとか捌ける。でもミーゼやトルッツオ達が相手するゴルディアとトルトゥルニアはそんなこと出来ない。どちらも格上なので殺す気で相対している。

「はぁっあ!」

「ぬん!」

大剣を構えるゴルディアに廊下の壁を使って立体的に動き回り攻撃を仕掛けていく。

それを身体の向きをかえ視線を動かし、魔力を円状に広げてミーゼに対応していた。

それに対してミーゼも手をこまねくことなく色々仕掛けていく。服に仕込んでいる食器のナイフを投擲、速攻で発動出来る初級魔法を放つなどして意識を散らす。

「むん!」

それすら片手で払いのける。

「流石規格外!姫が認めるだけはある」

ミーゼとトルッツオ達は事前に相手のことをアルフェーナから聞いていた。

「あなた達が相手取る相手。騎士団総督ゴルディア、宮廷魔術師筆頭トルトゥルニア、あいつらは王国内限らず、世界中のなかでも上から数えたほうが早く見つかるほどの実力者よ。悪いけど、あなた達が師団で相手して負けるほどの差よ」

アルフェーナから聞かされた敵戦力に憂鬱になるミーゼ達。

「でも、こといたって今回に限っては互角に渡れる」

そのあとに言われた言葉に顔を上げるミーゼ達。

「それはどういうことですか?」

「まともに戦えば師団相手だとしても勝てないけど、今回は場所のお陰でなんとかなる」

「場所……ですか?」

「そう、場所は王城、そんなところでこの二人が全力を出せるわけがない。師団相手出来るのは全力を出せるとき。こと今回に置いてはあなた達でも互角にやっていける。そして今回の作戦においてはそれがいい、だから……全力で当たりなさい。さすれば……」


絶対勝てるから!


そのアルフェーナの言葉を胸にミーゼは素早く距離をとる。そして腰にある懐中時計を確認すると叫ぶ。

「トルッツオ!」

「はい、団長!」

「第一制限解除!残り時間半分だから、撤退能力を残してあたりなさい!」

「了解!お前達も聞こえたな!」

『おう!』

トルッツオ達はトルトゥルニアから距離を取ると、手首にあるガントレット型の魔道具に手を掛けると魔力を流しだした。

『第一制限解除!』

そのキーワードにより魔道具が発動。ミーゼとトルッツオ達の魔力が倍以上にはね上がる。

「なに?」

「なっ!?」

予想外の事態にゴルディアとトルトゥルニアが驚きの声を上げる。

そこからは戦闘の仕様が変わった。ミーゼのスピードが更に速くなり、奇抜さもました動きに翻弄されるゴルディア。

スピード、対応力が上がりさっきまで不可能だった魔法の数にも対応しだしたトルッツオ達に汗をにじませながら相対するトルトゥルニア。

「なかなかやるではないか。それにそちらには時間制限があるようだな?」

「おうともゴルディア!ならばそれまで耐えてしまえばすむ話だ!」

「それは違うぞトルトゥルニア」

ミーゼ達の時間制限に気が付いたトルトゥルニアがそれまで耐える持久戦を提案したが、それをゴルディアが切り捨てる。

「我々はこいつらを逃がしてはいけないのだ。その時我々はこいつらに敗北したことになる。それでもよいのか?」

「はぁ?ダメに決まってんだろうが!俺達はこれでも王国最強!こんな屑共に敗走させたとは言え、走せざるを得なかったなんて言われたら後々面倒だ。おいゴルディア、さっさと潰すぞ」

「了解した」

そう言うとゴルディアとトルトゥルニアの魔力がはね上がった。

「くっ!?」

『うぉっ!?』

突然のことに驚きの声を上げるミーゼとトルッツオ達。放出される魔力で僅かばかり後退してしまう。

「さぁ、ゆくぞ!」

「一匹たりとも逃がさねぇ!」

魔力放出が押さえられるとゴルディアが瞬時に詰めより、トルトゥルニアが先程よりも速い展開速度で魔法を放ち出した。

「くっ!?《パウダーシールド》!」

「各自散会!」

『おう!』

ミーゼは短剣を交差させて防御態勢をとり、魔法で粉状に舞ったシールドで二重の防御を展開した。

トルッツオも魔法の展開速度に追い付かないと瞬時にさとると味方に避けるように指示した。そのかいあって被弾者は出ずにすんだ。

「しゃらくさいわっ!」

「ぐっ!……がはっ!」

ゴルディアは大剣を受け止められるも、ミーゼの脇腹に蹴りを叩き込む。しかも《パウダーシールド》を破壊して威力が多少弱められているも、強烈な一撃が直撃した。

身体をくの字に曲げて壁に激突するミーゼ。血反吐を吐きながら霞む眼で前を向くとそこには振りかぶっていたゴルディアと思いし影があった。咄嗟にミーゼは回復そっちのけで腕と首に魔力防御を圧縮集中させた。

影が振り抜くと腕に何かが当たる感触を感じ、骨が折れ、勢いで脚が浮くと腕の痛みが前腕の半ばから消えて、新たに首に痛みがくると吹き飛ばされていた。



それでは小説ざっと紹介コーナーです。

『無職転生』第九巻後編です。

ルーデウスはシルフィエト扮する先輩に違和感を感じていた。

その間シルフィエットはルーデウスに告白する計画を立てており、そんな二人が一緒にクエストを行くことになりどうなる!??!

この続きは電子書籍もしくは小説をお買いあげください。

また次回。

ではでは~

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