【高潔騎士団】王城内殲滅戦 前編
遅くなりました
アルフェーナが作戦立案をした数日後。
場所は王城、夜にも関わらず魔道具によって明かりが灯され、巡回の騎士が二人一組で歩いている。
中庭にも明かりがあるが、木々によって暗がりがある場所がある。その影から、ずるりと這い出るように数人の人が現れた。
「これより作戦を開始する」
『了解』
そう言うと、巡回騎士が角を曲がったタイミングで一気に廊下に進むと、壁に張り付き、左右に展開、誰か人が来ないように見張りながら騎士が曲がったところを曲がり、目的の廊下まで進む。
「前方よりメイド」
「バレないように無力化する」
「了解」
灯りの魔道具を持って角を曲がってきたメイドに一瞬にして近づき睡魔の魔法を使い眠らせ、倒れる体をもう一人が支えて壁にもたれかける。
「いくぞ」
それからも薄暗い廊下を進む。
「メイド三人」
『了解』
廊下の角からメイド達の笑い声が聞こえながら近づいてくる。廊下の端により身を屈め待ち伏せる。そして曲がってきたメイドを見て全員が警戒を最大限上げた。
「騎士団二名確認!残り一名を離脱させて速やかに制圧する!」
『了解!』
曲がってきたメイドのうち二人が【高潔騎士団】所属のメイドだとリストで把握していたので、違う一人に二名が近づき瞬時に眠らせ運び、残りのメンバーが武器を構え飛びかかる。
「かまえっ……がっ!」
「レンナ!……この害虫共が!」
僅かに前にいたメイドは武器を抜く前に手で制して拳を腹に打ち込んで気絶させた。
だがもう一人のメイドは僅かな差で逃げられた。そしてスカートの中に仕込んでいたナイフを抜いて構えた。
それにメイドが声をあらげたので遠くから騎士が駆けつけてくるのが聞こえてくる。
「一分以内だ」
『了解』
二人が左右からメイドに迫る。それによりどちらを相手取るか迷う、その隙に影から移動したもう一人が後ろから羽交い締めにする。
「はなせっ!……ぐっ」
「……制圧完了。速やかにこの場を離脱する」
『了解』
メイドを壁に横たえながら靴音が響いてくる方から遠ざかるように廊下を進んで行く。
そこから何度も廊下を曲がり、追跡を巻き、目的の廊下にようやく着いた。
「ここだな。おい」
「はっ」
部下の一人が置物の花瓶に近づくとそれを手順通りに動かしていくと、横の壁が動いて下に通ずる通路が現れた。そこを速やかに駆け降りていく。扉に到着すると、扉に耳を当て音を聴き、扉を少しだけ開けて中の様子を伺う。
「クリア」
誰もいないことを確認すると中に入り、調査を開始した。
でも既にミーゼ達先遣隊が調べたあとなのでなにも見つからない。
「やはりなにもないようです」
「そのようだな。ならば予定どおり……埋めるぞ」
『了解』
そう言うと各々部屋の端に散会してポーチにしまっていたスクロールを貼っていく。記定量貼り終わると、降りてきた廊下側の階段でなく宝物庫に繋がる階段に集まると、
「起動」
近くにあったスクロールに触れて発動の呪文を言って発動する。すると、スクロールの中央に書かれている魔方陣が光灰色の液体が溢れてくる。
この液体がなんなのか団員達はわからないが、これはアルフェーナとクルサが前世の記憶を振り絞って出来たコンクリートだ。アルフェーナは触ると固まって取れなくなるとしか伝えていない。アルフェーナとクルサもそれくらいしかわからないだけなのだが。
徐々に競り上がってくるので逃げるように階段を駆け上がり、宝物庫の扉まで来ると、慎重に開けて行く。誰もいないことを確認すると宝物庫を駆け抜け、宝物庫の天井付近に設置してある窓に飛び上がる。格子なので人が通れる大きさでないが、団員達は影に潜める。飛び上がることで射し込んだ月明かりで出来た影に潜んで王城の外壁を降りていく。その時、リーダーが通信魔法で連絡を取り出した。
「こちら一番隊。目標完了、死傷者無し、ただし騎士に城内でバレるも交戦無し、接触無し、メイドは数名無力化、その中【高潔騎士団】二名の無力化に成功、以上です」
「……了解。一番隊は速やかに作戦ポイントCに移動。以後最終作戦まで待機。何かあり次第連絡を」
「了解です」
一番隊はそのまま月明かりがさす城下に消えていった。
そして一番隊から連絡を受けていたアルフェーナは椅子に体を預けながら連絡を精査を始めた。
「セルネ」
「はっ」
「一番隊の連絡があり作戦成功。ただし騎士に物音が聞かれて城内の警戒があがっている」
アルフェーナが作戦成功を言うと部屋の中にいた部下達が色めき立つも、警戒が高まっていると言うと難しい表情を浮かべて気落ちする。
「暗くなるな!これくらい作戦の内よ。そもそも王城なのだから絶対見つからないなんてあるわけがない。ならば作戦案もB案に以降、突入する二番、三番、四番隊に伝達。いそげ!」
『はっ!』
そう言うとすぐさま通信魔法で決まったことを連絡し始めた。
「セルネ、私も出る。ここは任せる、独自の判断で決めなさい」
「了解しました。ですが姫が魔法を使えばご実家がバレてしまうのでは?」
「そこら辺は大丈夫よ。奴ら程度に私が出し抜かれることなんてないから」
「これは杞憂でした。申し訳ありません」
「心配してくれてありがとう。じゃ行ってくるから」
「いってらっしゃいませ」
そう言ってアルフェーナは部屋を出ていき作戦地域に向かった。
作戦地域に着くとそこには既に部隊が展開していてアルフェーナを待っていた。
「お待ちしておりました姫」
「待たせてごめんねミーゼ。みんなもお待たせ!」
『お待ちしておりましたお嬢(姫様)!』
「……けっ、貴族様は重役出勤かよ。どれくらい待たされたと思ってんだ」
アルフェーナが遅れてきて部隊に声をかけるとなんの不満もなく声をかけてくる。……後方にいる者達を除いて。
その呟きは小さいものだったけど統率されているこの部隊には驚くほどに響いた。その声が終わるか終わらないかの瞬間に一斉に擦りむかれた。
後方にいた不満を持つもの達、主に新人中心の者達がびくり!として後ろに後ずさる。
振り向いた者達の眼には怒りが浮かんでいて今すぐにも飛びかかってきそうな雰囲気が漂う。
「それくらいにしておきなさい」
『はっ!』
そう言われるとすぐさま向き直り姿勢をただす。
「これから突入を開始する。師団長ミーゼ、副師団長トルッツオ、及び精鋭三人で最重要人物を押さえている間に、各員は速やかに【高潔騎士団】の殲滅をしなさい」
『了解!』
「それでは…………作戦開始!」
アルフェーナがそう宣言すると部隊が一気に王城に向けて駆け抜けていった。
「ミーゼ、あなた達が一番危険な任務よ」
「わかっています。必ず全員が帰れるようにもたせてみせます」
「……ごめんなさいね。あなた達も」
『姫のためにするのが我々の喜びです』
「ありがとう、なら私から言えるのは一つだけよ。なんとしてもやり遂げなさい!私からの命令よ」
『承りました!』
その顔に隠しきれない笑みを浮かべながら残っていたミーゼ達も王城に突入していく。
ミーゼ達が中庭に降り立つと既にそこかしこで戦闘が繰り広げられていた。
「目標捕捉次第戦闘を開始せよ」
『了解』
そう指示を出すとミーゼ達は拮抗している戦闘場に乱入して犠牲者を減らしていると、奥側で戦闘していた組が吹き飛ばされてきた。
「来たようね」
全員がその方向を見ていると壮大な覇気を纏った二人が現れた。
そこから戦闘は激化していく。
小説ざっと紹介コーナーです。
今回は『無職転生』第九巻中編ついてです。
ルーデウスはいつものように挑戦者を相手していると魔王バーディカーディが現れて戦うことになった。
なんとか死ぬことなく終わらせることが出来たルーデウスだったけど、そのあとしばらくしたらとある因縁がある人物と出会い気絶してしまう。
この後は電子書籍か書籍をお買いあげください。
では次回もよろしくお願いいたします。
ではでは~




