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ジシット対セール

遅くなったのですみません

「よっしゃ頑張るぜ!」

「どこまでもついていきますぜ姉御!」

「あはは……」

エルザチームの暑苦しい二人の意義ごみに苦笑いを浮かべるエルザ。でもその心は勝てるかもという気持ちでいっぱいだった。なぜならそれは同じチームにクルサがいるのが大きい。

クルサは【精霊会】のなかで唯一アルフェーナと対等に戦える人だ。アルフェーナ以外にも実力者は多い、言ってしまえば全員がある程度の実力者だ。

でもエルザには【精霊会】創設時のメンバーとしてのプライドも自信もあった。なので負けるつもりはなかった。

(私は強くなった、アルフェーナ様とクルサ様のおかげで。今なら()()()()()()()()()()()()()!でもそうなったら……)

不意に胸が寂しさで埋め尽くされる。

(ダメダメ、今こんなになってしまったらそのときに別れられなくなっちゃう)

そのようなことを思っているとは露知らずのバカ二人はずんずん森のなかを突き進んでいく。しまいには大声で歌い出した。

「ちょちょちょっと!何しているんですか二人共!そんなことしたら他のチームにバレバレじゃないですか!」

「「♪~」」

かなりキレイなデュエットなのだがなにぶん(とき)と場合が間違いすぎた。これでは歩くスピーカーである。

するとだ。向かう方向の林がカサカサと揺れるとブレンナチームが姿を表した。

「「「「「「あっ」」」」」」

全員の声が重なり暫しの静寂が訪れると、またしてもバカ二人がいきなり突撃した。

「「おらぁあああああああああああああっ!」」

「ちょちょちょっと待ってください!作戦どおり……あぁあもぉおおおお!そのままいってください!負けたらぶっ飛ばしますよっ!」

この研究会に入って口が悪くなっていっていくエルザ。

そんな二人に負けじとブレンナチームもミグナットとセールが即座に対応して前に出てきた。

「「はぁあああああああああああ!」」

そんな四人が対立している時エルザとブレンナは横に跳躍して対峙した。

「まさか最初にエルザ達とかち合うなんてね」

「わざとですよね?だってあんなに大声で歌っていたんですから」

「まぁそうだけど」

あっさり認めるブレンナ。

「まず制限がかかっているとはいえアルフェーナ様とは正面からやりあうなんて自殺行為ですわ。なら制限がかかっているとはいえクルサ様の方がまだ可能性もありますが……」

「が?」

「一度本気でエルザさんとぶつかりたかったんですわ!」

「……それは私もです!」

それが合図になり両者の魔法のぶつかり合いが始まった。

エルザとブレンナが魔法の撃ち合いをしている時、クルサ達は距離を置いて対峙していた。

「まさか最初にブレンナのチームと出くわすなんてね。しかもリーダー同士で始めちゃているし、本末転倒よね…っと!」

クルサが頭をかきながら大きいぼやきをしているとミグナットが上段から斬りかかってきた(木刀だけど)。それを軽いステップでかわすクルサ。

「よっと」

「うぐっ!」

目の前に斬りかかった状態になっているミグナットに、斬るというよりスイングするような感じで木刀を打ちつけた。それに即座に対応して木刀でガードするも、クルサの力が強くもといた場所に飛ばされるミグナット。

「やっぱり強い!」

「はっはっはっ!ならもっとガンガン来なさい。相手をしてあげる」

挑発するように手招きするクルサ。

「胸お借りします!」

それに応じるようにミグナットが笑いながら接近してきて、もう一度攻防が始まった。

その横でセールとジシットが激しい攻防を繰り返していた。

「「オラオラオラオラオラオラーーーーー!!」」

バキィッン!ガキィッン!バキャン!

と本気でぶつけあっているので音が半端ない。木刀も悲鳴をあげまくっているのだが、そんなことは気にしないで打ち合いまくった。なので当然、

バキャァアアアンッッッ!!!

「「あ!」」

二人の木刀が手元を残して粉々に砕けた。

「「…………」」

手元を見て、相手を見て、もう一度手元を見て固まる二人。

「「………………どうしよう」」

さすがに戸惑ってしまう二人。そんな時二人だけに念話が飛ばされてきた。

『何やってんの男同士で。木刀が無くなったら男らしく殴り合いなさい』

「ア、アルフェーナ様!」

「姉御の姉御!」

いきなりの念話、しかもその相手に驚く二人。

『ほら、さっさとやる。チーム同士の戦いが終わったら木刀支給してあげるから』

そう言って念話が切れる。

「「…………やるか」」

そう言って肩を回しながら準備運動しだす二人。

「「シャアオラァアアア!ぶっ飛ばしてやるよこの糞やろうがぁあああああああああああああああああああああああああ!!」」

両方の拳が同時に頬に突き刺さり殴り合いが始まった。両者一歩も引かずに近距離でガード無しの殴り合い、しばらく続いたときジシットの拳がフックを脇に打ち込むと、セールが同時にフックを放ち、両者悶絶した。

「「ぐぅうう……」」

たたらを踏んで距離を取ると、睨み合った。

「せいっ!」

ジシットが上段蹴りをするとセールが腕でガード、脚を掴むと回転させて投げに転じた。

「せいっ!」

「うおっお!」

いきなり景色が逆転しまったジシットが驚く。でもちゃんと受け身を取る。そしてあいている片足で蹴りをして解放される。

「やるじゃねぇか貧弱野郎」

「お前こそな脳筋野郎」

お互いに不適に嗤い合う。それからもう一度火蓋を切る。

「「うらぁあああああっ!」」

またも始まる壮絶なインファイト。だけど攻撃はことなっていた。一撃に重きをおいているジシットに対して、連撃による手数に重きをおいているセール。さらにタフネスで攻撃を耐えるジシットにギリギリで攻撃を交わすセールと、まったくことなっているが疲労は同じだった。

ジシットは攻撃を受け続けている、セールは避け続けている。一見ジシットが負けそうだがセールは避けのにも全神経を集中させているのだ。だから額からはジシットは血を、セールは大粒の汗を流していた。

「うらっ!ぜぁ!」

「ぐっ……ふっ……はぁっ!」

だけどどんどん押されていった……セールが。

「ぐぅうう……」

インファイトを続けているセールだが、どんどん少しづつだけど下がり出した。その分ジシットは一歩一歩着実に前に進んだ。それによりセールは木に当たってしまった。

「なっ!……ぐぼぉお!」

とうとうジシットの拳がセールの頬を捉えた。

「オラオラオラオラオラオラッ!」

猛烈な攻勢に出てくるジシットに変わり、セールは苦悶の表情で耐えしのいでいた。

「ぐぅうううううううううう……ぐほっ!」

防御に徹していたセールだが、さっきも言った通り下がり過ぎてすぐ後ろには木が立っている。ジシットの拳が腹部に刺さり後ろに仰け反ったのだ。でも木があったため下がれず、拳も離すことが出来ず衝撃がそのまま伝わった。

それによりゆっくりと崩れ落ちていくセール。抵抗で手を伸ばしてジシットの服を掴むが力が入っていない。このままジシットの勝ちが確定しそうになりそうなとき、掴む手を押し付けるようにしたセールが、眼をカッ!と見開くと震脚で踏み込むと掌に魔力を集中させた。

「波動掌!」

「ずぉおおおっ!」

無防備なところにズシンと響く攻撃をもらって吹き飛ばされてしまった。

ちなみにセールが使った技、実はアルフェーナから教わった技だったりする。アルフェーナが覚えておけば損はないと言って、しごきにしごいてたった二日で覚えさせたのだ。その間セールの眼は死んでいたらしいのだが。でもその際あって今回窮地を脱したセールなのだが。

「がふぅ……」

体力が限界に達して膝を着いた。それはジシットも同じで崩れ落ちていたが片膝だけだった。

「糞がぁあああああ……」

両者荒い息づかいだが瞳からは闘志が燃え上がっていた。

「「…………」」

両者息を整えながら睨みあっていたのだが、それをセールが打ち破った。

「波動掌!」

セールが掌を地面につけて魔力を集中させると波動掌でジシットに向かって飛び上がった。

いきなりのことに戸惑ったが、すぐさま迎撃するために構えた。

セールはただ飛んでくるだけ、避ければ済むことなのだがそれでは漢が廃ると正面から受けた。セールはもう一度掌に魔力を、前よりも収縮させた。それに対してジシットは何も小細工無しの拳に魔力を纏わせた。

「うらぁあああああああああああああああああ!!」

「ぶっとべぇえええええええええええええええ!!」

交差する掌と拳、胸に押し付けられる掌と頬に突き刺さる拳。掌から波紋状に広がる魔力と拳の周辺から爆発する魔力、それにより同時に飛ばされる二人、そのまま木に激突して木にヒビが入る。

「「がふぅ」」

ピクリとも動けなくなった二人。でも眼は相手を睨んでいるのだがどうすることも出来ない。でも睨んでいた二人が不適に笑って、

「「やるじゃねぇか」」

そのまま気を失う二人。

ジシット対セール 両者引き分け




ざっと小説紹介コーナー。

今回は『無職転生』の第六巻についてです。

ミリス神聖国を出て次の国に行ったルーデウス達。そこでいろいろあって次の国に向かうことにした。その国で会ったことがない妹と元メイドの義母と再会したが問題が起きていたが、それもなんとか解決して次の国に向かう途中に運悪く死にかけてしまったルーデウス。

この後は本編をお買い上げかこれの前中後編を見てください。

ではでは~

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