合宿初日
遅くなりました。すみません
念話の練習をしているといつの間にかアルフェーナの実家に着いていた。到着すると門の前で待っていた執事がドアを開けてきてきた。
「お待ちしておりましたお嬢様。それに皆々様方もようこそ」
「お久しぶりテレス」
テレスはアルフェーナがグラビトン家にやって来た当日、アルフェーナに教養やマナーを教え込んだいわば教師だ。なのでアルフェーナもテレスの言うことはある程度聞いたりする。
「お疲れでしょう、荷物はこちらで運びますのでどうぞ中へ」
「わかったわ。みんないきましょう」
『はーい』
馬車の荷台にある荷物を使用人達に任せてアルフェーナ達は実家に入っていった。
「ただいまー」
『お邪魔しまーす』
挨拶すると奥からアゾルカがやって来て出迎えてくれた。
「お帰りアルフェーナちゃん。クルサちゃんも久しぶり。皆さんもゆっくりしていってね」
『よろしくお願いします』
挨拶もそこそこに泊まる部屋を覗いたりしたあとアルフェーナの部屋に集まった。
「さて今午後二時だけど、夕方まで時間があることだし合宿らしく走り込みでもしましょうか」
「さ~んせ~い」
いち早くクルサが手を上げる。それに続き他の面々も了承する。
「ただの走り込みじゃなくてさっきまでやっていた念話をしながらやるように」
『うぎゃぁあああああーー!』
アルフェーナの発言に悲鳴が飛び、何人かが頭を抱えて崩れ落ちた。それもそのはず、先程の練習ですらまともに出来ず、さらには念話に魔力を乗せすぎるためエコーがかかりまくっていたのだから。いまだに回復せず頭がガンガンに響いている者もいるほどだ。まぁ主に魔力を乗せ過ぎなのはクルサとジシットなのだが。
「くっそぉーアルからの嫌がらせだぁー」
「くっそぉーなぜこの世の中には俺に不都合なことがこんなにあるんだ」
なにやら冤罪の声が細々と聞こえてきたが他の面々は知らないふりをしていた。
「文句言わないの。それにこれを覚えておいた方が後々便利なんだから……覚えろ」
「「命令!?」」
優しい言葉をかけていた人物が、いきなり声を落として命令してきたので落ちこんでいた二人が勢いよく顔を上げた。
さすがにアルフェーナも上達する気配がかなり低い二人にイライラしてきたらしい。
「そうだノルマ決めておきましょう?」
『ノルマ……ですか』
「「ノルマ……」」
ノルマと聞いて首を傾げる者、ノルマと聞いてものすごく落ち込む者(二人)に別れた。
「ノルマは単純、念話を日常会話並みにすること。出来なかったら夕食後にきつめのトレーニング各個人用特別メニューでいくから」
『えぇーーーーーーーーーーーーーー!!』
屋敷に悲鳴にもにた絶叫が轟く。
「ちょっと待ってくださいアルフェーナ様!そこは連帯責任なんですかっ!?」
「そうよ」
「アルフェーナさん!そこは出来ない者だけでもっ……」
「そこは私達、友達で研究会仲間なんだから仲間外れはダメでしょ?」
『ノォオオオオオオ…………』
アルフェーナが取りつく暇もないとわかった面々は四つん這いになって項垂れた。
「さぁみんな立ってたって!行くわよ。そんな事していたら時間なくなって特別メニューももっと過激にしていくから」
その一言に一斉に立ち上がる面々。そこからさらに統率された動きで素早く外に走り出していく。それはもう歴戦の軍隊を彷彿させる動きだった。それから庭に整列すると、
「これから走りにいくけどもう一度確認するわね。走り込みは夕方になるか夕食に呼ばれるまで。会話は念話でのみ行い、日常会話並みに出来るようになるようにする。なっていなかったら連帯責任で皆に特別メニューを夕食後に行います。何か質問は?」
『ないです!』
「よろしい、なら行くわよ。ちなみにだけど走るコースは今頭に転送するは」
『は?』
「アタシいらな~い」
元々知っているクルサを除き他の面々に疑問符が浮かぶ。
「飛び立つは記憶の欠片」
魔法を唱えると頭から光の粒子が溢れて鳥の形に構成され、クルサを除いた人数分にをかれるとそれぞれに飛び立ち頭に止まると、光の粒子になり溶け込んでいった。
「ア、アルフェーナ様。先程のはいったい?」
「あぁ、私が開発した新魔法。記憶の断片を相手に見せることが出来る。これがあれば記憶の共有ができるから便利よ。今回は地形の記憶だけだけど、会話も飛ばすことが出来るわよ」
そう締めくくってエルザ達を見ると口をポカーンと開けて固まっていた。
「新魔法を開発するなんて、宮廷魔法騎士団でも魔法研究所でも何十年、何百年もかけて作るものなのに」
「……アルフェーナさんはこの魔法どれくらい作ったのですか?」
「二ヶ月」
「「にっかぁあ!?」」
アルフェーナの驚きの返答にエルザとブレンナが驚きに言葉を詰まらせる。
「そんなことどうでもいいから早く行くわよ。そんなにここに居たいんなら特別メニューは倍増しにするから」
『すぐいきます!!』
困惑が一緒で吹っ飛ぶ言葉ぶっ込んだら全員が疾風の速さで走り出した。
●
それからクルサ達は必死に走って念話を練習した。
特にクルサとジシットは決死の覚悟で練習した。それはもう提案したアルフェーナですら引くくらいに。たった数時間とはいえクルサとジシットにとっては数年くらいたった感じだったようだ。
「練習終わり!全員集合!」
アルフェーナの掛け声にヘトヘトになりながらも走っていた面々が集まった。集まるも全員(クルサ以外)が膝に手をつき息をする者、体育座りの足伸ばした感じの者、大の字に寝っ転がる者に別れていた。
「さぁみんな今回よく頑張りました。半日より少ないとはいえ走りっぱなしで慣れない念話も頑張っていた。その結果及第点はみんな取ることが出来ました。はい拍手喝采」
パラパラと拍手が起きる。
「これから夕食よ。お風呂に入って着替えて食堂に集合すること。解散!」
そう言うとアルフェーナはさっさと屋敷に戻っていった。
残された面々はというと、クルサはある程度呼吸を整えるとアルフェーナに続き、エルザ達初期組はクルサが行ってからからしばらくして歩きだし、メマ達剣術組はエルザ達から少し遅れて歩きだした。
そして全員が屋敷に無事到着後お風呂で汗を流し、各々の部屋で着替えたのち食堂へ、そこでアルフェーナの父チェザーレと養母アゾルカと挨拶をしてから和気あいあいと食事をした。それから部屋に戻るとアルフェーナ以外は疲れて眠ってしまった。
こうして合宿初日は無事終了した。
さぁ今回も小説ざっと紹介コーナー。
『無職転生』第五巻の中編について話します。
パウロと殴りあいをしたルーデウス。エリスとルイジェルドに慰めてもらい、パウロは昔の仲間のギースにルーデウスがどれだけ大変だったかを教えてもらいなんとか仲直りをした。
これからミリス神聖国内を抜けるのだが、その前にあの人物がミリス神聖国で何をやっていたか語られる!
この続きは次回け小説をお買い上げに。
ではでは~




