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組み手対決

遅くなってごめんなさい


「どうしよっかなぁ」

そう言いながら頭に手をやるアルフェーナ。そこにベレンナが近づいてくる。

「どうしたのよアル?」

「なんかちょっと手が出ちゃった」

てへっ!と下を出すアルフェーナ。それに対して頭に手を当てるベレンナ。

「はぁまったく……誰かこの子医務室に運んで」

同じ魔剣学園のメンバーが肩に担いで運んでいく。

「あぁあ……こんなことしたらさらに相手が見つかんない」

「仕方ないかな。プラート、アルと組んで!」

「結局いつも通りじゃねぇか」

文句を言いつつもやってくるプラート。

「これでみんな決まったね。それじゃ組み手開始!」

体育館内に剣戟の音が響く。中でも一際音が大きいのがクルサの場所だ。

「そらぁあああっ!」

「うわぁああああああああああああああああ!」

バッキィイインンッ!と相手が防ごうと前に出していた木刀にクルサの振り下ろしが当たり、木刀同士でもなかなかでない音が響く。

よく見ると相手の木刀の当たった場所にひび割れがおきていた。

そんなのに気にしないクルサは衝撃で動きが止まった相手の脇腹に速度重視の打ち込みをした。そのため相手はちょっとよろめいただけだった。

「よしこれで十人!次いない~」

礼をそこそこに次の相手を探すクルサ。

そんでもって毎回見る一人で立っている人物。

「まだ決めていないのアル?」

「まだというか、誰も私と組んでくれないの。これじゃノルマが達成出来ないよ」

深々と溜め息をつくアルフェーナ。

「そっか、ならアタシとやらない。さっきのでノルマはクリアしたから大丈夫だよ」

「そう?ならお願いしよっかな」

「よっしゃ、久々にやれるぜ!」

「口調が下品」

そんな軽口を叩きつつ二人は少しスペースの空いている場所に向かう。

「ここでいいかしら」

「ええ、ならルール決めよう」

「一気に終わらせたいから連続百回を十分以内に終わらせる」

「了解」

合図などあらず模擬戦は始まった。

最初は両者鍔迫り合いから始まった。拮抗するも力が上のクルサが徐々に押し始めた。

「ふっ」

すかさず力を抜き木刀を添えるようにして流すアルフェーナ。押そうと力を込めていたクルサはつんのめり、その無防備な腹を急かさず打つアルフェーナ。

「まず一回」

僅か数秒の間に決着が着いた。それを目撃していたのはたまたまそちらを見ていた者か、既に終えて物珍しさに見ていた者だけだった。

「次」

「おう」

距離を取るとすぐに始める二人。木刀同士が打ち付けた、でも他とは違うかん高い音が響く。

そこからはパワーのクルサをテクニックのアルフェーナがドンドンくだしていった。

その対決を見る人だかりもドンドン増えていった。残っているのはアルフェーナとクルサの組だけになっていた。

「アルフェーナ様、なんて精確さなの」

「えぇ、あの隙間から打ち抜くなんて一流の騎士でも不可能よ」

エルザとブレンナがアルフェーナのミリ単位のテクニックに脱帽するなか、クルサにも目を向ける者もいた。

「クルサ様もあんな力任せに振るなら、木刀から強風が吹き荒れています」

「すごいですね!真似できるものでもないですよ!」

「身体強化してやっとだと思う」

三人組も口々にクルサを褒める。でもそれはただ単にクルサのが見えるだけなのだが。つまりアルフェーナの木刀は霞みのように残像を残すだけだからだ。それを見えるエルザとブレンナも大したものだが。

でもそれは【精霊会】の面々とプラート、ベレンナだからかろうじて見えるのであって、それ意外は残像をいたとこに残して打ち合うアルフェーナとクルサをみているだけだった。

「いったい何がどうなっているんだ?」

「わかりません。ですが!」

「はい、俺達とは次元が違いますね」

【魔法剣術研究会】は驚き、困惑、嫉妬などといった感情を顔に表していた。

「俺達、なんて浅いところで張り合っていたんだろうな」

「そうだな。あんないがみ合い、これを見せられた後では児戯に等しかった」

ザカルとモルツが隣り合い話していた。今まででは考えられない光景だが、二人も学生とはいえ剣士、目の前で行われているハイレベルの打ち合いに目を釘付けにしていた。それは周りもなのだが、でもそのお陰なのかわかってしまうのだ。自分達のいがみ合いがどれだけ意味もなく、どれだけ子供の遊びの延長だったのかを。

その対決も終わろうとしていた。目にも止まらぬ速さなので誰も数えていないが、終わりが近いことは全員が察していた。

「あと何回なのアル」

「あと十回よ」

頬を伝う汗を拭いながら苦しそうな顔で聞いてくるクルサにたいして、ほどよく汗をかいているアルフェーナが涼しい顔で返した。

「時間も無いことだしやるわよ」

「ほーい」

クルサの軽い声を切っ掛けにもう一度対決が始まった。

だけど今回は先程の打ち合いとは気迫が違った。

「でらぁあああああああああああああああああああああ!」

「はぁああああああああああああああああああああああ!」

さっきとは打って変わって長く打ち合う二人。

「どうしたのよクルサ!そんなに本気になって、負けすぎてムキになったの?」

「えぇそうよっ!こんなに負けたらアタシのプライドがドンドンすり減っていくんだから何回か負けなさい!」

「いやよっ!」

長い打ち合いになっているが先程と違うのはその速度だ。先程まではまだ他の面々でも視認出来る(精霊会のメンバーのみ)速度だったが、現在はベレンナとプラートでもやっとの速度で打ち合っているため、周りには二人の腕が消え、黒い残像が二人の周りを縦横無尽に駆け回っている光景があった。

「ここまでなのですね」

「ええ、ここまで……ここまで」

「やっば、とんでもないね」

「「うんうん」」

【精霊会】の面々が目の前で繰り広げられる人外の対決に対して悔しく思う者、呆れる者に別れていた。

『……………』

非常識に慣れている【精霊会】とは違い、【魔法剣術研究会】はただただ呆然とするしかなかった。

そんななか対決に変化が起きた。

「そろそろ速度を上げるわよ」

「…………まじ?」

アルフェーナの発言に苦い顔をするクルサ。それもそのはず、この速度がクルサが現在出せる最高速度だからだ。

「あら、止める?」

「…………いえ、やるわ」

でもここで逃げるのは違うと判断した。

だがそれこからは力以外全てを凌駕しているアルフェーナ一方的に勝っていった。

「やっぱムリだったかぁー。いけると思ったんだけどな」

「あなた力以外をもっと伸ばしなさいよ」

「いやまだまだよ」

こうして二人の人外の対決が終わった。

今回も小説ざっと紹介コーナー。

今度は『無職転生』の第五巻に付いて書こうとおもいます。

森を出てミリス神聖国にやって来たルーデウス達。情報収集のためそれぞれで別れた。

ルーデウスはギルドにやって来るとそこには父のパウロがいた。感動の再開をするもすれ違いから喧嘩。さらにそこに妹のノルンも現れ、いたたまれなくなったルーデウスは出ていく。

そのあとルイジェルドやエリスの助言や後輩がパウロの説得などをして仲直りする話です。

次は前編に付いて語ります。

ではでは~

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