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【竜帝】結成

ひがんで忙しいなか書き上げました。

スラムでの抗争が終わったその日、アルフェーナ達は拠点洞窟に戻り、朝方まで宴会をおこなった。余程嬉しかったのか全員がへべろけになるまでドンチャン騒ぎ、幹部とアルフェーナも翌日の打ち合わせのことを考えずに飲んで騒いだので、ほぼほぼダウン状態になっていた。

「あぁー、私はお酒飲んでないけど籠った空気で酔っぱらちゃったわ。頭ガンガン痛い……でもあんた達よりはましか」

アルフェーナは頭に手をやりフラフラしていたが、後ろを見ると、まだ私はましな方だと溜め息を付いた、なぜなら後ろではそれ以上の光景が広がっていたからだ。後ろに続くゼンドル達四人はヤバいの一言だった。まず顔が真っ青になっており、歩きはふらつくのではなく少し歩き立ち止まって吐くを繰り返していた。胃の内容物は既に無く、代わりに胃液や補給した水分を吐いていた。

「「「「…………うぷっ……おぇえええええええっ」」」」

「……はぁー……あなた達着くまでには治しておきなさい。そんなんじゃ()()()()()()()()?」

「……わかってますお嬢」

「ですがちょっと」

「……飲みすぎました」

「おぇえええええええっ……うぼぉえええええっ」

ゼンドル、トリソウ、ミーゼ、クラムの順で話した。クラムの場合は話したのではなく吐いたのだが……どうやらクラムは厳つい顔と我体のせいで勘違いされやすいようだがお酒は弱いらしい。昨日もビールとワイン二杯ずつで突っ伏していた。

続いて今更であるが、いつの間にかメンバーに馴染んでいる最後に捕まった山賊ボスのトリソウだ。彼はスラム襲撃一ヶ月前に捕まって、身柄に関して保留だったのだが、半月前にアルフェーナの下に付きたいと言ってきていた。アルフェーナの魔力による圧力、魔圧を受けたのにも関わらず半月も頑なだったのは驚かれていた。

そしてトリソウは元々人付き合いが上手いので半月しかなくても集団の中で頭角を表せた。なのでアルフェーナの近く、元の山賊ボスの位置まで戻ってこれたのだ。トリソウは戦闘よりも情報収集や話術が上手い、変わった山賊だった。

なのでアルフェーナも今回の交渉のサポーターとしてつれてきた。残りの三人はアルフェーナ……というよりはトリソウの護衛としてである。

「はぁ~……そろそろ着くわ。気を引き閉めなさい」

すると先程まで流れていた緩やかな空気が一変、ピリピリとした緊張感が漂い出した。相変わらず顔は真っ青だが。

「約束通り来たわよー。許可なんて聞かずに入るわね」

理不尽にそういうとアルフェーナはドアを蹴っ飛ばして開けた。

ドバァッン!と盛大に音をたてて両側に開いた。入ると目の前にたくさんの武装した奴等がこちらに剣を向けていた。杖を持っている者も居るようでそいつらも先端をこちらに向け、魔方陣を先端に展開しているのでいつでも撃つことができるようになっていた。そして真ん中にいる男性、カットが声をかけてきた。

「お待ちしていましたアルフェーナ様、お付きの方も、これは細やかな贈り物です。お受け取りください」

カットが手を上げて合図をすると、準備されていた魔法が放たれて、一泊遅れて剣を持った者達が雄叫びを上げて接近してきた。

「…………全くめんどくさい。魔法を消すから他をお願い」

「「「「はっ」」」」

「消えなさい《ロスト》」

アルフェーナは片手を上げて魔法を唱えると、我前まで迫っていた魔法の弾幕が元々無かったかのように欠き消えた。

「「「っ!!?」」」

「うそだろ」

「消滅魔法」

「使えるやつがいたのかよ」

この出来事にスラム側も少なからず動揺したようだ。内の何人かはアルフェーナが使った魔法を知っているようだ。

接近してきた者達も動揺し、走る速度が遅くなり、何人か止まりかけた。致命的に。

直後ゼンドルが一番近くの奴を突き刺し、ミーゼがナイフを投擲、トリソウがクラムに強化魔法をかけ、クラムが敵の中心に移動し拳を振り抜いた。

「ひっ!」

一回の油断で仲間を三人仕留められた接近してきた者達は呆然と固まって動くこともできずにいた。この機会を逃がすはずもなく、更に四人殺された。

「ばっ……ばかな、こんなことが……貴様ら早く魔法を放てっ!」

カットが捲し立てるように声を荒げると、魔法部隊がすぐさま詠唱し放ってきた。だが先程と同じくアルフェーナに消されてしまう。

「なぜだ、なぜだなぜだなぜだ!こちらには倍以上の人数がいるのだぞ!なぜ一人も仕留めることができないのだ!」

「それは貴方が無能だからじゃないの?」

「…………なに?」

アルフェーナは微笑みながら呟いた。

「人数があっても、作戦、指揮者がポンコツだと、何もうまくいかないわよ?」

「きさま~!」

「それに、私が来た!それだけで成功なんてあり得ないのよ。新しくあなた達の敗北は必然だったというだけよ」

アルフェーナはそれが当然と言った顔をして胸を張った。

カットは反論したがったが、口に出すことは出来なかった。会話中、たった数秒しかたっていないのにカット以外の襲撃メンバーが倒されて床に転がっていたからだ。

カットはその光景を再確認すると、膝から崩れ落ち俯いたまま動かなくなってしまった。

アルフェーナ達はその横を通り抜け、二階に向かい昨日の襲撃部屋に向かった。部屋に入るとセルネが待っていた。

「ようこそ我が主」

「主はやめて。まだそうではないんだから」

「いえ、すぐにそうなりますよ。その前にこちらにはお座りください」

アルフェーナは進められるままにソファーにもたれた。その間セルネは終始笑顔を絶やさずに受け答えしてきた。

「よく言うわ。下にいたバカ達に私達が殺されていたらどうしたのよ」

「そのときはこの椅子をやると言っていました。それにあなた方が負けるはずがない、そう確信していたので」

「…………へぇ~」

ゾクリッ!とセルネの背筋に悪寒が走った。ただアルフェーナが笑っただけで。嗤っただけで。

「いい眼を持っているのね」

「お……お褒めにあづかり光栄です、我が主」

「それでは、これからのことを話し合いましょ?」

「そっ、そうですね。そういたしましょ」

セルネが向かいのソファーに腰を下ろし脚を組むと、アルフェーナは今後自分が行う事案について聞かせた。

「…………なるほど、わかりましたそのようなことを目指すのですね?」

「えぇ逆にそれ以外を目指す方が難しいわ」

「は……ははっ……」

うふふっとアルフェーナは微笑んだ。セルネも顔に笑みを浮かべるも、引きつり顔になってしまっていた。

「ではこれからよろしくお願いいたします、我が主」

「えぇお願いね。数日中に移住も済ませるわ」

「すでにこちらで住居の方を手配しております。さすがに人数がわかりませんのでせれなりに多く」

「あらっ!準備がいいのね。好感が持てるはそういうとこ。ならついでといってはなんだけど、宣伝もしてくれる?」

「宣伝ですか?なにのでしょう」

セルネは首を傾げた。

「組織名よ」

「組織名ですか?ですがそれはあまりにも危険では」

「だからこそよ」

アルフェーナは何者にも屈しないと言った雰囲気を表し、獰猛に笑った。

「さっきも言ったわよね私の最終目標、そのための近道よ。確かに危険よ、でも私なら大丈夫。まさかセルネは私が負けると思っているの?」

アルフェーナは少し魔力を解放して脅した。

「めっ……滅相もございません!確かにできすぎたことでした」

「ありがと、私を心配してくれてのことなんだから気にしないわ。それとあなた達が危険になってしまうから申し訳ないわよ」

アルフェーナの謝罪にセルネは驚きつつ、先程とは違う引き吊った笑顔でなく、本当に嬉しそうな笑顔を浮かべた。

「とんでもございません。それを込みで私は貴女に仕えたいも思い、今本気で仕えていきたいと思ったのです。なのでご安心を、必ず世界に轟かせてみせます!」

「そう……ならもう何も言わないわ。あなた達もそれでいいわね?」

「「「「はい!お嬢(姫)(様)!!」」」」

後ろに控えていたゼンドル達も力強く頷いた。

「それではここに、私を頂点し、奪われることを許さず、奪われたならその何十倍も奪い、終わりが来るそのときまで、奪い続いていく組織、【竜帝】の設立を宣言するわ!」

「「「「「はっ!!!!!」」」」」

今この日に、遠くない未来、世界最強最悪と言われ続けることとなる【竜帝】が産声をあげたのだった。


次もよろしく

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