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魔剣学園の【魔法剣術研究会】との邂逅

遅くなりました。

父が死んでナイーブです

『…………』

アルフェーナ達は目の前で土下座しているザカルを見下ろしながらちょっと前のことを思い出していた。

アルフェーナ達が部室で今日の訓練に勤しんでいると、廊下からドタドタッ!と誰かが急いで走ってくる音が聞こえてきた。

「誰ですかね?」

そんな疑問をエルザが口にした時、ガラッ!と勢いよく扉が開け放れて、そこにはザカルが立っていた。

疑問の視線を受けながらザカルはずんずんとアルフェーナに歩いていった。そして前に来るといきなり土下座してきた。

「頼む!どうかメマとジシットを今週末に貸してもらえないだろうか!」

「どうしてか理由を聞いても?」

「………あっ!」

アルフェーナがザカルに理由を聞こうとしたときメマが声をあけだ。

「どうしたメマ?」

「ジシットさん、今週末って……」

「うん?……あぁそういえば」

ジシットも何かしら思い出したらしい。

「二人とも教えてくれる」

「はい。実は前から魔剣学園の【魔法剣術研究会】との交流試合が決まっていたんです。出場選手も決まっていて、私とジシットさんが選手だったんです」

「それなら選手を帰ればいいじゃないですか」

もっともなことをエルザが言う。

「そうなんですけど……」

そう言うとメマはザカルとジシットに困惑というか困ったような視線を向けたが、ザカルは土下座中なので気が付かず、ジシットはどうでもいいといった感じだった。

「こちらは変更が二人しか不可能なんです。そういう風習なんです」

「それはまた……めんどくさい」

どこにいっても嫌な風習とはあるもので、魔術学園と魔剣学園との間というか、部活どうしというか、そんな二学園の間には様々なことがあるようだ。今回もそんな風習の一つのようだ。

「でも二人は変更出来るのね」

「えぇ、でも誰が出たって剣を毎日一日中訓練している人達に私達が勝てるわけが」

「なら私とクルサを入れなさい」

メマの反論を最後まで聞かずにアルフェーナは言った。当然のように巻き込まれたクルサは後ろで、「何勝手に入れているのよ!」とわめいていた。

「何番目にするかはそっちで決めて、場所も後で教えて」

「勝手に進めるな!いつアタシが出るって言ったよ、アタシにだって用事があるかもしれないのに」

「かもしれないって言っている時点でないでしょ?」

「そうだけど!」

そんな不毛な言い合いをしている二人にメマが声をかけた。

「あの……本当に出るんですか?言ってはなんですが嫌な気分になると思うので、止めておいたほうがいいと思います」

「私は別に反則されても勝つからいいわ。他に言いたいことがないならこの話はここで終わり。さっさと訓練の続きするわよ」

もう何も聞かないといった態度でずんずんと自身の訓練場所に戻るアルフェーナ。

それをただただ呆然としていた面々だったが、元々アルフェーナの性格を知っている者達は、「しょうがないな」といった感じに肩をすくめて苦笑しながら戻っていった。

最近知り出した者、全くわからない者はどうしようかとおろおろしたが、こっちをもう気にも止めていない姿を見ると、もうなるようになれといった感じにそれぞれの場所に別れた。

そんな話し合いから数日たち週末になった。

【精霊会】と【魔法剣術研究会】は交流試合のため魔剣学園にやって来ていた。

【魔法剣術研究会】の面々は緊張で顔がこわばり体もガッチガチになっていた。

「へぇここが魔剣学園なのね」

「アルは初めてか」

それでもアルフェーナとクルサは普段通りだった。

「実はわたしもなんです」

おずおずとエルザが手を上げる。エルザ以外の面々も緊張でガッチガチだった。

「そうなんだ」

「クルサはなんか余裕そうね、足取りも軽いし」

「実は中等部のとき毎週来ていたから。カチコミに」

そんなことをぬけぬけと言ってきたクルサだった。

「何してんのよ、アホなの」

「いやーちょっとムカついた奴らがたくさんいたからシバきまくっていた」

『アホだ』

クルサ以外の声が揃った。

そんな風に軽くワイワイしながら歩いていくと、魔剣学園のほうがなにやら騒ぎ出した。

「おい、あの赤髪って」

「ああ!あの悪魔だ」

「赤髪の悪魔がまたやって来たのか!」

なにやらそんな声が響いてきた。その声を聞いたみんながクルサに視線を向けた。

「あの言っている赤髪の悪魔って」

「アタシね」

「なにやらガタガタ震えているけど」

「アタシのせいだね」

『…………』

もう何も言う気がなくなった面々であった。

そんな阿鼻叫喚の中をイソイソ(数人は堂々と)と進んでいって、実技場と呼ばれる巨大な建物に向かった。そこにはすでに魔剣学園の【魔法剣術研究会】の面々がすでに整列していた。

「遅れて登場とはずいぶんな余裕ですな!」

真ん中にいた金髪の青年が嫌らしい笑みを浮かべながら叫んできた。

そんなそいつを余所にアルフェーナとクルサとエルザの視線は端にいる人物に注がれた。

「ねぇあいつって」

「うんあのときの」

「私達に絡んできた人ですよね」

そこには入学前に出会ったどこかの国の王子様が立っていた。この研究会に入っているということはどうやら剣が相当自信があるらしい。だがあちらはアルフェーナ達には気が付いていないようだ。

「いつもお世話になります。よろしくお願いします」

そう言うとザカルは手を差し伸べた。腰も低い。

「そうですね。ではどうぞ」

だけど金髪の青年はザカルの手を取らず、さらには隠しもしない嘲笑で背を向けて歩き出した。

「…………」

ザカルは差し出した手を握りしめながらも、文句も言わずついていった。他の面々も慣れなのか我慢なのか、顔を俯かせながら歩き出した。

「ふーんなるほど」

「ね?なんかムカつくでしょ」

どうやらクルサのカチコミもこんな奴等が多いからやったようだ。

アルフェーナが振り返りみんなを見ると、みんながみんな不満顔をしていた。

「私今日ちょっとは手加減しようと思っていたんだけど、やめにするわ」

「おっ♪てことはてことは!」

アルフェーナの言葉にクルサが嬉しそうに反応する。

「クルサも本気でやって、私も相手を完膚なきまでに叩きのめすから」

「了解」

ものすごい物騒な発言をする二人だが、いつもは止めには入るエルザ達も思うとこもあるのか、

「ほどほどにしてください」

「泣かせないでよ」

「入院させちゃってください!」

「骨折ってください!」

「なんなら研究会潰してください!」

こちらも物騒なことを言い出した。

「ハイハイわかったわかった」

「まぁ見てなさい」

アルフェーナとクルサは獰猛(どうもう)な笑みを張り付けて堂々と歩いていった。

ちょっと落ち込みながらも、小説ざっと紹介コーナーです。

『無職転生』第三巻の後編になります。

順風満帆に冒険者活動をするルーデウス達。他のパーティーとの裏取引でどんどんランクを上げてお互いにウハウハな状態。でもそんなことは長く続かないものです。冒険者組合の中で陰湿な冒険者に目を付けられ、その事がバレてしまう!さらになしくずし的にルイジェルドの正体も!

どうなるルーデウス!

と、こんな感じで今回は終わりです。

次回から四巻について話していくのでよろしく。

ではでは~

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