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それぞれの事情

暑いなか頑張りましょう


体育館を後にした一行は無言のまま【精霊会】の部室に戻った。全員が部室に入り席につく。

「さて、先に紹介からお願いメマ先輩?」

「え?えぇ……改めて、元【魔法剣術研究会】副会長のメマ・フィン・ソルスです。貴族階級は子爵、長女で下に弟二人に妹が一人います。学年に二年、よろしく」

紹介が終わり拍手もしたあと、現在進行形で重い空気を作る本人が口を開いた。

「ところでみんな、私に何か聞きたいことある?」

『…………』

全員何を聞けばいいのか言葉に詰まった。だがこいつだけは遠慮せずに聞いてきた。

「はいはーい。ぶっちゃけそろそろアルのこと知りたいんだけど?どこまで話してくれる?」

クルサがためらいなくズバッといったので、他の面々は驚きの視線を向ける。

「どこまでねぇ…………まだ全部言うことはできないけど……」

そう言いつつアルフェーナは話し始めた。

母のこと、生まれた当時のこと、母の死のこと、人を殺したことがあることを話した。ちなみに【竜帝】のことは話していない。父とはスラムで偶然出会ったとしか話さなかった。

「そんなことが……」

「ごめんなさい、辛いことを思い出させてしまって……」

「そっか、そんなことが起きたんだ」

「「「「…………」」」」

エルザとブレンナは聞いたことに後悔を口にして、振り回されまくるクルサは寂しさを、他の四人はただただ驚いていた。身近にこんな過酷なことを経験したいる人がいたことに。

「別にそんなにかしこまらないでよ。今さらだし、私はもう受け入れて吹っ切れているから大丈夫よ」

「でっ、でも」

「そんなに気にするなら……屋敷との通りにあるカフェで奢りなさい」

「…………はーい」

アルフェーナからのあっさりとした回答にクルサは笑って答えた。

「ちょっと待って……通りのカフェって……あの高級カフェ!?あそこはお金が足りな」

「約束は解消しないから」

とても嬉しく晴れやかなな顔で言われ、クルサは落ち込みながら了承した。

「あの、アルフェーナ様。その私達」

「無理にかしこまらないでエルザ」

「えっ?」

「さっきの話はこいつが聞いてきたことで貴女達には私が聞かせただけ。だからそんな後悔した顔でいないで?私がどうすればいいか迷っちゃうから」

そう言いながら苦笑しつつ頬をかくアルフェーナ。

「で、でも」

「それくらいになさいエルザさん」

直を食い下がろうとするエルザに後ろから肩を掴んで止めるブレンナ。

「ブレンナ様」

「アルフェーナさんが気にしていないと言って、しかも困っています。(わたくし)達はそんなことをするために聞いたわけではありません……でもそんなに後悔なさるなら、クルサさんの負担を減らそうではありませんか」

「クルサ様の?」

「そう……アルフェーナさん、カフェでのお茶会はいつ行うんですか?」

「うん?そうね、今週の日曜日かしらね。だからクルサ予約お願い」

「ちょっと急すぎ!日曜なんてすぐじゃん!今から予約いかないと間に合わないぃ~」

そう言ってクルサはダッシュで部室を飛び出していった。

「というわけかしら」

そう言いながら振り向くアルフェーナ。

「ありがとうございます。その日は(わたくし)達もお支払いたしますので、よろしいですか?」

「別にそれくらい許可とらなくてもいいわよ。貴女達の好きにしなさい」

そう言いながら背を向けて片手を振りながら部室を出ていこうとするアルフェーナ。扉を開けようとして手かけようとしてとき、ぶと考えて手を止めると振り向いた。

「また明日ねみんな」

そう言うと出ていくアルフェーナ。

言われた面々は暫し呆然としたあとハニカミながら見えなくなった背中に届くように声をあげた。

『また明日!』

部室と廊下に全員の声が木霊した。

その頃アルフェーナ達が立ち去った体育館には、【魔法剣術研究会】の面々がまだ残っていた。

「俺達が剣で負けるなんて……」

「しかも相手は二人……」

「……手も足もでなかった」

全員が全員下を向き弱音を吐いていた。でも大体が同じ内容だった。そんななか最後に戦った三人は端で話し合っていた。

「どうすればいいと思う?」

冷静なカズカが腕を組ながら聞いた。

「とりあえず俺はメマを取り戻せればなんでもするぞ」

ザカルはいまにも走り出しそうなほどイライラしていた。

「だが相手は俺達より強いんだぞ?どうすればいいんだ?」

ザカルよりも先にいきそうなジシットが落ち着いた感じで聞いた。

「まず俺達は弱い。多分普通に戦えば後ろにいたメンバーにも負けるだろう。だからこそ普通にやらない」

「どう言うことだ?」

ザカルの意味ありげな答えにジシットが首をかしげる。

「俺達は力がある、数がいる、それをいかして部室を包囲して……」

「いえそれよりも部室までの間に……」

「なら入る時にも……」

カズカを置き去りにザカルとジシットが襲撃の計画を練り積めていった。

そんななかカズカはその二人を見て微かにモヤモヤしていた。

(確かに俺達、俺ははメマを取り戻したい。だけど正攻法では無理だ、なら作戦を立てるのはいいが、ちょっと小物感過ぎる作戦が多い気が……それにザカルとジシットがあんなに考えなしに行動するか?まるで誰かに操られて……)

「気づいちゃいましたか先・輩・?」

「っ!?お前!……ぐっ」

すぐ後ろで声をかけられて振り向いたカズカは後ろにいた人物に手を頭にかざされて魔法を受けた。

「さぁ先輩もどうぞあちらに」

「あぁそうだな」

さっきまでと打って変わってカズカはザカルとジシットの作戦会議に参加していった。

「くくっ、これで対立が激化してくれなければな?我々の計画のため頑張ってくれたまえ、バカな道化達」

そいつはくぐもった笑いをし続けた。そんな姿を見るものは誰もいなかった。

さぁ始まりました小説ざっと紹介コーナー。

書き手の愚璃麼鴉です。

今回は『無職転生』第二巻の最初の大分について紹介しようと思います。

まず最初はルーデウスがエリスがいるボレアス家に来て各々の紹介していたのですが、ひょんなことからエリスの逆鱗に触れて、トラウマを植え付けられます。

それから街で誘拐事件に巻き込まれ、家庭教師になります。それから家庭教師としてやっていくことになるのですがこれはまた次回に。

それでは熱中症に気をつけてお過ごし下さい。

ではでは~

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