実力測定
おそーなった
教室内は静寂に包まれていた。
負けた【魔術論研究会】は言わずもながら、勝ったアルフェーナ達の方は、決闘後に言ったアルフェーナの言葉によってだった。
「それじゃ私が勝ったから要求通り、教室と部員を貰うね?それとなんだけど、上級生である二年生と三年生は出ていってもらっていいですか?」
アルフェーナは振り向きざまた怪訝そうな顔で言いはなった。
「なっ!?」
「はぁああああ??!?」
突然の物言いに驚愕する上級生達。
「どうゆうことだ、確かに決闘において私達の研究会は君達の研究会に統合することになったが、そこまでの権限はないはずだ!」
【魔術論研究会】の部長だと思われる男性が前に出てきて反論してきた。そいつはミグナットに罵声を浴びせていたやつのようだ。
「確かに私にそんな権限はない」
「ならば……」
「でも気にくわない奴等と馴れ合うつもりもないの」
「っ!」
部長を見据えるアルフェーナは凍えるような冷たい瞳を向けていた。それに睨まれた上級生達は一様に青ざめ沈黙し、体を小刻みに震わせていた。
「私は仲間を見捨てたり、責任を押し付けたりすることが嫌いなの。さっきのあんたら、ミグナット達に決闘を押し付けたわよね?」
「そ、それは経験を積ませようと」
「ものは言いようね?」
更にプレッシャーを高めていくアルフェーナ。そのせいで顔は白くなり、体の震えも大きくなったり、震え自体が止まってしまう者まで出てきていた。
「何をどう言おうとあなた達はミグナット達を見捨てた……まではいかなくとも切り捨てたのよ。それを今さら仲間面しだして、私達に取り入ろうとするその性根に腹が立つ」
「ぐっ!」
「それに人数はミグナット達が入ればちょうどだし、嫌いなあなた達を無理に入れなくてもいいのなら、そうするわ」
上級生達は尚も反論しようとするが、口は開くもプレッシャーのせいで声がでなく、出たとしても何を言えばアルフェーナの怒りを納めることが出来るのかわからないためなにも言えなかった。
アルフェーナは上級生達が移動出来るようにプレッシャーを弱めると、それが合図になったらしくそそくさと教室から出ていった。
「ひゅ~アルかっくいぃ~♪惚れちゃいそうだよ!」
「よかったのですかアルフェーナさん?先輩にあのようなことをいいはなって」
「そうです!アルフェーナ様にもしものことがあったらどうするのですか!?」
クルサはいつも通りだが、エルザとブレンナはアルフェーナの身をとても心配してきた。それも二人だけでなく、
「そうですよ。先輩方はいろいろ陰湿ですし、部長は伯爵家の人間です。何をしでかすかわかりませんよ!?」
後ろからミグナット達が駆け寄り、とても不安げに詰め寄ってきた。
「えっ?でもアルとブレンナは公爵家だよ?そんなこと調べればすぐだし、そんな危険な橋渡るかな?」
クルサがもっともなことをいうが、それを聞いてもミグナット達の顔は優れない。
「普通はそうなのですが部長、ミトーネ先輩の実家、カーネ伯爵家は数年前まで公爵だったんです」
「あらら?それまたどうして後家しちゃっているわけ?」
クルサが間抜けなこえをあげながら質問した。
「そこまでは……」
「確かかなりの悪どいことをしていたらしくて、それがバレて転落、それから伯爵に踏みとどまっているみたいだが、まだ公爵家の頃が抜けずに豪遊、反省の色見えず、息子である先輩も学園内でも問題児のよう、といったかんじかな?」
ミグナットがわからないところをアルフェーナが知っている(調べさせた)情報をみんなに教えた。
「そんなことまで」
「敵のことはとことん調べないと」
全部ミーネ達『竜眼師団』が調べた情報だが、それをさも普通に持っているモノだと言わんばかりに得意気な顔をして答えた。
「そんなんだから、最初から上級生の皆様には出ていってもらうつもりでした。さてと、」
そこでアルフェーナが、パンッと手を打って話題を打ち切ると、
「これから皆様私達の【精霊会】に入部するわけですので、自己紹介いたしますか」
最初にアルフェーナ達四人が順に自己紹介をしたのち、ミグナット達が自己紹介を始めた。
「私はミグナット・チェルナー。チェルナー男爵家の三女で、クラスはCクラスになります。よろしくお願いいたします」
「わ、私はポナーム・セル・ヴィナータです。ヴィナータ伯爵家の次女で、そちらにいるクルサ様と同じBクラスになります。よろしくお願いいたします」
「私はミーナ・カーバンツ。カーバンツ子爵家の三女です。ミグナットと同じCクラスになります。どうかよろしくお願いいたします」
「「よろしくー」」
「「よろしくお願いします」」
アルフェーナとクルサは軽めに、エルザとブレンナは丁寧に応答した。
それからアルフェーナが【精霊会】の活動方針を三人に説明した。
「魔力のコントロール訓練なのですが、今からやっても大丈夫なのですか?」
ミグナットが不安げに質問してきた。でもこれに関しては、
「大丈夫大丈夫、だってエルザ、ブレンナもつい一週間前に始めただったんですばかりなんだから、三人も間に合うわよ」
それから三人にもあの登竜門をやってもらうことにした。
「戦った私はわかるけど、他の三人にはいまいちわからないと思うから、ミグナットもお願い。回復してからにやってほしいから最後にお願いね」
「わかりました」
「ありがと……なら最初にポナーム、貴女からお願い」
「ははははひぃいっ!」
いきなりの指名に驚くポナーム。
「よよよろしくお願いします!」
例のごとく教卓の前にポナームが立ち、残り全員が教室の中央に集まるといった感じになった。そのため、
「あ、あの~……」
例のごとくポナームが不安を滲ませた。なので、
「大丈夫よー、貴女が全力でやっても傷どころか、私を動かすことも出来ないんだから」
「むっ?」
いきなり気持ちを逆撫でするように煽り、ポナームの不安を別の感情に塗りつぶすことにしたようだ。
「どうなってしりませんから!……燃え尽くす火炎!」
ポナームが手をかざし炎の放った。直線でアルフェーナ達に迫る炎だが、アルフェーナは焦りもせずに淡々と対処した。
「《バニッシュ》」
炎は舞い散るように拡散されて、それを見たポナームは驚く訳でもなくただ恥ずかしさと悔しさで顔を伏せて、向かって来たミーナとすれ違いでアルフェーナ達のも元に向かった。
「来なさい」
「はい!ミーナいきます」
そういうとミーナはポケットから水色の宝石を取り出した。宝石には中に魔方陣に閉じ込められていた。
「珍しいわね、宝石魔法なんて」
「水弾よ!」
掛け声と共に宝石に魔力を流してアルフェーナに向けて投げると、宝石が砕け水の弾丸になるとアルフェーナ達に向かっていった。
「速さは境打点だがチョイスがダメ、私の得意魔法じゃあね」
アルフェーナは人差し指を向けるとタクトのように動かすと、水弾も空中で止まると指の動きに会わせて空中を泳いだ。
「…………」
ミーナは驚くもでもなくだだポカーンとつったっていた。
「最後ミグナット。実力示すためにがんばりなさい」
そして今度はすれ違うようにミグナットが教卓の前に立つ。
「大丈夫ミーナ?驚くのは後よ、今度はもっとよく観察するのね」
ミーナは一瞬何を言われたのかわからなかった、でもすぐに次のミグナットの時にアルフェーナの観察のことだとわかった。それでミーナは顔を赤くして俯きながら戻った。
実際ミーナはポナームがやっているときなにも考えずに魔法を見て、すごいなぁーと思いながら眺めていたからだ。
そして今思えばなんと浅はかなことをしていたのかと思った。アルフェーナが使う高度な魔法を一回分見逃したことになるのだから。見るだけでも学ぶことはたくさんある、実際ポナームとミグナットは一瞬も眼を放してはならない、とそれが一度アルフェーナとたいじした者達の考えだった。
それを自覚する前にミグナットに言われたことがミーナは悔しく歯痒かったのだ。
「最後ミグナットいきます!」
ミグナットはなにかを思いっきり投擲するためのように振りかぶり始めた。
「?何を……」
しているの?とアルフェーナが聞こうとしたときミグナットが詠唱を始めた。
「今さら隠すのもおかしいのでねっ!」
そういうと振りかぶり方の手に魔力を収束させて槍……というよりは針といった方がいい武器を作った。
「これは……」
この時まで手を下ろしたままだったアルフェーナが初めて構えた。
「敵を穿つ雷槍よ力を示せ《ライトニングスピア》!」
本来は普通の魔法のように手をかざして放つものを、ミグナットは握りしめて投擲した。
「防壁よ《バリアシェル》」
豪速で迫る槍の対角線状に亀の甲羅のような形をした防壁が一枚形成され槍と激突した。
《バリアシェル》は下級、《ライトニングスピア》は上級に分類される魔法同士だ、普通は当たったら否がおうでも止めるでもなくだだ《ライトニングスピア》が通過して、《バリアシェル》に穴が開くだけなのだが。
「……すごい」
誰が発したのかわからない称賛が響いた。
なぜなら《バリアシェル》は拮抗したのだ、《ライトニングスピア》と、下級が上級と競っているのだから、驚かない方がおかしい。クルサは当たり前のようにしているが。
「回れ」
アルフェーナがそういうと火花を散らしていた防壁が回転し始めた。そうせいか更に火花が撒き散らし始めたのだが、おかしなことが起き始めた。槍が短くなりだしたのだ。
でも普通に考えて当然だ、真っ直ぐ進むものが回転するものに当たり続けると削れるに決まっている。今回もその現象が起きただけなのだが、この世界では単純なことでもわからないことになっているので、前世の記憶を持つアルフェーナとクルサのみがどうして起きているのか理解している。他は回転したらどうして槍が短くなっていくのかわかっていない。
「どうして!?何が起きているの!」
槍を投擲したミグナットは驚きと混乱で頭を抱えた。
そうこうしていると《バリアシェル》が《ライトニングスピア》を削りきってある意味消した。
『…………』
さっきまでとは違う魔法の消しかたに呆然としていると、
「いやー毎回見てもアルは非常識ね。もうちょっと普通に出来ないの?」
「うるさいわね~、そういうクルサはちゃんと出来るわけ?」
他のメンバーをほっといて二人でこうすればいい、ああすればよかった等々話し合いを始めた。
ある意味何とも言えない空間が生成されたが、なんとも和む空間にもなっていた。
コロナで映画が見れない
嫌ですねー
それでも次回をよろしく




