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決闘

コロナに負けずに頑張ろう


コントロール訓練開始から早一週間たった。

エルザとブレンナは一週間とはいえ日に日に成長していた。エルザは現在水滴を八個、ブレンナは十個生成して精密なコントロールをするまでに至っている。大したものだ。

その間アルフェーナとクルサは()()()()解決に学園内を奔走していた……というよりは学園内を見学していた、隅から隅で。

そして一週間たった【精霊会】の教室にて一同が介した。

「はい、今日の活動内容ですが、課外活動でーす」

「イエーイ」

「「?」」

事前に聞いていたクルサはノリよく、エルザとブレンナは頭にハテナマークを浮かべながら首を傾げた。

「場所は【魔術論研究会の教室の前に立つと、】の専用教室、目標は()()()()()()

「「…………はっ!?」」

「ヤフー!」

いきなりのことにエルザとブレンナは驚き、クルサは能天気な声を上げる。だがアルフェーナは驚く二人の手を取り無理やり引っ張りながら教室を出て、クルサも楽しそうについていった。

それから学園の第五研究練(だいごけんきゅうれん)に向かった。

学園には研究練が第一から第五まであり、第一研究練は授業のための教室、体育館等々がある。

第二研究練は食堂と保健室、実験用の素材や薬品、戦闘用の武器が販売、管理されている。

第三から第五は部活(研究会)用の教室や倉庫がある。

第三研究練には剣術学園にもある研究会が一つを残して配置しているためかなり豪華にしている。

第四研究練は中堅どころの研究会があり、第三には少し劣るものの豪華にしてある。

そしてアルフェーナ達が向かう第五研究練は、一言で言うなら廃校だ。しかも他の研究練は魔術石を使用した強固なのに対して、第五はまさかの木造、まさにオンボロだ。当然ここに配置されルームている研究会はどれもマイナー、人数少数、他のパクり等不人気が寄せ集められているのだ。

今から乗っ取りに向かう魔術論研究会もそんな研究会の一つである。

「さぁ着きました第五研究練まだ入り口だけど盛大にいくわよ!一番手はやっぱりクルサ!」

「まかせなさい!ナメるなんてこと絶対させないようにしてあ・げ・る♪」

そういうとクルサは 古びた扉の前に立つと()()()身体強化した。

「いくわよぉ~……おぉらぁあっ!」

クルサは拳を振りかぶると一気に振り向き、扉をぶっ飛ばした。扉がバウンドする音が廊下に響くと、教室からアルフェーナ達を伺う顔がトーテムポールのように出てきていた。

だがそんなもの関係ないとばかりに目的の教室に向けてクルサを先頭に、アルフェーナが誘導しながら歩いていく。

教室を横切る度にトーテムポールが引っ込みドアを閉め、過ぎると開ける、本来は不快な感じなのだがそんなものアルフェーナには関係ない。

そして四人は目的の【魔術論研究会】の教室前にたっていた。

「それじゃよろしく」

「まっかせなさい……しぁおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

掛け声と共に扉に回し蹴りをしたクルサ、とてもすがすがしい顔になっている。

「たーのもー!」

「ちょっと失礼しますねー」

呑気な声とともに教室内に入る四人。入ると教室の奥の隅から怯えた視線が注がれる。

「1、2、3……7と、全員入るわね。という事でまず扉修復からの防音」

アルフェーナは指を鳴らして無詠唱(むえいしょう)の魔法を発動、蹴っ飛ばされた扉が独りでに浮くと元の位置にはまり、歪みもなおっていき元通りになると、教室全体に防音の結界を張った。

その手際と速さにエルザとブレンナは、それに無詠唱も足したことに【魔術論研究会】の面々が驚いていた。

「それでは【魔術論研究会】の皆様、単刀直入に言います。この教室を私達に明け渡し、あなた方は私達の研究会に入って貰えませんか?」

アルフェーナはかわいいく言いつつも、内容はかなり物騒である。【魔術論研究会】の面々はただただ呆然として、それから上級生が反論で叫びだした。のだが、

「そ、そんなことできるぁあ!」

「そそそうだ!お前達に渡すものか!」

「ほしいなら、生徒会に直訴してきなさいよ!」

誰一人として決闘てま決めようと言ってこない。学園では大きなことを決めるときは大体決闘で行うのが伝統になっている。がその選択肢はなかった。

誰も好き好んで無詠唱で魔法を二つ連続使用出来る相手と決闘したいのか、そんなこと出来ないから口でしか言えない、といった感じだ。

でも叫ぶのは上級生のみ、アルフェーナ達と同級生は後ろで怯えているだけだった。

しばらく聞き、反論が罵倒に早々に変わり、それすらズット聞き流していたアルフェーナが静かに言った。

「そろそろよろしいですか?決闘するか、降伏するかどちらか選べ」

怒るわけでもなく淡々と言っているが、言われている【魔術論研究会】達はあびたことのないプレッシャーに押し潰されそうになっていた。そのせいかアルフェーナの前で()()()()()()()()()()()()()()()()()

「お、おおおい!一年!決闘はお前らがやれ!負けることは許さないからな!」

「せ、先輩!」

「ちょっと待ってください!いきなりそんな……」

「先程の見なかったのですか!無理に決まって……」

「口答えするな!」

「きゃあっ!」

上級生は一年にたいして振りかぶり平手打ちした。それにより女子生徒が床に転がった。それに駆け寄る同級生達。

それをひどく冷めた眼で見つめるアルフェーナ。

「……決まったかしら?なら決闘をしましょう」

抑揚のない声にクルサ以外の全員が身をすくませた。感じ取ったのだろう、隠された怒気に。

「決闘内容はシンプルに先に被弾した方が負けということにしましょう」

「は、はい……」

指名された女子生徒はびくびくしながら教室の中央に、アルフェーナも中央に向かい向かい合った。

「誰か合図をお願い、出来ないならクルサお願いね」

「まっかせなさい」

意気揚々と返事をする面々にアルフェーナの一人愚痴る。

「まさかホントに上級生が出てこないなんてね。しかもあの態度、殺そうかしら?」

物騒なことを言っているが小さな呟きなため誰にも聞こえていない。もし聞こえていたら何人か気絶していたかもしれないが。

「…………誰もいないみ」

「わ、私がやります!」

アルフェーナがさらに呆れようとしたとき、【魔術論研究会】の一年生の一人が手を上げた。

「私が……合図…を……します」

「…………わかったわ。なら五分後に始めるから、呼吸でも整えていなさい」

アルフェーナはとても嬉しそうな表情をしながらクルサ達のところに戻る。対象的に相手側は訳がわからず困惑しながら戻っていった。

「なんか嬉しそうねアル」

戻ったアルフェーナに開口そうそう疑問をぶつけるクルサ。そうだと言わんばかりに首を縦に振るエルザとブレンナ。それに対してまだ嬉しそうな顔のアルフェーナ。

「だってしょうがないじゃない。あっちにもちゃんと仲間思いの者がいることがわかったわけだし、もしあの瞬間出てこなかったら、私この研究会取り込まない気だったし」

「あっやっぱり?なんかそんな感じの雰囲気だったもんね。どうするのかわからなかったからヒヤヒヤしてたよ」

長い付き合いのクルサでも予測不可能になっていたのだ。

「クルサも知っているでしょ?私は仲間を見捨てるのが何より我慢ならないってこと。そんなことしたやつは絶対に許さないってことも」

「えぇ、()()()()()()()()()()()()()()()()()

アルフェーナとクルサにしかわからないエピソードに首を傾げるエルザとブレンナ。そうこうしていると五分が立とうとしており、あちらも()()()()()()()()()()

「そろそろ始めましょうか。その前に訂正が一つ、被弾した方が負けって言ったけど」

「……けど?」

「私を()()()()()()()()()()()、でもいいわよ」

アルフェーナは微笑みを浮かべてた。それを前にしてたいじしていた女子生徒二人は(いきどお)るでもなく、憤慨(ふんがい)するでもなく、二人の心には安堵(あんど)が広がった。

なぜなら負けることはわかっている、拮抗もなにも出来ないだけの実力差があるからだ。そのなかで、一矢報いる可能性も生まれ、ケガをするリスクも減ったための安堵だった。

「では貴女、合図をお願いします」

「はっ、はい!」

緊張しながら二人の間に立つと、いつの間にかクルサが寄ってきていた。

「わっ!」

「ごめんねー?でもアタシが守らないと貴女がケガしちゃうから」

「ありがと……ございます……」

クルサに戸惑いつつ、女子生徒は二人を見据えてながら、

「それでは、これより【魔術論研究会】代表ミグナット・チェルナー、【精霊会】代表アルフェーナ・フィン・グラビトンによる代表決闘を始めます!……両者、構え!」

構えの合図に対戦相手のミグナットが杖を構えるが、アルフェーナは杖も出さず、構えるために手も上げず、ノーガード状態でいた。

「はじめっ!」

「一条の雷撃よ《ライトニングショット》!」

「《ショット》」

ミグナットが雷属性魔法を放つと、アルフェーナは無属性魔法で即座に迎撃、しかも威力を同等にしているため消え去った。

それから数度、ミグナットが複数の魔法で仕掛けたが、アルフェーナがことごとく同種の魔法、《ショット》で迎撃されていった。

「う……そ……これでもダメなの?」

「ミグナット!そいつは動かないんだから後ろから魔法を打てっ!」

先輩の一人から野次が飛ぶ。

でも当のミグナットにはそれをやったとしても無駄なことだとすでにわかっていた。

「どれをやってもダメ、なら最後に悪あがきをするしかない!……アルフェーナ様、よろしくお願いいたします!」

「来なさい」

アルフェーナがクイクイ挑発すると、ミグナットはアルフェーナの正面に立ち、魔力を練りだした。

「我が魔力にこうおうして敵を「穿(うが)て《フルカーズランサー》」

ミグナットは無属性魔法の槍を凝縮に凝縮を重ねて、更に槍の先を螺旋状にして高速回転していった。

高速回転により大気が(うな)りをあげ、空気が渦巻きだした。

「上級魔法ね、しかもかなり練り上げている。ならこちらもそれなりのもので受けましょう」

アルフェーナは右手を銃の形に構えるて、人差し指に魔力を球体状に集めると、《フルカーズランサー》に向けた。

「はぁああああああああ!……ふぅー……ふぅー……いきますアルフェーナ様!」

「来なさい」

ミグナットは左手を大きく振り抜いて《フルカーズランサー》をアルフェーナに投げた。それに向けてアルフェーナは、

「撃ち抜き消し去れ《バニッシュ》」

バンッ!といった感じに無属性魔法バニッシュを《フルカーズランサー》の穂先に向けて撃った。

二つの魔法が衝突すると拮抗もなにも起きずに消え去った。

「そん……な……」

「スキあり《ショット》」

「ふぎゅっ!」

消されたことに放心しているミグナットに《バニッシュ》と同じ大きさの《ショット》をうでこに向けて撃った。

反応もできずにおでこを撃ち抜かれ二、三回後転して止まった。

「はい私の勝ち♪」

アルフェーナが軽やかに勝利宣言をした。


次回仲間増える

よろしくどうぞ

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