精霊会
いやー久しぶりな感じです。
よろしくお願いします
食堂に着いた四人はメニューを選ぶとまだ誰もいないので窓際に座った。
アルフェーナは豚のトンカツとバターロール、コーンスープにジョッキでアップルジュースなのだがトンカツの量が以上なくらいだった。クリスマスに出てくると七面鳥丸々ほどの多さが皿に乗っていた。
クルサは焼き肉盛り合わせに間が割れたフランスパンでこちらもジョッキにグレープジュースだ。そして焼き肉の量はタワーが出来ており正面から顔が見えないほどだ。
エルザはエッグベェネディクトにクロワッサン、トマトスープにティーカップに紅茶と先の二人とは違いとても普通だ。
ブレンナは肉少なめの野菜炒めとバケット、コンソメスープとティーカップにコーヒーとこちらもいたってシンプルだ。
「「…………」」
「いやー以外と美味しいわねクルサ」
「でしょー!学食って普段とは違う美味しさがあるわよねぇー」
アルフェーナとクルサが普段通り話しているが、それを正面に座るエルザとブレンナは唖然と見ているだけだった。なぜなら会話しながらも二人が以上な速度で食べていたからだ。量も最初の半分になっている。エルザとブレンナも半分になっいるが量が違うので速さが異様だとわかる。
「アルフェーナ様とクルサ様は……たくさんお食べになるのですね」
「えぇ女性が食べる量を大幅に越えているのだけど」
エルザとブレンナが驚きながらも呟いた。
「これくらい食べないと強くなれないわよ」
「そうそう、まずは肉肉肉!肉を大量に食わないとね」
アルフェーナにクルサが乗っかる。
そんなふうに雑談を交えながら話していると、次第に廊下から生徒が続々と食堂にやって来た。今アルフェーナ達と制服が少しデザインが違うため上級生なのだとわかる。
その頃になるとアルフェーナ達も食べ終わりかけておりこれからどうするか話していた。
「私とクルサは屋敷に戻りますけど、二人はどうしますの?」
「私はここの寮で生活いたしますのでお別れですかね」
「私は屋敷なので方向が一緒できたらご一緒したいです」
「屋敷どこー?」
「1区の西区ですわ」
「あぁー真逆か、アタシら東区だから途中までかね」
「なら提案なのですが、一週間のうちに決めておいてほしいのですが」
「「「……?」」」
クルサも聞かされていないのか首を傾げる。アルフェーナはそんな三人にある提案を話した。
「ふーんなんか楽しそうだね。アタシはどこにも所属していないから入ることにするわ」
「私は少し考えさせてもらいます。お答えで来ずすみません」
「私も考えさせてもらいます。期限のうちには必ず」
クルサは即答、エルザとブレンナが保留となった。
そして先程からチラチラと視線を感じるのだが、エルザ、ブレンナは気付いていないが、アルフェーナとクルサは気付いておりめんどうにならないうちに食堂を後にしようとしたのだが少し遅かったようだ。
「ちょっといいかい君達」
声がした方を見ると付き人を何人も連れた青年が立っていた。制服も普通の男性用と違い全身真っ白で所々に金の装飾がされている、いかにもどこかの王子的な服装だ。
「何か御用ですか?」
「貴様エルトゥラス殿下に向かってそのような口の聞き方を!無礼であろうが!」
聞き返したアルフェーナに付き人の一人が怒声をあげてきた。
(殿下ねぇ。やっぱりどこかの王子かしら、クルサ知っているかしら)
アルフェーナが目配せするとクルサが苦笑いしつつ頷いた。
(クルサが知っているってことは攻略キャラか重要人物なのね。はぁーめんどくさ)
「いいだよボード、名乗らなければ誰もわからないんだから。それでは私はクロォーク王国第一王子、エルトゥラス・ドル・クロォークです。お嬢様方、お名前を教えてもらっても?」
「わっ、私は……」
「待ってエルザ、お口にチャック」
慌てて名乗ろうとしたエルザを片手で制して喋らせないようにした。
「ア、アルフェーナ様?どうして……」
「貴様、どこまでエルトゥラス殿下を愚弄するのだ!」
またも付き人が怒声をあげるがまた聞き流す。
「ボード下がって」
「しかし!」
「命令だ、それにこれでは話が進まない。すまない我が騎士が失礼をした。それでうかがいたいがなぜ名乗ってもらえないのだろうか?」
「分からないの?ちなみにエルザとブレンナは?」
「あの私はわかりません」
「私もエルザさんと同じです」
「僕もわからないな」
三人とも首を横に振った。
「ならエルザとブレンナはあの提案の返答の時に答えてください。エルザとブレンナは名乗りはしてもいいですけど、私はしません」
「アルに同じくー。クラス連中から聞いてもいいけどアタシからは名乗らない」
「クルサに同じく」
アルフェーナとクルサは食器を片付けるために席をたった。立ち上がることで周りの視線をもろに浴びる。なぜならこの王子が来てから食堂中の視線を集めており、名乗らない発現で様々な視線が突き刺さっていたからだ。でもアルフェーナとクルサはそんな事気にしないとばかりに進んでいく。
「おっ、お待ち下さい!あの、その……」
「失礼いたしますエルトゥラス殿下。いきますよエルザさん」
「は、はい!失礼いたしますエルトゥラス殿下!」
どうやらエルザとブレンナも名乗らないようだ。慌てて近づいてくるのがわかる。
「お待ち下さいお二方。少々聞きたいことが」
「お待ち下さいー!」
ブレンナとエルザがアルフェーナとクルサに追い付いてきた。そのまま四人で食堂を後にした。
「よかったのですか?相手は仮にも王子でしたのに、あのような態度をとって」
エルザが心配そうに尋ねてきた。
「エルザ、私達は仮にも魔術師を目指すものなの。それを念頭に置いてこれから考えて行かないといけないわよ?これ以上はヒントになるから何も言いません」
「いやいやかなりのヒントよアル。やっさしぃぶぺっ!」
ニヤニヤ顔のクルサをアルフェーナがひっぱたいた。
「いたいよぉ~」
涙目で頭を押さえるクルサにエルザとブレンナが口許を押さえて笑う。
そのまま校舎を出たところでエルザと別れると、三人で西区に向けて歩きだした。
それから雑談を交わしつつ西区に入るとブレンナと別れた。
二人は屋敷に到着するとそれぞれの魔法の稽古を行いして今日を終えた。
●
入学式から一週間たった。アルフェーナはクラスで浮いていた。
仮にもアルフェーナは公爵、だがお茶会や社交界に出ていないため貴族の紳士淑女にはどうすればいいのかわからする人と、嫌いで近寄らない人と別れており、平民出はただただ公爵家関わりたくないといった感じで避けられていた。
ちなみに貴族で嫌いな中に、アルフェーナの話を聞かずクラスを先導して突っ走った女子生徒が中心で周りを避けさせていた。この女子生徒は、ケルガン侯爵家長女、バナラ・フィン・ケルガン。かなりのわがまま令嬢として育てられている少女だ。そのわりに社交界では顔が広く、様々な方々と交流があるためどんな貴族であっても手を出しにくい相手である。
さすがに学園では権威が落ちるとはいえ、社交界出場経験なしのアルフェーナと、この歳で社交界の重鎮の域まで至っているバナラ、貴族達がどちらを選ぶかはおのずとわかる。
同じクラスのエルザは数名の友達が出来ていた。その友達はアルフェーナに対してどうすればいいかわからないグループの人達であった。エルザ自身はアルフェーナとも普通に接してくれるため、そのグループも徐々に徐々に接して行けたらよいと思っている。
次にブレンナだが、ブレンナもアルフェーナと同じく孤立していた。言わずもバナラのせいでである。どうやらバナラは公爵家が目立つのが嫌らしい、まるで子供だ。そのため孤立中だが、完全にではない、アルフェーナとエルザが接しているためゆっくりと馴染めそうな感じだ。
最後にクルサは、他のクラスなので詳しくわからないが、中等部時代も孤立していたため今回もそうらしい。だが昼休みや放課後にアルフェーナ達とよくつるむため楽しいらしい。
そんな時にエルザとブレンナが聞いてほしいことがあると言ってきた。
「なに二人とも?」
「どしたー?」
聞き返したアルフェーナとクルサ。
「あのですねアルフェーナ様。入学式の時のですね」
「お誘いの返事よ」
エルザとブレンナが決意を決めた眼差しを向けてきた。
「そう」
アルフェーナは微笑む、どうやら二人の答えがわかっているかのような余裕さだ。
「私と」「私は」「アルフェーナ(様)の提案に乗ろうと思います」
「ふふっ、ありがとう二人とも」
「これで発足が出来るわけね!やりー!」
アルフェーナはお礼をいい、クルサは提案が通ったことに大いに喜んだ。
「なら今日から今日から!今日からしようよアルー!」
「落ち着きなさいクルサ。発足はすぐにでも出来るけど、二人にも用事があるかどうか聞かないと」
アルフェーナが二人に視線を向ける。
「わ、私は大丈夫です。今日はこんなこともあろうかと用事等は入れないようにしていたので」
「私もエルザさんと同じです。なら放課後はずっと大丈夫だと思います」
「なら決まりよ、放課後に私達の教室にクルサ来なさい。集合はそこよ」
「りょーかい」
こうして四人は放課後にあることをすることになった。
そして放課後、教室には四人の姿があった。
「さてと、みんな揃ったことだし、ここに私アルフェーナ・フィン・グラビトンは新たな研究会、【精霊会】の発足を宣言します」
「よろしくー」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いいたしますわ」
こうして、魔術学園にアルフェーナ達の研究会、【精霊会】が発足し立ち上がった。この研究会が後に多数の……いや数多の問題を呼び込んでいくことに、まだ誰も知るよしもない。
次回は説明が多いかも?




