ヒロイン登場
エルザ登場!
よろしく!
学園都市国家バーバルナリヤ。
ここは都市であり国なのだ。各国から様々な人種、職業、武具、雑貨が集まる。
国家だが学園都市、小国だが最強の中立、そんな名前が付けられるほどバーバルナリヤは有名だ。
しかも学園都市といっているが、二つの学園が合わさり学園都市となっている。
一つはクルサ、アルフェーナが入学する魔術学園、主に魔法やその系統に連なることを勉強し、修練する学園だ。
もう一つは魔剣学園、身体強化を軸にした現代剣術を勉強、修練する学園だ。
そんな二つの学園非常に仲が悪い。学園内でも各国の人で問題が起きるが、街に出るとそれぞれの学園の生徒が会うといさかいがおきる。なので、学園内部も、都市の商店街や街道はいさかいの爪痕が至るところにある。
そんなところにアルフェーナが入学するのだが別にもう一人、この世界にとっていなくてならない人物が入学することになった。
エルザ・フィン・スカーレット
ゲーム内のヒロインであり主人公、この世界でもヒロインであり主人公?になるかもしれない女の子。
とある事情から身分を隠して入学する訳なのだが、そんなことを気にしないで行くクルサ、それに追従するアルフェーナに振り回されていくのだが、それはこれからのお話である。
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「あれが学園都市国家バーバルナリヤ。あそこで三年間生活するのですね」
バーバルナリヤに向かう街道を走る馬車、その中からガラス越しに景色を見ながら一人の少女が呟いた。
少女は旗から見ても美少女と言っても過言でない美貌であった。ルビーのように鮮やかなロングのストレートの髪に大きな可愛らしい瞳。
服は長袖、その上にベストを着込み、白のフレアスカートに黒のタイツと清楚に見える。
どこか上の空の少女に少しきつめの言葉が飛んでくる。
「お嬢様、くれぐれもあの事は時がくるまで」
「わかっています。そのサポートのため貴女も来たのでしょ」
少女が前に座るメイドの言葉に淡々と答えた。
美少女―――エルザ・セル・ボナトデナンは悲しげに外を見た。
「えぇ、わかっていますとも。お父様、お母様のため、叔父様方のために」
エルザはこれから起きるでおろう様々なことを思い俯いた。
ところで話は変わるが現在このバーバルナリヤにはゲームのことを知っているクルサとアルフェーナがいる。当然二人はエルザに絡むつもり満々であり、エルザが秘密にしていることも当然知っている。
そんな二人とエルザは会う、または発見されてしまうことになるのだが、まだその事を彼女は知らない。
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「ようこそアル、学園都市国家バーバルナリヤに到着よ!」
前を歩きながら両手を広げ歓迎しているクルサを横目に、アルフェーナはキョロキョロと周りを見ていた。
「ちょっとアル、そんなキョロキョロしないでよ。田舎者と思われるじゃない」
実際問題門を潜り抜け馬車から降りたアルフェーナは終始周りを見ているため、住民から若干笑われていた。
そんなことは関係ないとばかりにアルフェーナは行動を止めようとせず、むしろ率先して行っていた。
ちなみに馬車に積んでいた荷物は馬車に乗っけたまま学園の寮に運ばれることになっていた。
しかもアルフェーナは田舎臭いラフな格好をしているためかなり目立っており、案の定野路裏に入ったところで絡まれた。
「よう嬢ちゃん。この国になんのようだい?金がほしいならいい店紹介してやるよ」
下卑た笑みを浮かべた男達に二人は絡まれたのだが、それこそがアルフェーナの狙いだった。
数分と必ず男達を死なないように注意しながら半殺しにしたアルフェーナは、逆に財布や武器、裏の情報を吐かせると路地裏に気絶させて放置した。
「一応基本的なことは知っていたようでよかったわ。資金も入ったし、買い物でもする?」
「…………いやよくそんなに淡々とできるわね、あんなことしといて、アタシでも軽く引いたわよ」
「いいじゃない減るもんじゃないんだし」
「その考えもヤバい」
クルサがアルフェーナの所業に軽く引いきながら歩いていると後ろから声を荒げられた。
「てめぇらモヤシ共のところか!」
振り向くとピッチリとして、白と青を基調とした剣士用の制服を着た少年達が数人いた。
「あなた方は……」
「モヤシ共はとうとう制服を作る金すら失くなったのかよ!そんなボロい服を着せるなんて最悪だな!」
アルフェーナの言葉を遮りながら少年が罵倒してきた。アルフェーナは制服なんて着ていず、そんなふうに見えないようになっているにもかかわらずである。そもそもなんでアルフェーナが魔術学園の生徒とわかったのか?
少年が続け様に口を開こうとしたときクルサが間に入った。
「やめなさい、死にたいの?」
「なんだモヤシ野郎。てめぇらみたいなやつらに俺達が負けるってのか?」
怒気を滲ませ睨み付けて来るのにたいして二人は、
「アタシは無駄なことしてほしくないだけで」
「私はどうでもいい。絡むなら手を出すけど」
そんなこと可愛らしい犬が睨んでいるだけだと思い流すと、更にキレられた。
「俺を無視してんじゃねぇ!」
そういうと殴りかかってきた。アルフェーナは手を前に出し受け止めるとなんのためらいもなく握りつぶした。
「え……がっ……ああああああああああっ!」
メキョッという音に手を見た少年は手を押さえその場に崩れ落ち泣きだした。
「手が……俺の手が………ああああああああああ……い、いたいいたいいたいいたいいたい!」
のたうち回る少年を傍観していた他の少年達が寄っていき包帯を巻いたりと応急手当しだした。
「ジュガ様!大丈夫ですか!」
「ジュガ様しっかり!」
「誰か回復使える人探してこい!それか回復薬買ってこい!」
少年―――ジュガは慕われていたようで皆が心配している。嘘は内容だ、感覚だが。
それを眺めていた二人に心配していた取り巻きの一人が怒りの表情で近づいてきた。
「貴様、こんなことしてただですむと思うなよ!ジュガ様はサンタリナ王国の第三王子、このことわかっていてやっていると」
「私はアルガルネーゼ王国の公爵家長女なのですが、この学園都市は中立のはず、ここでのことは訴えても意味がないことでは?」
「ぐっ!」
正論とアルフェーナの出自に驚いた少年はジュガ君を連れて去っていった。
「クルサ、いつもあんな感じなの?」
「う~んどうだったかな?聞いた限りではもうちょっと違う……暴力まではやらなかったらしいし」
「なら何か気にさわることでもあったんでしょ?八つ当たりをこっちにぶつけないでほしいね」
アルフェーナは呆れつつ買い物を続けようと歩きだした。
「ほんとね……あっ、待ってよアルー」
それに駆け足でクルサが着いていった。
それからも二人は巻き上げた金を使い買い物を金の限界近くまで使った。
「そういえばさっき聞いた限りではっていっていたけど、クルサは絡まれたりしなかったの?」
先程絡まれたのちクルサが口したことを聞いた。
「う~んなんかアタシは避けられてた?みたいだったなぁ」
「……そういろいろやらかしたのね」
「失礼なこと言わないで!アタシだってちゃんと……ちゃんとやって…………いたような」
己のやらかしてきたを考えどんどん声が小さくなっていくクルサ。何をやらかしてきたのやら。
「魔剣学園の人達もクルサは要注意人物として扱うようにしていたようね」
「不本意だけど過去を振り替えると仕方ないことだってわかってしまう」
「ふふっ、わかってくれて嬉しいわ……あら?何かしら」
「なんか揉めてるし、聞き覚えのある声だし……あっあの子」
そこにいたのは先程絡んできたジュガ達一行と少女とメイドの二人組だった。
「あの子知り合い?」
「知り合いっていうか知っているのよ。前世の時に」
「それって」
クルサの言葉で彼女の正体を察した。
「この世界、エルザエンブレムの主人公兼ヒロインの、エルザ・フィン・スカーレットよ」
これがアルフェーナ、クルサ、エルザが出会った瞬間だった。
ここから物語が始まる。
なにやらひと悶着あるかも?




