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アルフェーナvs聖女

かなり乗りました

「なんなのよあなた、子供のくせに何でこんなに強いのよ!」

「…………」

アルフェーナが無言で魔法で生み出した氷の剣で斬りかかるなか、それを捌きつつ聖女が悪態をついた。

それもそのはず、先程から聖女はアルフェーナに対して防戦一方なのだから。

聖女が風魔法を放つ前に土魔法で土壁を構築し、防いでいる間に別の魔法を構築して土壁の上から放物線を描きながら広範囲に放っていく。

聖女は避けつつ反撃のため別魔法を構築していると土壁の脇からアルフェーナが接近、光魔法の《エクステンスソード》で斬りかかる。それを魔法構築を中断して避けるのに意識を割く、そんな攻防を魔法は異なるがやっていた。

(くそっ!どうして私がこんなガキにこんなに追い詰められないといけないのよ!)

こうなったのには聖女が知らない訳が合った。まぁそんな大それた訳ではないのだが。

時間は戦闘直後に巻き戻る。

アルフェーナはどこからともなく出すナイフを走りながら一定間隔で投げ続け、聖女はアルフェーナを正面に据えて剣でナイフを落としていた。

「…………」

「大口叩いた割りに大したことないじゃない!光弾よ《シャイニングバレット》!」

聖女はナイフを捌きつつ光魔法の《シャイニングバレット》で反撃してきた。しかも扱い易い魔法なため一度詠唱しただけで継続して光弾を放っていた。そのためナイフも聖女に飛来することなくその前で落とされていった。

「追尾せよ《オートコントロール》、()せろ《イリュージョン》」

だけどアルフェーナもナイフに自動で光弾を避けるようにして、さらに幻覚でナイフの数を錯覚させた。

「くっ、阻め《ウインドカーテン》」

風中級魔法で作る風のカーテンで飛来するナイフを弾いた。だがここで小さな隙、《ウインドカーテン》を張るために気を回した瞬間に、

「霧散しろ《バニッシュ》」

《シャイニングバレット》に《バニッシュ》を放ち魔力を霧散させ魔法を消し去った。

「くっ!こうだ…………うそ」

「《シャイニングアロー・サウザンド》《オートコントロール》」

アルフェーナはもう一度シャイニングバレットを放とうとする聖女よりも先に光の矢を放つ《シャイニングアロー》で瞬時に作成可能な最大数の千発に、自動追尾の魔法を付与して撃った。

「なんなのよぉおおお、あんたはぁああああああああ!!」

聖女は避けながら絶叫するしかなかった。

普通千発の《シャイニングアロー》を作成するなど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

(うそうそうそっ!ホントになんなのあの子、こんな芸当邪神様や使徒様しか出来ないんじゃ?)

聖女もようやくどれほどの化け物を相手にしているのか悟って来た。

つまり聖女が知らない訳とは、ただアルフェーナとの実力差、ただそれだけだった。

とてもしょうもない訳であった。

そして冒頭に戻るのだが、聖女との実力差は明白なのにアルフェーナがなぜか攻めきれない、倒そうとしていなかった。

(なんでこの子、私を殺さないの?殺すタイミングなんてそれこそ数百回は合ったはず、なのになぜ?)

聖女はアルフェーナの考えが分からず混乱していた。どうして殺さないのか、殺さないにしてもどうして拘束なりすればいいのに、ずっと一定間隔を保ちながら戦いを続けるのはなぜなのか、わからなかったのだ。

その不可解な行動をとるアルフェーナなのだが、

(う~ん、なかなか他が終わらないな。クルサは一回終わってもう一回殺りだしたし、私もそっち行きたかったなぁー)

各区域で起きている上位者達による戦闘が終わるのを待っていた。聖女は魔力感知をアルフェーナに集中していたため、他での戦闘がどうなっているのかわからないが、アルフェーナはずっと視ており他が終わる、もしくは終わりそうになるのを待っていた。

(どうやら残りはクルサのみみたいだし、早めに終わって欲しいけど、相手がねぇすごいねぇ、魔力感知だけで視ているけど、とんでもない魔力量、量だけなら私とクルサ並みね)

つまりアルフェーナとクルサは齢10歳にして竜種並みの魔力量と言うことになるのだが、その事はまだ誰も、本人達にしかわからないことだった。

(それにこの人も早く()()()()()()()()()()()。そうすればたのし……ん?この感じは)

アルフェーナが聖女のとある奥の手を待っているとき、それは感じ録られだした。

「はぁはぁはぁ……くそ、なんなのよホントに………えっ?何この魔力の高なり」

「あのバカ、王都を消すつもり?それに相手もどんだけよ、まったく」

そうこうしている間にクルサと邪竜の戦闘領域から、膨大な魔力が集まっているのが感じられてきた。一人と一体が全力での攻撃で決着をつけようとのことで起きたことなのだが、そうとは知らない二人はただただ王都を破壊するためにやっているのだと感じとってしまった。

「なんなのよホントに!今日は邪神様復活の常章になるはずだったのに、なんでこんなに規格外がいて作戦通りにいかないのよ!」

聖女が頭をかきむしりながら八つ当たりしてきた。

アルフェーナは久々に積極的に攻撃されたことに驚き、防ぐものの反撃はしなかった。

「なんで……なんでなんでなんでなんでなんでなんで!もうなんでなのよぉおおおおお!いやなの、もういやいやいやいやいやいやぁあああああああああ!」

聖女が情緒不安定(じょうちょふあんてい)になり、先程から同じ言葉を口にするだけになりしゃがみこんでしまった。だけどそれがアルフェーナの狙いだった。

「やっとかぁ、やっと私も楽しくなれる」

情緒が不安定になった聖女は肉体と精神に施した封印魔法への意識が薄れ解けだした。すると変化はすぐに起きた。

「なんでなんでなんで……あっ、そんな!待って、あなたが、あなた様が出てきてはまだいけま……ぐぅ、ぐぅううううう、お願いです、どうかおもど……おもどりを」

胸を押さえ悶えていると、いきなり手が黒く変色しだした。変色は指先から始まり、露出しているとところはどんどん黒くなり、顔まで上がって来ると、眼は白目も黒くするが黒目は紫色に、髪は金色に変えた。

「お待ち…を……ぐぅ、あぁ……ああああああああああああああああああああああ!!」

絶叫とともに聖女の体から黒い霧が噴出すると、聖女を包み込み見えなくした。

「あらあら、宿主なんだからもう少し優しくしたらどうなのよ」

軽口を叩いていると、少しずつ霧が晴れていき、中から頭の左側から角を生やし、背中の左側から黒いコウモリのような羽を二つ生やした聖女が現れた。

「イメチェン?それにしては趣味がわる」

「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

聖女は話している最中にいきなり飛びかかってきて、右腕を振り下ろした。

アルフェーナは冷静バックステップで避けた。振り下ろされた右腕が地面に当たると、小さなクレーターが出来き、それで舞い上がった土と岩が視界を遮る。その一瞬遮られた時に聖女は先程とは比べ物にならないスピードで迫り、手刀で突いてきた。よく見ると爪も黒く染まり10センチほど伸びていた。そのため回避し損ねて頬を浅く切った。

今度はステップ出なく脚を強化して大きく飛び急いだ。

「いったいわねぇ、どこにどいつか知らないけど、そいつに入っている何かさん、自己紹介してくれない?」

「グルルルルルルルルル」

「話せないのか、まだ微妙に封印されたままなのか、どちらでもいいけど、今から楽しみましょう!」

そしてアルフェーナと聖女との戦闘の第2幕が始まった。


聖女の中にいるのは何かな?

正体はまだ教えないつもりですので、

次回のvs聖女(仮)よろしく

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