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ベレンナ&プラートvsドトル

あけましておめでとう

今年もどうかよろしくお願いします

「つぉらああああああああああああああああっ!!」

「ぜらぁああっ!」

「しゃらあああああああああああああああああああっ!」

王都のある区画では激しい攻防が繰り広げられていた。

プラートが頭上からインファイトでドトルを足止めしているところにベレンナがエストックによる刺突を放つ。それをドトルは手足を使い最小限の動きで捌いた。

「はっはははははははっ!いいぜてめぇら、こんだけできるなんて予想外だぜ!」

ドトルは歓喜の声をあげた。

「ちぃ!有効打を与えられねぇ。このままじゃ……」

「こっちがダウンして負けるわね。武闘大会に出たのが裏目に出たわ」

ベレンナとプラートは焦っていた。原因は体力と魔力の多大な減少によることでだ。

二人は今日、武闘大会においてかなりの激戦をおこなった者だ、ベレンナは決勝戦に出場、アルフェーナと一戦交えている。プラートは消費が回復しているとはいえ半日しかたっていない。その時間では半分も回復していない。ベレンナに至っては四分の一程度である。二人は闘技場を出る前、魔力回復薬を服用していたがそれでも、中級悪魔と戦闘するには心もとなかった。

それに相手はドトル一人だけでなく、

「ギャアッギャアッギャアッ!」

「ギィキャキャキャキャッ!」

周りを覆い尽くす下級悪魔共がドトルと離れたときに限り攻撃してくるため、息を整える時間すら失っているのも焦る原因だった。

「このままじゃジリ貧だ、勝負をかけるなら今しかないぞ」

「そうね、でもやったとして直撃させれなければ意味がないわ」

プラートは反論できなかった。確かにここで勝負に出たとしてもその攻撃が当たらなければ意味がなく、それに自分達が窮地(きゅうち)に覆いやられる可能性が高かったからだ。

「くそっ、ならどうしたら……」

「…………私がサポートする。プラート、あなたの最大の攻撃で決めて」

「……いいのか?」

プラートの問いかけにベレンナは頷いた。

「今は膨大な手数による消費でなく、強力な一撃での突破、これにかけるしかないわ。それに今の私ではそんな一撃は無理だし」

「わかった、なら頼む」

ベレンナが力強く返答してとき、周囲の下級悪魔共が距離を起き出したとき、正面こら下級悪魔をぶっ飛ばしながらドトルが突撃してきた。そんな最中にプラートが、

「我が拳、森羅万象(しんらばんしょう)穿(うが)つもの」

敵の目の前で両拳を腰に添え、魔力を高めながら詠唱を始めた。

ドトルはバカにされていると思い怒りながらプラートに肉輩して殺そうとしたが、

「させないわ」

美女剣士―――ベレンナが上から舞い降りながら風魔法エアスラッシュで牽制した。手にはレイピアとエストックでなく、腰に差したままのエグゼキュウショウナーズソードを持ち、刀身に魔力を纏わせ練り上げながら斬りかかった。

「あまい!」

迫る魔法は土魔法ストーンショットで迎撃、続いて抜刀されたエグゼキュウショウナーズソードを腕をクロスして受け止めた。

(ことわり)を曲げ、理に抗い、理を重んじる」

目の前での攻防に気を取られずプラートは極限の集中を続けた。

「そこをどけ!女ぁ!」

「無理な相談だな悪魔!」

ドトルはベレンナの背後で詠唱されている魔法に大変な危機感を募らせていた。なので今すぐ止めようにも、ベレンナが邪魔をする。倒そうにもベレンナからは攻撃して来ないためかなり苦戦していた。

「くそっ、下級悪魔共、その男を殺せ!…………どうした、速くしろ!」

『………………』

今まで積極的に攻撃していた下級悪魔達が、下卑た声もあげず、ドトルの命令も無視して黙って見守るだけだった。下級悪魔達もわかっていた、その魔法が危険であり完成させてはいけないということを。

だがしかし、下級悪魔達では現在プラートの周りに漂う濃密な魔力が劇薬であることを。近づけば消滅しかねないほどだと。

「くそがぁああああああああああああっ!!」

「矛盾を乗せ、矛盾を貫く者となれ《ロストノヴァ》」

ドトルは阻止が無理だとわかるとすぐさま強化系を掛けられる分瞬時に掛けると一目散に逃げ出した。

だが一歩遅かった。いや、例え戦闘開始直後に逃げていたとしても結果は同じだったかもしれない。

なぜならこの攻撃に()()()()()()()()()()()()()()()()

「がふぅっ……」

いきなり悶絶し吐血したドトルの胸からは白く発光する腕が生えていた。

「《ロストノヴァ》からは逃げられないぜ。なんせこの魔法は一度認識した相手に必ず攻撃が当たるからな、どんだけ距離や硬い壁があっても拳が当たるように空間は無くすからな、しかも拳強化最強魔法ノヴァで強化された拳を」

引き抜いた腕は引き抜かれながら元の位置に戻っていった。

ドトルは腕という支えが無くなったので落下した。だがかろうじてまだ生きていた。生きていてしまった。

「にん……げ…んめ……しょう……りなんぞ……わたさん………ここで……みちずれだ」

ドトルは命を振り絞り大気中の魔力をかき集め出した。

「まっず、あいつなんか召喚するみたいだ」

「どうする?出てくるでも、出てこなくても私達って死んじゃうでしょ?」

現在二人は魔力、体力ともに底をついており、ベレンナは剣をプラートはメイスを杖にしてしないと倒れるほどになっていた。つまり周りの下級悪魔達に負けるのは必須だった。そう悟られないように気丈に見せていたのが不味かったようだ。

だがここで予想外のことが起きた。魔力を大気中から集め出したため下級悪魔までもが魔力として定められてしまい取り込まれ出した。

それに気づいた下級悪魔達は一目散に逃げ出したのだが、吸引力が強く、一種のブラックホールと化していた。

そのため二人を襲うどころでは失くなってしまい二人は襲われずにすんだ。

「この状況はラッキーだが、こんなに魔力集めるなんて……いったい……」

「どれほどの怪物を召喚するき」

プラートの言葉をベレンナが代弁しながらそれでも眼は魔力を集める黒い召喚陣に釘付けだった。

そしてそのときはやって来た。

ギギッ……ピキピキ……ガシャッン!

「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

魔力吸引が終わり渦巻いて荒れ狂っていた魔力が、凪のような静けさで静まりかえった。すると召喚陣が軋みだし、中心からヒビが広がりついに割れた。召喚は失敗したのかと思われたが、そうではなかった。怪物はすでに現れていたのだ。

召喚されたのは…………竜、それも邪神が自ら創造したといわれる邪竜であった。

「邪竜……なのか?」

「ははっ……こんなの勝てるわけが……」

二人の希望が砕かれた。もしかしたら生存できるかもしれない可能性があったが、そんなものは邪竜出現とともに失くした。

そんな二人を嘲笑うかのように召喚された邪竜は地響きとともに地面に降り立った。邪竜は目の前に見える、召喚された理由の()を踏み潰すために歩こうとしてとき、それはやって来た。

「あれー?なんか変な魔力の高まりがあったから来たんだけど、さっきまでいなかったやつがいるー」

二人と一匹は突然聞こえてきた呑気な声の方向を見上げた。そこには赤髪の美少女が浮いていた。その顔は邪竜を前にしているというのに堂々としていた。

「グルルルルルルル……」

何かを感じ取ったのか邪竜は警戒を募らせた。

そんなことは意に介さず、美少女はベレンナとプラートの前に着地した。

「ねぇねぇお姉さん、お兄さん、あいつもらっていい?」

まるでおもちゃを欲しがる子供のように屈託のない顔で聞いてきた。

「え、えぇ」

「いいんじゃ……ねぇか?……」

二人は僅かに圧倒され戸惑いながら答えた。

「いよっし!これで鬱憤が晴らせるわ!このアタシの踏み台になりやがれトガゲ野郎ぉ!」

美少女―――クルサは両手に爆炎を発生させ、笑みを浮かべながら邪竜に突っ込んだ。

次回セルネとミーゼの戦いです

邪竜との戦闘は後程

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