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嵐の前の静けさ

遅くなり申し訳ない。

友達とのお話回をやっていたのだが、なかなか書きにくっかったもで大変でした。

翌日はアルフェーナとクルサは二人で町に繰り出した。

「わぁー、かなりたくさんの屋台が出てるねアル」

「ほんとねクルサ、何か食べたいものはあるか見て回りましょ」

二人は道の脇に建ち並ぶ屋台を見ながら歩いていた。周りからの視線を気にしながら。

それもそうだ、二人はつい昨日の出来事は周囲からの周知の事実であり、その二人が仲良く並んで歩いているのだがら、気にならない人などいないわけなのだ。

二人は周囲からの視線を気にしながら歩いていた。

「はぁー、くすぐったいわねこの視線、どうにかならないのかしら」

「ははっ、アルもやっぱり苦手な人か、馴れないもんね、芸能人はどうしてるやら、何か秘訣とかないのかしら?」

二人は周囲からの視線に辟易(へきえき)していた。

普通貴族は、大体二人の年頃だと社交界を経験しているのだが、アルフェーナは言わずと知れた裏組織のボス及び、スラム孤児といろいろな称号?を持っているので社交界なんてものには()()出ることなんてできないのだ。

クルサは出ていてもおかしくないのだが、彼女曰く、

「なんかー、親が出させてくれなかったんだよね。それでいままで一度も出たことなし、正直出たくなかったからよかったんだけど」

らしい。

だがそのせいで、貴族として必要なコネクション作りが出来ず、やろうとしても招待状を贈る友達もいないと、まさにボッチ状態だったらしい。

「アルに出会うまで、ツラカッタ。学校でボッチのやつと、仲間外れにされてるやつの気持ちがありありとわかったよ」

アルフェーナとクルサは歩くのに疲れたので喫茶店に入り、バルコニーにある机に向かい合って座って話し合っていた。クルサは両肘をつき、顔の前に指を合わせて置き項垂れていた。

「それはクルサが悪いんじゃないの?親に出たくないって言っていたとか」

「確かに最初は出たくないって言っていた、けど最近は出たいって言っているのに、お茶会はともかく王族や公爵家が(もよお)す大きなものにすら連れていってくれないのよ!それはどゆこと!?」

「…………」

アルフェーナは顔に指を当て考え出した。

(確かにそれはおかしいわね?どんなに最初行きたくなくても、最近行きたいと言い出し、それでも出さない?それじゃ貴族としてのコネクションが作れないのに?)

アルフェーナは提示された情報で考えを巡らせていると、クルサが指同士を、ツンツンしながらいじけつつ呟いた。

「確かに、赤ちゃんの頃から魔力の操作で周りを破壊したし、歩けるようになったら書庫に(こも)って蔵書を読み漁ったし、喋れるようになった次の日には魔法使って屋敷破壊したし」

「…………」

「家庭教師付けてもらったけど、教えてくれるのが全部知っていることだから簡単に問題を解くと勝手に解雇していくし、武術訓練も最初コテンパンにされるけど、一ヶ月で逆にこっちがコテンパンにしてあげたし」

「……………………」

「やることなかったら領地に繰り出して領民と遊び倒したり、魔物が出たら領兵より早く駆けつけて倒したり、盗賊のアジトを壊滅させたりとかしかやってないのに」

「………………………………クルサの自業自得じゃね?」

アルフェーナは話を聞くにつれ呆れを通り越してなんとも言えない感情になっていた。

「はぁ~?なにいってんのよ、このアタシがいったい何をしたって言うのよ!」

「…………何をしたっていうか、何かをしすぎて、何もしていないことがない?あれ?なにいってんだろ私?」

説明しているアルフェーナが混乱しだしたところで、注文していたのが届いた。

「お待たせしました、エスプレッソ二つと、チャレンジメニューのエクストラパフェ二つです」

「「…………とうとう来てしまったか」」

二人は自身で頼んだにもかかわらず項垂れていた。というのも二人とも、見栄を張ってしまったのだ。意味もなく。

最初、アルフェーナがサンデーを頼むと、クルサがジャンボサンデーを、むきになったアルフェーナがジャンボサンデースーパーをと言った感じに大きくなっていき、最終的に店でやっていた、いわゆるデカ盛りチャレンジのパフェに到達してしまい、今に至る。

アルフェーナとクルサの目の前には、自分達の身長と同じくらいのパフェが二つ鎮座していた。それを遠巻きに見ていた客が口々に話している。

「マジかよあの嬢ちゃん達、あれに挑戦するのかよ!?」

「いやいや、自分の身長と同じくらいのを食えるわけないだろ?」

「でも食えないとお代を払わないといけないんだぞ?」

「どれくらいだ?」

「確か……五万メルソのはず」

「!?そんなにか、さすが貴族様だな」

周りが話している内容はとうの二人には聞こえていなかった。二人の頭の中にあるのはただ一つ、初めてできた友人にどうやって勝つか、だけだった。そんなことを考えていると、店員が砂時計を持ってきていた、

「それでは、この砂時計が五回落ちきったら終了です。準備はいいですか?」

「「いつでも(きんしゃい)!」」

「それでは、始め!」

ここに二人の負けられない戦いが始まった。

「うわぁああああああああ!!」

賑やかな王都の大通りより、脇にそれた裏路地で、冒険者の男がフードを被った集団に囲まれていた。周りには、男の仲間とおもしき男女が転がっており、全員が死んでいた。

「お前らなんなんだよ!何が目的でこんな」

「全ては邪神様のために」

『全ては邪神様のために』

「てめぇら、まさか邪神教?あの神を崇めるくそ共なのぎゃあああああああああああ!!」

男が不用意に暴言を吐いてしまったので、フードの一人、多分声的に女性とおもしき者が火炎で男を包み、激昂しながら吐き捨てた。

「ふんっ!忌々しいウジ虫風情が、我らが神を愚弄(ぐろう)するとは、万死(ばんし)に値する!」

言葉を向けた男はすでに炭化して琴切れていた。それを確認すると、別のフード、リーダーで男だと思う者が移動するように声をかけようとしていたとき、

「くくっ、なかなか酷いことをする」

「!何者だ、どこにいる!」

フード集団は背中合わせに円陣を組んで警戒した。しかし声をかけてきた敵の姿がいまだに見えなかった。

「……いったいどこに……」

「ここにいるじゃないですか」

『!!??!!』

全員が驚いたのも無理わない、なぜなら声は円陣の中心、自分達の一番無防備な背中から聞こえたのだがら。

「《サンダーショック》!」

「《ウインドカット》!」

「《フレイムクロス》!」

「《アイシクルランス》!」

「《ファイアバレット》!」

「《エアスラッシュ》!」

集団全員が振り向きざま、味方に当てないようになど考えず、最速の殺傷魔法を放った。誰もいない、振り向いた仲間の顔目掛けて。

「ぶはっ!……いったい何が!?」

「なんで誰もいな……げほっ」

「くそっ、三人やられた……逃げるぞ、各自バラバラに、集合は予定通り、例の場所で」

「いかせるわけないでしょ?」

リーダー男が指示を出しきる前に、上から降ってきたセルネが、手に持ったショートソードでリーダー男の首を両断した。

リーダー男の首は綺麗な放物線を描きながら、生き残った男の足下に転がっていった。

「ひっ!」

男は首の目を見て悲鳴をあげた。

セルネは残った二人に近いていくと、女が慌てた。

「ま、待って!あなたは何者なの!いったいなんの目的があって、私達の崇高(すうこう)な儀式の邪魔をするの!」

「ふむ?何を解りきったことを、そんなもの、あなた方が邪神教だから、それだけで十分じゃないですか…………それ以外にも理由はありますがね」

最後は聴こえないように呟き、セルネはどんどん近づいていった。

「くっ、くるなぁあああああああ!!」

「私はまだ諦めない!《アースランス》!」

土の槍がセルネに近づくも、飛んでいる槍の先端に乗っかったり、それを伝って接近すると、すぐさま首を両断した。

「かっ!……」

「あ、ああ、ま、待ってくれ、ください!俺をあなたの部下にしてください!なんでもしますから、どうか命だけは!」

男はすぐに土下座を慣行、セルネはその潔さに手を止めた。

「ふむ、確かにあなたを生かしたままスパイとして使えますかね?」

「えぇ、その通りです兄貴!」

セルネは呆れたのか、男に背を向けて、考えながら、歩きだしだ。すると、

「きひっ!すきあり!しねぇえええええええ」

「はぁ~安直だよ、誰がお前ら邪神教を信じるか。風よ切り裂け、《エアスラッシュ》」

男が腰の剣を無能抜く前に、セルネが風の魔法で四肢を切り落とした。

「へ?……ぐっ……ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!イダイイダイイダイイイイイッ!!」

「五月蝿いですね。それと死なないように傷は焼いておきましょう。燃え揺るもの、《フレイム》」

「がぁああああああ!ああああああああああああああああ!!アヅイアヅイ!あああああああ!」

男は顔を体液でぐちゃぐちゃ、股からは糞尿をたれ流していた。

「はぁ、騒ぎ過ぎたようですね、人が近づいてきている、お前を連れてさっさとずらかるとしましょう」

「あぁ……お…れは………どうなるんだ……?」

「さぁ、どうなるかは……勤める人で変わるんじゃないですか?もっとも、誰になっても死んだ方がマシだと思えるでしょうけど」

男の顔に絶望が広がっていって、先程よりも騒ぎ出した。

「ああああああああああああああああ!!イヤだイヤだイヤだ、誰か助けて……誰か……邪神様ぁああああああ!!」

「くっくっくっ、叫んでも誰来ませんし、聞こえませんよ、音を断絶させているのでね」

その言葉に、抵抗する気力を失くした男をセルネが襟首を掴み、引っ張りながらその場を去っていった。

「「うっぷう、気持ち悪い」」

アルフェーナとクルサは喫茶店を後にしてまた大通りの屋台を物色しながら歩いていた。

ちなみに先程のパフェなのだが…………二人とも間食、勝負はアルフェーナが先に食べ終わったのでアルフェーナが勝利した。食べ方を工夫したアルフェーナが、ほんのすこしの差で勝ったのだ。

甘いものが大好きの女子、デザートは別腹の女子、だがそれでも巨大パフェ、現在十歳、ほぼ等身大の出したパフェは胃袋に納まるはずがない!……という常識は通用しなかった。

この世界は魔法ありの異世界、日本での常識は無い、だから二人は使ったのだ、魔法を。しかもほぼ食べることにかんしての独自魔法《消化促進》を。

この魔法はただ消化が速くなるだけの魔法、二人とも作ったは良いものの、使うタイミングがなかったのだ。家庭と周辺の状況がいろいろあり。

魔法を使い二人は奮闘した、だけど相手は等身大パフェ、食べても食べても一向に減らない、消化が速いはずなのに腹に溜まっていく、時間も減っていく、だから使った身体強化魔法と知覚倍速の魔法を。それでギリギリ間に合った。二人は勝ったのだパフェに、そして今に至る。

「あれ絶対クリアさせる気なかったでしょ」

「まさか受け皿の真ん中にガチガチに固まっているアイスを隠しているなんてね」

「掻き込みすぎて頭とお腹が痛い」

「かき氷のあれね…………あそこのベンチで休みましょ」

アルフェーナが脇置いてあるベンチを指して提案した。クルサもそれに頷き、向かうことにした。

「ふぅーきっつ、ゆっくりしましょアル」

「そうね………………そういえばクルサ」

「なに?」

アルフェーナは落ち着いたこのとき、気になっていることを質問した。

「昨日から聞きたかったんだけど、なんで私のことアルって略すわけ?つい昨日あったばかりで略されてずっとビックリしてるわけ」

「…………………………遅くない聞くの?正直いまさら~?て感じに思ったんだけど」

クルサが呆れた顔をアルフェーナに向けた。

「アタシ、アルフェーナなんて毎回言いたくないわよ、長ったらしい、アルの方が楽だしわかりやすいし、それにすぐ略すのなんてあっち、日本の学校じゃ普通よ?」

「そういうものなの?」

「そういうものなの」

アルフェーナは小さく息を吐き、納得することにした。

「クルサ、まだ時間あるみたいだから、お金がある限界まで食べておく?」

「そんなに詰めて大丈夫?吐かない?アタシいやよ、闘技場の真ん中で吐く友達見るの」

「大丈夫よ、攻撃なんてもらっても意味ないし、そもそも負けそうな相手なんていないんだし、クルサ以外」

「う~ん、確かにそうだったわね。あの時確認した限りでは」

クルサも開会式の時力量チェックを行っていたようだ。そのチェックに引っ掛かる相手はどうやらアルフェーナ同様いなかったようだ。

「大丈夫大丈夫、それより早く行きましょ、私行列なんて並びたくないわよ」

「アタシだってそうよ。ちょっと待ってよアル」

二人は昼頃まで食べ歩きを続けた。

次回から武闘大会本戦開始します

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