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蠢く者達

短いですがよろしくです

聖女が先に口を開いた。

「私達、邪神教がお願いするのは、四つあります。一つ目はたくさんの人を用意して王都に輸送してほしこと、二つ目は街道を塞いで他との連絡を絶つこと、三つ目は教団としてのお願いで、この組織が私達邪神教に入信してほしいこと、四つ目は【竜帝】が私達邪神教を援助することです」

「…………ふざけるなよ?最初の二つはなんとか受けられるかもしれないが、最後の二つは断る。俺達から一方的に搾取する未来しか見えねぇ。そんなものお断りだ」

聖女が掲示した条件は、ゼンドル達改め、アルフェーナが設立した【竜帝】の根幹を侵す内容だった。

だからゼンドルは聖女がこの後にどんな高額の報酬を払うといっても断ると決めていた、例え相手が、

「それは()()()()()()()()()()()であってもですか?」

そうなのだ、邪神教は表で絶対に活動ができない組織だ。しかも遥か昔から存在し続けている超巨大組織だ、普通の裏組織なら即座に首を縦に振るほどの力を持っている。

そんな組織の最高幹部である聖女が脚を組みながらゼンドルに殺気を叩き込んだのだ、常人なら失神する程のを。だがゼンドルは殺気をまるで柳の風の如く受け流し、聖女を正面から見据えた。

「あぁ、そっちから仕掛けてくるなら話が早い、完膚なきまでに潰してやろう」

「まさか勝つつもり?この距離でも私に負けるあなたのようなものがいる組織が?」

「勝つつもり?なにいっている、戦争を始めた時点でこちらの勝ちは決定している。それにこの距離で負ける?あり得んな、この距離はすでに俺の領域だぞ?」

ゼンドルの言葉はただのブラフだ。なんの根拠もない戯言なのだが、ゼンドルの挑発に聖女は怒りで魔力を放出した。殺気を垣間見れ、ゼンドルに対し多大なプレッシャーとして降りかかっていた。

それにゼンドルは震えだした……右手を除いて。他は上下に揺れているのに、右手は時が止まったようにその場に固定されていた。

聖女は震えるゼンドルに手を伸ばした…………伸ばしていた。手は途中で横に弾かれた、ゼンドルの右手によって。

「……へぇ」

「こんなもんで動じるかよ。で、どうすんだ?依頼するのかしないのか、選んでくれ」

「…………いえやめておきます。なにやら嫌な予感がするもので」

「………そうかい…………ではお引き取りを」

ゼンドルは扉の前に移動し、開け放つと呟いた。

「うふふ♪あなたとは別の形で逢いそうなので、お名前を聞かせて貰えますか?」

「…………ゼンドルだ」

「わかりました。それではゼンドル様、またお逢いしましょう。うふふっ、あはははっ、あはははははははははははっ!!」

聖女はタガが外れたのかの如く屋敷中に響くほどの笑い声をあげながら去っていった。

聖女が来たときと同じく馬車に乗り込み、走り去っていき、見えなくなってようやくゼンドルは気持ちを落ち着かせた。そのせいでその場に崩れ落ちてしまったが。

「ははっ、マジかよあの女、なんつう殺気だよ……去ってくれたからいいものの、あのまま殺りあっていたら()()()()じゃねぇかよ」

すでにあの時、屋敷全体を聖女に掌握されていたのだ。

「まじであんなブラフに引っ掛かって……いや、()()()()()()感謝だな、見逃してくれたわけだし」

当選聖女も気付いていたのだ、ゼンドルの挑発がブラフであり、絶対に勝てないことに、だがそれに聖女は遊びで乗ってくれた、なぜなら、

「聖女は俺達に恩を売っておきたかったのか、なんなのかわからんが、一応これは俺に対しての恩としておくか。ほんとはいろいろ考えたいが、まず先に連絡しないとな」

それからゼンドルは、王都のリーゼに連絡を取るため急いで通信結晶の準備をさせることにした。

「それで、リーゼに連絡がいき、それからセルネ、そして私と来て、こうなっているってことね」

「はいお嬢様、その通りです」

「姫、これからいかように?」

アルフェーナは喉を(うるお)させつつ、今の報告のことを考えた。

(まず、邪神教が王都で何かを成そうとしている、それには多くの人がいる、外からの邪魔をされたくない、そして現在武闘大会が行われている、今はこんなところかしら)

アルフェーナには、大体のことが解りかけていたが、間違いかもしれないので、二人にも自身と同じ考えか聞いてみた。

「私的には………であつめ………使い………………ふっか………………………と思ったんだけど、どうかな?」

「なるほど、確かに姫の言うとおり事が起きるかもしれませんが、わかっているなら対処も妨害もできるかもしれません」

「お嬢様、その二つ、私達が行ってよろしいですか」

「理由は?」

「セルネは現在、賭けの接待中です。印象を悪くすれば今後に支障を来すかもしれません。それに私達の仕事は諜報、二つをこなしつつ、情報も必ず手にいれて見せます!」

それ以上にリーゼは今回の汚名をすすぎたいと思っていた。アルフェーナに呆れられ、捨てられないように。

もちろんアルフェーナはそのような事はしないのだが、リーゼは一抹の不安が残っていた。

「…………わかったわ。必ず結果を出しなさい」

その事にアルフェーナとセルネは気づいていたが、あえて威圧をのせて厳しい口調で喋った。

「はっ!」

そこから三人は時間をかけて話し合い、武闘大会をどう乗り越えるか考えた。

「計画は順調か?」

王都が寝静まった夜、王都の一角で薄く光る倉庫があった。そこには黒いローブを着た集団が集まっており、中央にテーブル、周りを数人の男女が、その周りを他のものが囲んでいる状態だった。

「順調に進んでいる。これだけの魂があるのなら必ず邪神様も来てくださいましょう」

「えぇ必ず」

「聖女様から応答は?」

「なんでも交渉にいったところの組織が断ったらしいので、別のところに向かっている最中だそうです」

「なに!?断っただと!」

その言葉に辺りが謙遜(けんそん)に包まれた。それもそうだ、彼ら邪神教の交渉を断る輩などいままでいなかったのだから。

「聖女様はなぜそのようなやつらを野放しにしたのだ!」

「わかりません。聞いたのですがはぐらかされてしまいました」

「くっ!」

リーダーらしき男は奥歯を噛みしめ、顔を歪めた。

周りも混乱のあまり無言のまま、隣と顔を見合わせていた。

「とにかく、聖女様を待っていては計画に支障をきたす恐れがある、外部からの贄は」

「かなり順調に運ばれています。封鎖に関しても声をかけた組織達が指定した場所でしっかりと行っております」

「ならば問題ない、決行は武闘大会本戦の最終日とする」

リーダー男はそこで言葉を区切り、周りを見渡すと満貫の思い込めて口を開いた。

「諸君、あともう少しで我らが邪神様がこの地に降臨なされる、その時我らは人を超越した存在となり、未来永劫語られるだろう、そしてこの世界を蝕む者達を一掃し、我らの楽園を建設、最後に世界を傍観するしかない無能な神を引きずりおろすのだ!」

「邪神様に栄光あれ!」

『邪神様に栄光あれ!』

「創造神に滅亡を!」

『創造神に滅亡を!』

倉庫内に邪神教達の声が響き続けた。

それを倉庫の外で聞き耳を立てている黒装束の女性に気づかず。



次は平和な日常というか出店周りみたいなものにしたいかな

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