プロローグ
初投稿少ないけどよろしくお願いします
雨が降り続けており、アスファルトを打ち付けていた。加藤咲苗《かとうさなえ》はアスファルトに横たわりその光景を眺めていた。
いや、横たわるのではなく倒れていたのだ。背中を刺されて。
加藤咲苗はIT企業に勤めるただのOLだった。友達もそこそこ居り彼女的には順風満帆だった。この日までは。
今日も残業し遅くまで仕事をしたあと、寄り道もせず真っ直ぐにアパートに戻っていた。途中、コンビニで軽食と雨が降りそうだったのでビニール傘を購入した。案の定あと十分で着きそうなところで雨が降ってきた。
傘を指し帰宅していると、遠くからパトカーのサイレンが聞こえた。
(また空き巣か、それとも暴走族かしら)
咲苗が住むこの地域ではそういうのが多発する場所だったので、特に気にすることもなかった。
咲苗はそのままアパートに歩いていき、もうすぐで到着すると言う場所まで来たとき、雨音に紛れながら走ってくる足音が聞こえた。
振り向くも、この辺は街灯が少ないので相手の姿は見えなかった。咲苗は怖くなってきたので早く部屋に戻るため前を向いて歩こうとした時、後ろから突き飛ばされてしまった。
「きゃあっ!」
バシャッと音と共に倒れた。すぐさま立ち上がろうとするもなぜか力が入らなかった。
「え?………いたっ!」
力が入らなかったことに混乱していると背中から鋭い痛みが走った。続けて雨で冷えているはずなのに、熱い痛みが広がった。
「うう……何これ?…なにが……うっ!……いたっ!」
訳がわからず混乱していると、熱い痛みの中心から何か引き抜かれたような感覚後、先程まで痛くなかったところをなにが食い込み痛みが走った。
それから何度も何度も繰り返しそれを行われた。刺しては抜かれ刺しては抜く、咲苗は段々と抵抗することが出来なくなっていった。
頭がぼんやりしだしたときに、永遠に続くかと思った作業が終わり、咲苗に股がっていた人物は咲苗が持っていた所持品を奪うと、夜の闇に紛れて消えていった。
咲苗はそれをただ見ているだけしか出来なかった。
(あぁ、このまま死んじゃうのかな)
こうしている間にも、意識は途切れつつあり、視界も狭まってきていた。
そんな中咲苗が考えたのは、家族や友人のこと……ではなく自分のことだった。
(まだあの小説の続き出てないのに、あのドラマも、映画ももう見ることが出来ないのか)
咲苗はただ己の事しか考えなかった。だがそれが加藤咲苗なので仕方ないとしか言えなかった。
「あぁ……しに………た………く……ない」
雨が落ちる空間に手を伸ばしながら視界は暗転した。
加藤咲苗(26)、ただ普通に生きてきた彼女の人生はその日、あまりにも呆気なく終わりを告げた。
そしてここから新たに始まったのだった。
次回もよろしくお願いします




