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私の最弱クソ雑魚吸血鬼様  作者: 鮎太郎
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第六話 吸血鬼様、友達と語る

「よっシー! 紹介したい友達がいるのだが、一緒に来てくれぬか?」


開口一番、唐突な友達できましたアピール。

これで私も子守りを卒業できるな。

後任に挨拶でもしてくるか。


「よっシー言うな」


吸血鬼につれてこられた場所は、暗幕のかかった日の差さない空き教室だった。

彼の体質を考えれば当然だ。

だが、わざわざここへ連れて来たことが問題なのだ。

もしかして、ピンチなのでは?


スッ


物陰から学ランを着た狼男が出てきた。

ははは、何の冗談ですかね。

もしかして、乱暴されるとか……。


「紹介しよう、オーカミだ!」

「お邪魔してござるよ。 よっシー殿」


ござるよ?

ござる?

ちなみに、お前までよっシー呼びかよ。


「拙者でござる。よっシー女史、大神 隼」


大神……隼……

いや、狼男の知り合いはいない。

というか、初めて見た。


「覚えていないのか? ほら、校舎を案内してくれたときに紹介してくれた人だ」


校舎案内……葉高五大不思議……

ハッ! 第四の不思議!

あの古典的な不良後輩!

口は動かせど言葉が出ない。理解が追いつかない。

だが、確かに学ランを着ている!


「お久しぶりでござる。今は同士ウィル殿と仲良くやっているでござる」


吸血鬼に狼男。

ありえない組み合わせではない。


「ウィル殿、ウィル殿。よっシー女史にも見てもらうでござるよ」

「そうだなオーカミ! よっシー! これを見よ!」


スマホをかざしてくる。

どうやら動画が流れている。

アニメだ。

少女が不思議な格好をして謎の敵と戦っている。


「魔装装甲マジック・オルタのヒロイン、ゲパルトオルタ! 得意技は対空射撃でござる!」

「は? オタク!?」


私は素っ頓狂に失礼な言葉を吐いていた。

オタクなんて言い方が悪い。

ちょっと趣味が特殊な方向へ偏ってしまった趣味人だ。


「そうでござる! 拙者、夜行性でやる事といえばアニメとゲームしかなかったでござる」

「当然、俺も夜行性だ。つまり、やることは同じ!」


「「俺たち(拙者たち)同類! 二匹もオタク!」」


とても不快がなポーズをとっているが、これは女性がやるから可愛いのでは?

夜行性だから、気が合うのはわかる。

だが、何故二人とも、同じ方向へ走ってしまったのか。


「特に、大神くん、貴方キャラが変わりすぎでは? あのヤンキーはどうしたの」

「あの不良のふりは、ちょっと偉ぶっているほうが格好いいっと思って……こっちのオタクの方が素でござる」


学ランを着ているのは、アニメの主人公っぽくて美少女(二次元)に囲まれたいという妄想で着ているらしい。

これ、古典的な不良じゃないな。

どう考えても新しい不良だろ。


「ごめんなさい。オタクとか言って」

「なになに、拙者はオタクを誇ってござる。むしろ誉でござる」


大神君、色々と凄い人だ。

いや、狼男?


「そうだな。むしろ、卑屈に思うことが理解できん。特に害をなしているわけではないしな」


二人とも、意外と色々考えていた

信念を貫こうとしている二人が、羨ましいと思うほどだ。


「ウィル氏、ウィル氏。 そういえば、この前即売会へ行ったときに同人を買ってきたでござる」

「さすが、オーカミ! それで、いくら掛かったのだ。言い値で買おう」


一瞬まともなことを話しているように思うが、ただの同人誌売買だった。

仲がよいことはよいことだ。

吸血鬼も友達ができて、さぞ嬉しいことだろう。

これで、やっとお守り卒業だ。


「むぅ。 オーカミ。また、ハーレム物なのか?」

「ハーレム物に何の不満があるでござるか。 女の子に囲まれる生活が悪いはずがないでござる。むしろ、天国でござるよ」


突然のいざこざ。

大神君から買い付けた同人誌のジャンルに若干不満を持っている様子。

音楽性の違い、のような問題だろう。


「だいたい、ウィル氏はいつも異能能力バトル系ばかり、硬派気取りでござる」


少しずつ二人の間に暗雲が漂い始めた。

あ、これは荒れそうだ。


[だが、悔しいでござるが異能バトル物は確かに面白いでござる。拙者も好きなジャンルの一つでござる」

「しかし、ハーレム物は、基本中の基本。このジャンルを外すわけにはいかぬな」


気付けば二人は暑い握手をしていた。

熱いではなく、暑い。


よりを戻した二人は同人誌を漁っていく。

戦果の確認は大切。


「うん? 何だか見慣れない同人誌が入っているのがだが?」

「ウィル氏、それは女性向けの同人誌でござるな。間違って買ったきていたようでござる」


何だか、嫌な予感がしてきた。

まさか、アレを言うのか?

それだけは……


「いわゆる、やおい本でござるな」


それを聞いた瞬間


「やおい本じゃねぇ! BL本だ!」


叫んでいた。

同じ穴の狢である。


山なし、オチなし、意味なし。



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