毒舌侍女様のお仕事2
侍女様のお仕事1の続きです。
1から先にお読みください。
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コンコンと大きなドアをノックして部屋に入る。
「失礼いたします」
部屋はとても広く窓の近くには仕事机がありその奥には扉がありそこには魔王様がねているベットがある。
もちろんそのベットもとても広うございますよ。キングサイズですよこん畜生め。
おっと、つい本音が・・・・
「魔王様朝でございますよ」そういいカーテンを開ける。
すると薄暗かった部屋に太陽の光が入ってくる。
あ、魔界にも朝昼晩ってありますよ。朝には太陽が夜には赤い月が出ます。
「魔王様、起きてくださいませ」
なかなか起きない魔王様を本格的におこすため魔王様のねているベットへと近づく。
「魔王様」
もぞもぞと布団にくるまれて丸まっている魔王様をゆする。
「う~ん・・ソフィー僕はまだ眠いよ・・」
布団から少し顔をだし上目遣いでかわいらしく言う魔王様。
金色の髪、赤と青のオッドアイ、雪のように白い肌に丸みを帯びた顔はとてもかわいらしい美少年。
普通の使用人ならこの顔だけでいちころでしょうが、私はそうではありません。
そんな顔可愛くもくそもありません。むしろ殺意がわきます。
「魔王様さっさと起きやがらないと、目にナイフをぶっさしますよ?」
というや否や、懐に隠し持っていた護身用のナイフを、容赦なく魔王様の顔面に向かって刺す。
グサリ
しかし・・・そんな音とともに毛布が破れ中から羽毛が飛び出すだけ。
「ちっ、外したか・・・」
「もぉ~危ないなーソフィーったらもっと優しく起こしてよ~」
私の背後に立って余裕な魔王様。
「優しく?何をおっしゃいますか魔王様、私物凄く優しく起こしていますよ?」
心外ですわっと顔をしかめる。
「わぁ~見事に棒読みだねソフィー」
ははっとかわいらしく笑い、私の前にちょこんと立つ。
あぁ腹立つ笑顔です。今すぐそのお顔をサンドバックのように殴り倒したいです。
「フフ!ソフィーたら朝から過激なこと考えてるね?でも僕的には、ソフィーに殴られるのもありだけど・・やっぱり恋人同士の朝は・・おはようのキスから始まらなきゃね」
「まぁ、魔王様はまだ目が覚めておられないようですね。では、今すぐに灼熱地獄へとたたき落として差し上げます」
魔王様の言葉を聞いて中指を立てそうになった私は慌ててもう片方の手でそれを抑えます。
侍女長たるものそんな下品なことできませんから。
そのかわりに、ニッコリと私の中では最上級の笑顔を作る。
「ははは~まったくソフィーは照れ屋さんだね!そんなに照れなくてもいいじゃないか!!
僕たちはお互いに深く深く愛し合った仲だというのに!」
「フフフいい加減その煩い口閉じなければ縫いますよ?」
「ソフィーが僕に触れてくれるなら喜んで縫われてあげるよ!!ほかのクズが僕に触ろうとしたら問答無用で殺すけどね」
ね?これって愛だよね?
なんてかわいらしく首をかしげるが後半の言葉でその可愛さも半減です。
「どうでもいいので、早く服を着ていただけませんか?魔王様の裸を見せられている私は目が腐りそうです」
「もぉ~ソフィーッたら、ナイフを投げながらいう言葉じゃないよ?そーいう時は恥じらいをもってこう、上目づかいで、涙目じゃなきゃ!」
「ご冗談を魔王様・・・あなたにそんなことするぐらいなら、ゴーレムにしたほうがましですわ」
「ゴーレムだって・・?そんな顔ゴーレムなんて低級悪魔ごときに見せたの?それはどのゴーレム?東の森の番をしてるゴーレム?それとも、北にいるゴーレム?あぁもういっその事ゴーレムという種族を消してしまおう、そしたらソフィーがそんなクズどもにかかわらなくていいよね?」
いい考えだよね!と早速ゴーレムを消滅させようと魔力を放出し始める魔王様。
このば・・魔王様は何でこう話を飛躍させるんですか??
ヒヤリとしたものが部屋を包み込み始める
「おやめくださいませ・・・あなたがそんなことしたらゴーレムだけではなくその他の下級悪魔や、魔界の森ごと焼け野原と死体の山になってしまいます」
こんなちんちくりんでも魔王と呼ばれるだけあって、その魔力量はとんでもないものです、魔王様が力を少し出すだけでも魔王城にいる、魔族たちはみんな魔力にあてられ死んでしまいます。
「あは!ちょうどいいよ、ほかの魔族がいなくなればソフィーは僕だけのものになるってことでしょ?」
にっこりと天使のように美しく笑うが言ってることは極悪だ。
かくなる上は・・・・
「魔王様、今日は私が朝食をあーんします。ほら魔王様度々うっとおし・・・じゃなく
何度も私にアーンしてほしいとおっしゃってましたよね?だから今日アーンしようと思っていたんですけど・・・」
「ホント!!?やった早く着替えるよ、今日はほんとにいい日だねソフィー」
パアアと顔を輝かせ魔力の放出を止める魔王様なんてちょろい・・・いや単純な・・。
「じゃぁソフィー早く食堂に向かおう?」
一瞬で着替えパタパタと走り私の腰に抱き着く魔王様は下から私を見上げながら笑う。
その顔あざといです魔王様・・。
こうして、魔王様を起こすという最大の任務が終わり魔王様に手を引かれながら私は廊下を歩く。
その後、魔王様が私が見ていないところで
「ソフィーはほーんと可愛いよねぇ・・・単純でそれで優しい。だから僕なんかに付け込まれて好かれちゃうんだよ・・僕になんか好かれちゃって可愛そうなソフィー」と
怪しく嗤っていたなんて知る由もなく・・・
食堂では、とんでもない羞恥プレイが待っていて、魔王様に謀られたときずいて私が激怒するのもまた別のお話・・・。
長かったです・・。連載設定にしたらよかったと後悔中です。
(蛇足)
ソフィー
このお話の主人公。魔王様のお世話係兼侍女長。
ホントはお世話係なんてしたくなかったが周りに推薦された。
周りの人の心の平穏のための生贄に・・。
容姿は黒髪の三つ編み、で和風美人な感じ。
毒舌でクールな性格だが、根はやさしく真面目。
ロメリティー=カチリオ
魔界の魔王様。明るい金の髪に、右目赤左目蒼のオッドアイ。どう見ても中世貴族の王子様にしか見えない容姿天使のようにかわいいが、中身は極悪。
とりあえず腹黒い。あとしたたかで確信犯。普段はにこにこしていて、子供っぽい性格。しかしそれは本来の性格を隠すため。ヤンデレ。ソフィーにのみヤンデレで、最近はどのようにしてソフィーを監禁するか考えている。