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御影遼一の場合

「あっ、大変そうだな」


「何が?」


 殺の背後にまわり込む。


「へぇ、人質事件ねぇ」


 まぁ、どうせ人質殺すか身代金の要求で終わるでしょう。しかし、暇人ねこんなところで人質事件なんて。


 テロリストらしいけど大したことはないでしょう。


「それよりも殺、新しい武器頂戴」


 この前roseの優男とやりあった時に駄目にしたのよ。まさか、社長令嬢殺すのに同業者を殺さなきゃ行けなくなるのははじめてよ。


 まぁ、ヤクザとかそっち系のは居たけどさ。あそこら辺は多少派手にやっても誤魔化せるけど普通の人間は大変。


「昨日来たところだ、丁寧に使えよ」


 銃を渡される。


「軽いわね」


 しっかりしているわりには。


「最新モデルらしい」


「なるほど」


 軽いけど華奢な銃ではない。これなら大丈夫そうだ。


「Ⅰ、仕事だ」


「yes、ボス」


 丁度良いところに。試し撃ちをしたかったのよ。


「今回の仕事は?」


「その前に言うことがある」


 ガチャリと扉が開く。


「roseの大食い女とメデューサ」


「貴女がⅠちゃんね、よろしく~」


 陽気な大食い女とは違ってメデューサは軽く頭を下げただけだった。


「今回の仕事はお役人からだ」


 ボスの一言に驚いた。


「お役人?どうしてです?」


「本人から聞くといい」


 奥の方に目を向けると見るからにこちら側ではない人間がいた。


「今回の依頼は?」


 すると驚いたことに人質事件の犯人グループの皆殺しだった。


「それは、お国からの意見かしら?」


「はい」


 へぇ、こんなこともあるのね。


「いいわ、私はやる」


 条件として3億を報酬金とした。


「なら私は、松阪牛10頭!」


 大食い女も続けていった。


「………………」


 メデューサは終始無言だった。


 無口な女ね。この前もろくに話していないし。真面目に話したのはヤクザを潰しにいった時じゃないかしら?


 あれは、潜入任務だったから話すしかなかったんだろうけど。


─────


「ここね」


 今回のメンバーは3人。最小の人数で10人くらいを殺さないといけないのだけどね。


「しー、よ」


 大食い女が言う。


「あれ」


 彼女の指差す方には雪のなか、必死に扉を開けている男がいた。


「…職員」


 メデューサがポツリと言う。


 上手く逃げれた職員か。


 そっと男に近寄る。


「あの…」


「!!」


 男はびっくりしたようすで私達を見た。


「国からの要請よ」


 中を案内してちょうだい。そう告げると2人を連れて中に入った。


 中は広いせいか見張り役がいなかった。


「そう言えば、貴方の名前は?」


 大食い女が尋ねる。


「御影遼一」


「御影ね」


 スタスタと歩いていく。


「待って」


 誰かいる。


 足音からして2人。殺るしかないね。


「Ⅰちゃん、殺君の方は?」


「少し手間取ってるみたいよ。」


 まだ、全てのハッキングが終わってないらしい。


「来たぞ!」


 あれまぁ。


「待ちなさいよ、御影が手を汚す事なんてないよ」


 銃を引き急所を狙った。


「こう見えても私達、殺し屋だから」


 クスリと笑う。


「首謀者の居るところはわかる?」


「たぶん、制御室に」


 そこまでたどり着かないといけないのか。


「あと、ダムの制御をしないと」


「了解」


 下手にやると人質が殺されるから気を付けないと。


「殺、終わった?」


『防犯カメラの方は終わった』


 なら、ダムの制御は出来そうね。


「了解」


「終わったの?」


 その言葉に頷く。


「カメラだけだけどね」


「なら、制御しに行かなくちゃね」


 ダムの制御に向かう。


「しかし、制御室じゃなくても出来るのね~」


「制御室は全てのまとめ役みたいなものだからな」


 首謀者にバレないように殺るしかないね。


「その前に1人よ」


 大食い女が華麗なナイフ術を使い1人を殺した。


「流石…」


 大食い女のナイフ術に感心する。長いだけあるなぁ。


 私も銃だけじゃなくてナイフ術も練習しよっかな。銃はよくダメにしたりするしね。


「あら、バレてるわね」


 ホントだ。ハッキングしてるからバレないと思ったけどやっぱりダメか。


「…………」


「そこね」


 ほぼ同時に銃の乾いた音がした。


「2人も居たのね~」


 こうなったら大惨事になる前にボスの所に行かないとね。


「御影、」


 案内、お願いね。



─制御室の前─


 だいたいテロリストが10人位で途中で5人消したからあと半分か。


 そっと扉に聞き耳をたてる。


「────!──!?」


「───、──────。」


 何か口論しているみたいね。


 私とメデューサでやれるだろう。大食い女は、違う所にいる人質を助けにいったからいない。


「開けるわ」


 驚く僚一を無視してドアノブに手をかけた。



────side メデューサ──


 さてさて、めーちゃんはⅠちゃんとうまくやれるかしらね。めーちゃん、無口だから迷惑かけないと良いけど。


 微かにする食べ物の匂い。こう見えて鼻が利くのよ。


 確か食堂にいるらしい。


 耳を澄ますと何やら物音がする。


「こんにちわー」


 足元を見ると散乱したご飯の数々。カレーライスだったものが見事に床にぶち撒けられている。


「貴方達がやったのね」


 二人かすぐに終わらせられるわね。


「食べ物を粗末にしちゃダメって知らないのかしら?」


 急所に目掛けてナイフを投げ込んだ。


「あー、それ、毒あるから気を付けてね?」


 言っても遅かったみたいだね。


「大丈夫かしら?」


「ええ、何とか」


 調理師を連れて安全な所に行こうとする。


「貴女は、どうしてここに?」


「頼まれたからよ」


 テロリストから助けてほしいって依頼にね。


「よくここまで来れましたね」


「ええ、御影くんが案内してくれたからね」


 そうじゃないとここまで早く来れないわ。


「1つ、聞いていいかしら?」


「はい?」


 相手の腰辺りを見る。


「ただの調理師じゃないみたいね」


 首をナイフで切った。


 こんな所に銃っぽいシルエットが見えるからテロリストなんだって驚いちゃったわ。


「私を甘く見ない方がいいわよ~」


「どっ………して」


 あとは、火薬の匂いがしたからかしらね~。そう告げるとめーちゃんの方に行くことにした。


 仲良くやっててね~



──side えりか──


 残りを処分するのは思いの外簡単だった。


「ボスは縛っておかないと」


 メデューサにロープを取って貰うように頼んだ。


「さっ、これでお仕舞いね」


 人質たちも解放できたし。


「お前が楯山えりかか」


 テロリストのボスが言う。


「いいえ、私はⅠよ」


「嘘をつくな」


 バレたか。まぁ、誰もいないから良いけど。


「だとしたらどうするの?」


「伝言を頼まれてな」


 伝言?私の名前を知ってるなんてごく一部の殺し屋くらいよ?


「そのうち迎えに来るとさ」


「へぇ」


 誰かしらね。まぁ、敵だったら返り討ちにするわよ。


「Ⅰ、そろそろ行く」


 メデューサが声をかけてきた。あれ?大食い女は?


「うん」


 まぁ、いっか。

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