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感覚

「ガァァアアアアアアアアッ!」


 巨大なダンジョンのある一角。

 それは今、狼の魔物が縦横無尽に暴れまっていた。

 その周りには僕が装備していた刀や短剣が散らばっていると共に、背負っていたバックまで転がっていた。


「グルガァッ!」

 

 これは別に僕が無惨に敗北し、刀やら短剣やらバックやらが散らばったというわけではない。

 巨大な狼の魔物から逃げるのに邪魔だったため、僕が捨てたのである。


「よっ、ほっ、せッ!」


 最初の方は刀を持ち、戦おうという意思を見せていたのだが、どれだけ刀を振り、魔法を発動させてもかすり傷一つつけることが出来ず、馬鹿馬鹿しくなって攻撃することを辞めたのだ。

 僕に出来るのは巨大な狼の魔物の攻撃を避けることだけ。

 避け続けるのに装備は要らなかったので、全部捨ててしまったのだ。


「結構アホな戦略だけどね!」


 逃げているだけだからな。

 冒険者のスタンスとしてあまりに失格過ぎる。


「『カイロスダウン』」

 

 巨大な狼の魔物の口より放たれる謎のブレス。

 予備動作も特になく、ただ光ったと思った次の瞬間には着弾している回避が非常に難しいその攻撃を僕は時を止めることで回避する。


「ふー……『ジ・アクセル』」

 

 時止めと自己加速の連続使用。

 基本的に使っていなかったその二つの能力の連続使用に疲労感を覚えながらも、巨大な狼の魔物と戯れる。


「ふー……」


「ガァッ!!!」


 巨大な狼の魔物による噛みつき、切り裂き、飛びつき、ブレス……多くの攻撃を僕は冷静に対処し、全て回避する。


「それにしても」


 そんな中で、僕の中に飛来するのは1つの疑問だ。

 

 過去の僕は一体何者なのだろうか?

 

 命のやり取りをしている間、僕の感覚はどんどん研ぎ澄まされ、見違えるように体が動くようになる。

 これは才能でもなんでもなく、過去の僕が得た経験を……今の僕が思い出しているからだろう。


「……問題ないな」


 僕は足を一歩。

 踏み出して拳を振るう。


「キャンッ!?」

 

 僕の振るう拳の一撃はたかが知れている。

 だが、巨大な狼の魔物の突撃してくるスピードを考えれば、そこそこの衝撃にはなるだろう。

 想定外の衝撃を受けた巨大な狼の魔物は動きを止める。


「刺せるな」


 最初の頃は逃げるだけで精一杯。

 そう思っていた相手だったのだが、急速に感覚が研ぎ澄まされていく今の僕であれば、互角に戦えそうという感覚があった。


「……戦えなくはない、か」

 

 僕がちらりと地面に捨てた短剣へと視線を向けた時。


「およ?」

 

 こちらの方へと近づいてくる神桜さんを含んだ多くの人たちの気配を感じて視線をそちらの方へと向ける。


「これ以上は僕がやる必要はないね。うん」

 

 僕は短剣に向けていた意識を巨大な狼の魔物の方へと戻し、回避行動に専念した。

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