救援
「助かるッ!」
僕は駆け付けてきてくれた天鳳さんに向けて感謝の言葉を告げる。
彼女の姿は一番、今この瞬間で僕が一番欲しかった救援だった。
「貴方の為であれば、当然。何処にでも駆けつけるわよ」
僕へと何時もの調子で声をかけた天鳳さんはその瞳を冷たいものに変え、神桜さんへと視線を向ける。
「それで、そこの女は私のペアの相手をしていなさい。あなたは足手まといよ」
「う、うん!わかった……だ、大丈夫?」
いつも通りの笑顔を浮かべた神桜さんは僕の元から離れて、ここに来るまでの間に天鳳さんに引きずられたのか、なんか気絶して悲しいことになっている同級生の元へと向かって介護する。
彼もうちのクラスじゃトップクラスの冒険者で、実力者としてちやほやされている人だったんだけどな。もうボッコボコだ。
「よしっと……」
そんな二人に視線を一つ送ることもない天鳳さんが前に出てきて魔法を発動する準備へと取り掛かる。
「あなたが前衛で。私が後衛。それで良いかしら?」
「おっけ、任せたよ」
「ふふっ、大船に乗ったつもりでいて頂戴?」
僕は火力源として攻撃することを止め、後衛である天鳳さんの元へと行かせないようヘイトを稼ぎ、敵の攻撃を避けていくスタイルへと変更する。
「一撃で終わらせるわ……『私は光。私は闇。相反する天位へと天を伸ばす者なり……』」
天鳳さんのオッドアイの両目が光り輝き、長い長い詠唱へと取り掛かる。
僕のミッションは天鳳さんの詠唱を途切れさせないよう、化け物の足止めをすることだ。
「ガァアアアアアアア!」
「ハッ。そう当たらんよ」
僕の速度は圧倒的。理性なく荒れ狂うだけの二人の化け物のヘイトを買い続け、逃げ続けるなんて実に簡単だった。
「出来たわ。離れて!」
「りょーかい」
それからしばらく二人の化け物から逃げ続けた僕。
そんな僕へと天鳳さんは声をかけ、僕は天鳳さんの言葉に頷いて行動を開始する。
「これで終わりよ『アンチノヴァ』」
天鳳さんが魔法を発動させる。
その瞬間───僕の視界は真っ白に包まれた。
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