ダンジョン15階層
ダンジョン15階層。
その階層はある種の登竜門的な見方をされている。
冒険者の中でも、ダンジョン探索一本で生きていけるだけの実力を持つプロと呼ばれる者たちしか、ダンジョン15階層以下には行けないとされていた。
そんなダンジョン15階層が今回、僕たちが学校側から今回のダンジョン探索で行くことを許された限界の階層である。
ちなみに、僕が天鳳さんとダンジョンに行ったときは30階層にまで潜った。ちゃんとプロとしてやっていけるだけの実力は持っているつもりだった。
「よっ、ほっ、せっ」
ダンジョン30階層で戦えるだけの実力を備えた僕がダンジョン15階層程度で苦戦するはずもなく、圧倒的な力で魔物をねじ伏せていた。
「ファイヤーボルトっ!」
魔法楽しー。
僕は最近使えるようになった炎の魔法、水の魔法、雷の魔法。数多くの魔法を駆使して魔物を消し炭にしていく。
「これで良し、っと」
僕を囲んでいた数十もの魔物はあっさりと壊滅し、残り数体を残すだけという状況になっていた。
ダンジョン15階層は僕が潜るにしてはちょっと弱すぎた。
「ハァァァァァァァァッ!!!」
そんな事を考えている僕のペアである神桜さん。
彼女はメイン武器として大剣を携え、それを機敏な動きで軽々しく操り、その圧倒的な力で魔物を叩き潰していく。
「ガァァッ!」
地面を駆け抜ける狼の魔物による前足の一振りを半歩、後ろに下がることで回避した神桜さんはその手にある大剣を振り下ろす。
「キャンッ!?」
魔法も能力もない。
ただの一振りで狼の魔物を両断した神桜さんはそのまま別の魔物へと標的を定め、その手にある大剣を振り下ろしていく。
「いや、普通に強いなぁ」
端から見ていて気持ちの良い圧巻の強さである。
僕だけでなく、神桜さんもダンジョン15階層は楽勝そうだった。
普段はどこらへんの階層に潜っているのだろうか?
流石に30階層は厳しそうだけど……20階層くらいであれば問題なさそう。
「強いんだね。神桜さん」
「私が全力で戦って勝利をなんとかもぎっている魔物たちをおもちゃにしながらにこやかに笑っている竜崎くんが言うことではないと思うよ?私は」
「いや、まぁ……」
お手玉感覚で回していた数体の魔物を壁へと一体ずつ投げつけ、壁のシミにしていく。
確かにこれはちょっと趣味悪いか。
「化け物じゃん……流石だね!」
魔物を簡単に倒した僕を見て神桜さんが笑いながら僕に対しての賛辞を述べる。
「ねぇ、あのさ」
そんな笑顔を見てながらふと。
「うん?」
「その見え見えの嘘笑い辞めない?」
僕は率直に思ったことを口にする。
「ん……?」
そんな僕の言葉に神桜さんが首を傾けて固まる。
「……何のことかな?」
僕の言葉の意味を尋ねる神桜さんの相貌には歪な笑みが浮かんでいた。
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