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練習

 死者の魂が地球に食べられるとか、生命を殺せばキャパが増えるとか。

 普通の高校生じゃ知り得ないような情報を天鳳さんより渡された僕はその後、魔力操作の練習においてもまた、普通の高校じゃ知り得ないようなことを天鳳さんから教えてもらっていた。


「良い感じね」

 

 全身を流れる魔力、もとい星のエネルギーを僕は動かしていく。

 魔力を動かす速度も練習を始める頃と比べたら見違えるように早くなっていた。


「うん。だいぶ慣れてきた」


「良いわね。記憶を失う前より飲み込みが速いわよ。もうすでに記憶を失う前より魔力操作の技術は上がっているんじゃないかしら?」


「ほんと?それなら良かった」

 

 記憶を失う前の僕はかなり魔法を使うのが下手だったようだ。

 能力だけですべてが事足りたのかな?いやぁ、僕は努力なんて嫌いなので、魔力操作を練習しなくても済むような能力が欲しい。能力の使い道だけ都合よく思い出せないかな?

 昔の僕が使っていたという銃に触れてみたりしたら、突然使えるようになったりしないかな?無理か。


「覚えるのが速くてこちらも教え甲斐があったわ」


「それなら良かった。それじゃあ、もう今日は遅いし僕はこの辺で失礼するね」

 

 天鳳さんに魔法を教えてもらってからそこそこ時間が経っている。

 既に太陽は陰り始めている。

 そろそろ帰るべき時間だ。玲香も夜ご飯を作って待っていてくれていることだろう。


「本当はこのまま一晩くらいしていってほしいところだけど、今日のところは家に来てもらったところで我慢するわ。あまりがっつき過ぎるのは良くないってクラスメートから聞いたからね」


「うん。それが良いよ」

 

 誰が言ったのかはわからないが、実にグッジョブである。

 天鳳さんは美人さんであり、彼女から好意を向けられるのは嬉しいが、所詮彼女が好いているのは今の僕でなく過去の僕なのだ。

 今の僕が彼女と交流して情を抱くのはよろしいとは言えない。

 何時か、しっぺ返しをくらいそうだ。


「……なんか、冷たいわ」


 だから、僕の淡白な反応に対して頬を膨らませ、不満げにされても困る。

 過去の僕を追いかけられても、今の僕が応えることはできないからね。


「魔法を教えてくれたことは感謝しているよ!今日は本当に感謝している。ありがとう」

 

 だから、さっさと話は流させてもらう。


「良いのよ。碧衣のためならこれくらい容易いわ」


「じゃあ、僕はこれで帰るね。また明日。天鳳さん」


「うん。また明日」

 

 僕は天鳳さんと別れ、自分の家へと帰るのだった。

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