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課題

 ダンジョン15階層。


「よっと」

 

 既に行き慣れたとも言える階層の中で、僕は一切危なけなく己の目の前にいる魔物の攻撃を回避し、すれ違いざまに刀を滑らして魔物の首を跳ね飛ばす。


「……後、二体」

 

 僕の足元に転がっている5体の魔物の死体に、僕へと殺気を向けてくる2体の魔物。

 合計7体の魔物の群れ。

 かなり大きな群れと言えるが、それでも僕ならそう苦戦することはない。一対多の時の方が僕の能力は活躍する。


「ぎゃぎゃ……」


「行かないならこっちが行くよ」

 

 僕は時止めを発動し、二体の魔物との距離を詰め、一体の魔物の首を跳ね飛ばす。

 能力を駆使し、1対1を複数回繰り返せるよう工夫して戦うことは存外容易だ。


「ぎゃぎゃッ!!!」

 

 もうたった一体となってしまった魔物が大慌てで横に立つ僕へと攻撃してくる。


「遅いね」

 

 その攻撃を半身逸らすことで回避し、剣を一刀。

 僕の刀は確実に魔物の首を斬り落とす。


「……やっぱり碧衣の戦闘センスと恐怖心のなさは凄いわね」

 

 一連の戦いを少し離れたところで僕の戦闘を見ていた天鳳さんが口を開く。


「まぁ……今の僕としてはなんか出来た感じだからしっくり来ないんだけど……」


 天鳳さんの賞賛を素直に受け取るのは少々難しい。

 戦いにおけるそれらすべては僕のものではなく、記憶を失う前の僕が養ったものだ。

 なんというか自分のものという実感があまり湧いてこない。恐怖心のなさ、とか言っているが、何を指してのことなのかも正直わからない。 


「記憶を失う前の碧衣もそんな感じの天才っぷりだったからそんなもんよ」


「そんなもんなのか……」

 

「えぇ。そんなもんよ。ここの階層の魔物も一切苦戦することなく勝利出来るし、未だ『自己加速』の方も使っていない。危なげなく戦闘出来るということに関しては完璧ね。ただ、火力不足が否めないわね」


「それが僕の永遠の課題だよ……うん」

 

 火力不足。

 それさえなんとかなれば僕は一流の冒険者になることが出来るだろう。攻撃を当てない模擬戦であれば僕は無類の強さを発揮できる。

 大会……ってさ、寸止め前提だよな?普通にダンジョンとか潜らず、空手の大会とか出て無双した方がモテるか?向いてない説ある?


「やっぱり魔法しか無いわね」


「……かもなぁ」

 

 能力による火力の増強が望めないのであれば魔法による火力の増加を望む他ない。

 でも、その魔法は苦手。

 やっぱり向いていない説あるのではないか? 


「魔法に関しては本当に任せてもらっていいわよ。私は魔法のスペシャリスト……基本的に私の火力は魔法に依存しているし、ちゃんと教えられると思うわ」


「うん……じゃあ、お願いするわ」


 何と言うか、これまで散々と拒絶しておいて、こう普通に修行をつけてもらっているという状況はいいものなのだろうか?


「じゃあ、明日。私の家に来てちょうだい。そこで修行をするわよ」


「……あぁ、うん。わかった」


 でも、何だろう。

 家に来てね、という言葉にささやかな恐怖心を抱いてしまうのは許してくれないだろうか?

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