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告白

 不穏な朝のHRの時間があってから一時間目、二時間目、三時間目と過ぎていき、昼休み。

 何か、天鳳さんがするんじゃないかとずっとビクビクしていたのだが、その予想に反して一切何も起こらなかった。


「おいし……」

 

 なので、僕はすっかり安心して美味しく昼食をいただいていた。


「……ねぇ」


「ひんっ!」

 

 だからこそ、いつの間にか僕の背後へと回っていた天鳳さん話しかけられ、僕は大きな声を上げて飛び上がってしまう。


「な、何ッ!?」


「そんなに驚かなくてもいいじゃん……」


「いや……話しかけられないと思ったから」


「話しかけるに決まっているじゃん。私はあなたの幼馴染なのだから」


「そ、そう……」

 

 幼馴染であることと話しかけることの相関性がないように思えるのだが、そんなものは気づかなかったことにしておこう。

 流した方が良いものもある。


「それで?一体僕に何の用?」


「宣言よ」


「……宣言?」


「えぇ。そうよ。本当に癪だけど……あの女の言葉を聞いて考えたわ」


 ……あの女。

 めちゃくちゃ口が悪いな。びっくりするくらい口が悪い。


「そう。それで?」


「今の碧衣は……私のことなんて何とも思っていない。でも、私と碧衣は運命の赤い糸で繋がれているの」


「そ、そう」


「だから、あなたをどうしようもないくらい私に惚れさせてあげるし、あなたは絶対に私のことが好きになる。当然よね?運命の赤い糸で繋がれているのだもの」


 凄まじい自信。

 そして、その自信がそう違えていないことを教えてくれる彼女の絶対的な美貌。


「私が碧衣に私との記憶を思い出したい!って思わせてあげるわ!」

 

「……お、おう」

 

 僕を惚れさせる宣言。

 それに対して一体僕はどういう態度をとるのが正解なのだろうか?

 なんというか……クラスメートの男子たちから向けられる嫉妬の視線が色々と怖いのだけど。何でお前のような陰キャが天鳳さんと!という視線を感じるのだ。


「あの日、伝えたことをあなたにもう一度伝えるわ。I love you. 私はあなたが世界で一番好き。私の人生……そのすべてをあなたにあげる。だから、私はあなたの人生を貰うわ」


 お、重い……すさまじく重い告白だ。


「ぼ」


「ダメよ」

 

 天鳳さんの告白に対しての返答しようとした僕の口を天鳳さんのきれいな人差し指がふさぐ。


「今の告白の答えはYES以外認めないわ。私との記憶を思い出したい……そう思ったときに今の告白の答えを教えて頂戴」


「……」

 

 口元を塞がれている僕は何も言うことが出来ない。


「一緒に帰るから……また放課後にたくさん話しましょ」

 

 天鳳さんはそれだけ伝え、そそくさと自分の席へと戻っていてしまった。

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