幕間 山崎タカシの創作汚物
創作趣味を持つ50代オッサン山崎タカシ。
実際に作家を目指しているわけではなく、小説投稿サイトで活動している趣味作家の1人。
ブクマ総数100件満たない売れない系作家だが、サイトでの交流仲間達と細々と楽しんでいる。
そんな彼の作品の一部を紹介しよう。
【タイトル:告白を断った相手が、幼馴染だった件】
人生最大のミスを犯したかもしれない。
高校二年の春。
桜が散り始める昼休み、体育館裏でクラスメイトから告白された私は、その場できっぱりと断った。
「ごめんなさい。そういうの、興味ないから」
人生で告白されたのはこれで二回目だったけど、私に迷いはなかった。
なぜなら私は、『恋愛』というものが致命的に苦手だからだ。
少女漫画とか、恋愛ドラマとか、見るだけでもう恥ずかしくて死にそうになる。
ましてや自分がそんな甘酸っぱい青春を過ごすなんて、想像もつかない。
だから即答で断ったのだが――
「……そっか。うん、わかった。ありがとう、天宮」
彼はすぐに爽やかに笑った。そして、
「でもさ、やっぱり昔と変わらないな。ちょっと安心したよ」
なんて意味深な言葉を残して、さっさとその場を去ってしまった。
「え……昔?」
呆然としている私の横から、なぜか親友の真奈美が現れて腕を組んできた。
「ちょっと美月、あんた大丈夫? あの『篠原蓮』をフったって、学校中もう大騒ぎだよ?」
「篠原……って、あの篠原?」
真奈美が驚愕の目で見てくる。
「……あんた知らずに断ったの?」
「え、だってクラスメイトってことくらいしか……」
篠原蓮。
そういえば、今年クラス替えで初めて同じクラスになった男子だ。
でも、それ以上はよく知らない。
「篠原くんって、うちの学年で一番モテるんだよ? 成績優秀、スポーツ万能、モデル並みの顔面偏差値。性格だって完璧で、彼女欲しがってる女子が校内に何人いるか知ってる?」
「……えーと」
「ざっと百人。最低でもね」
「ひゃくにん!?」
あまりの衝撃に私は声が裏返った。
「……待って、私そんなヤバイ人を秒で断ったわけ?」
「そう。しかもあんた、篠原くんの幼馴染じゃん」
「……えっ?」
その一言に、私は二度目の衝撃を受けた。
「まさか忘れてる?」
「……いやいやいや、待って。幼馴染って?」
真奈美が深いため息をついて肩をすくめる。
「あんた、小さい頃に引っ越したでしょ? それまでずっと遊んでた『蓮くん』のこと、まさか本気で忘れちゃったの?」
「……」
思い出した。
引っ越す前、毎日一緒に遊んでいた男の子がいた。『れんくん』と呼んでいた気がする。
でも、最後に会ったのは小学二年生の頃。もう十年近く前だ。
「嘘でしょ……篠原くんがあのれんくん?」
背筋が寒くなってきた。
これって、つまり――
あの篠原蓮は、幼馴染で、学校一のモテ男で、そして、私はそんな相手の告白を秒で振った、というわけだ。
「私、もしかして、すごい失礼なことしちゃった……?」
「すごいどころじゃないよ。しかも、篠原くん、中学の時からずっとあんたに会いたがってたって噂だよ?」
「えぇぇぇぇぇ!?」
どうしてこうなった。
私は完全にパニックになっていた。
あの爽やかな微笑みの裏で、篠原蓮は今どんなことを考えているんだろう。
『昔と変わらない』って何?
『安心した』ってどういう意味?
全然安心できない。むしろ怖い。
「どうしよう真奈美……」
「どうするも何も、こうなったら誠心誠意、謝って関係を修復するしかないでしょ」
「謝るって……?」
「決まってるじゃん。ちゃんと蓮くんに話して、勘違いでしたって訂正するの」
「……無理」
顔が熱くて、心臓がバクバクしてきた。
「美月、あんたまさか照れてる?」
「ち、違う!」
「そっかー、美月もとうとう恋愛フラグ立ったか~」
「絶対違う!」
……違うよね?
でも、なぜかさっきの篠原の笑顔が脳裏から離れない。
優しくて、懐かしくて、それでいてちょっと意地悪で――
って、だめだめだめ!
落ち着け私。これは錯覚。
そもそも、恋なんて恥ずかしくて無理なんだから。
でもその日の放課後。
昇降口で靴を履き替えていると、背後からやけに聞き覚えのある爽やかな声が響いてきた。
「天宮、待ってたよ」
振り返ると、そこにはあの完璧すぎる笑顔があった。
「ちょっと話したいことあるんだけど、時間ある?」
それは笑顔だけど、私にはもはや悪魔の微笑みにしか見えなかった。
「……ごめんなさい、用事が」
「大丈夫。知ってるから」
「え?」
「君、今日ヒマでしょ?」
……終わった。
幼馴染に告白を秒で断った私の、静かな日常は今まさに音を立てて崩れていく――。
(つづく)
連載作品として投稿された冒頭部分であるが、鳥頭ハルのランチョンミート串狙いの暴言によりメンタルが折れたため執筆は止まり、作品はサイトから削除された。
彼がラブコメを書くことはもう無いだろう。
※これの本文はChatGPTに書かせた。何処かの盗作だったらゴメンナサイ。