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迷いびとの話

ことの始まりは私が国の入り口の掃除をしていた時

(王女とて、こんな小さな国だとお掃除当番も回ってくるのだ)


痩せこけて無精髭を生やした男の人がヨロヨロと近づいてきて

「ここは…どこですか?俺は一体…」

と混乱した様子で話しかけてきた。


最初は放浪者か記憶喪失の人かと思った。

でも話をしていくにつれそれは勘違いだと分かった。


彼は何でもニホン?という場所からクルマ?に轢かれそうになってあわや、という瞬間この国の近くに飛ばされて?(不確かなのは飛ばされたという言葉が正しいのかわからないから)森の中をしばらく彷徨ったのだと言う。


数日小さなくだものしか口にしていないらしく、ひどく衰弱していたのでとりあえず近くの空き家に招き入れ、食事を持ってくると目の色を変えてかぶりついていた。


料理はここではそんなに特別なものではなくありふれたものだったが、こんなものは食べたことがない、初めて見るものばかりだ、としきりに言っていた。


ニホンと言う国はこことは違い、キカイやネットというものが盛んで情報も家にいるだけで手に入るし、わざわざ街に出向いて買い物をしなくても食べ物や服が届く便利な暮らしをしていたと言う。

乗り物も馬車ではなくクルマやシンカンセンはめちゃくちゃな速度で移動するし、ヒコウキなんて空も食べるらしい!これにはびっくりを通り越して夢の国のように思えた。


彼の話は俄かに信じられるものではなかったが、ニホンと言う国の話しはとても面白いし、とりあえず悪い人でもなさそうだし困っているならとこの空き家をしばらく貸してあげることにした。



この件が始まりで、こことは違うところから来た、と言う人がこの国で続出したのだった。

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