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日間ランキング1位……
これはきっとエレーナ様効果……
ブクマ・評価ありがとうございます!
ランキングにビビりすぎて…笑
「ジゼル、むかつく」
普段は完璧な微笑を浮かべて学園を闊歩しているエレーナ様が、チョコレートケーキにフォークを勢いよくブッ刺す。
「エレーナ様、それはちょっと……」
「なぁに?」
チョコレートケーキはわりと固めだったらしく、エレーナ様が手を離してもフォークは垂直に刺さったままだ。
ケーキに八つ当たりをしないで頂きたい。
「ケーキに罪はありません。そして流石にマナーが悪いです」
「このくらいのマナー違反は可愛いものじゃない。王妃様だって陛下と喧嘩した後はソファでバタバタ暴れながらミャーミャー鳴いてたわよ」
「この流れで王族の秘密をさらっと入れ込まないでください」
「あの完璧王妃様の醜態をバラしたのにその淡白な反応。あなたってアッシーに似てきてない?」
「それで、ジゼル様がどうされたんですか?」
色々突っ込みを入れたい部分はあるが、ひとまず置いておく。
ジゼル・ダフ侯爵令嬢といえば高位貴族でありながらまだ婚約者が決まっていない珍しいご令嬢だ。
「なんだかアッシーと話してる気がしてきたわ……この間ジゼルが高笑いしながら、この国と周辺国で起きた王族からの婚約破棄事件の資料を嬉々として置いて行ったわ。『おーほっほっほ。あんな女狐に殿下を取られそうだなんて、お可哀想に。こちらでも読んでお勉強されたら?』ってね」
エレーナ様はわざわざ声真似までしている。
「そんなに婚約破棄の件数はないのでは?」
「150年前まで遡って調べたようね。30件くらいあったかしら。婚約破棄された令嬢・令息が処刑されたものや修道院送りになっているものもあったわ。もちろん王族が罰せられた件もあるけど。周辺国の噂程度のものまで含まれていたわね」
嫌がらせの割には手が込んでいる。いやむしろ嫌がらせのためにそれだけ調べたなら相当な執念だ。
もしかして婚約破棄を調べるのが趣味? それとも嫌がらせをするなら徹底的にというタイプ?
しばらくジゼル様を学園で観察してみよう。ただ単に育ちが良すぎて嫌味がど下手なのか、悪趣味なのか、エレーナ様に対してツンデレなのか。
「ジゼルは婚約破棄事件簿って本でも書けばいいのよ」
「何か言い返したんですか?」
「あなたは少なくとも婚約者を取られる心配はないわねって言っといたわ」
ジゼル様にはまだ婚約者いませんからね……それがコンプレックスで本人も焦っておられると聞きます。
エレーナ様は基本優しいのに、エドエド殿下とジゼル様には厳しい……
「いつまで私のブロンシェを独り占めするつもりですか?」
「あら、アシュフォード早いじゃないの。仕事はキチンと終わったのかしら?」
冷たい声が割り込むと同時に、私の両肩に後ろから手が置かれた。
ようやくヒーロー登場ですかね笑
長引きそうなのでまた切ってます。
誤字脱字報告ありがとうございます!
びっくりするような誤字を時々してます笑