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日間ランキング4位!!??
こんな拙い文章が……
ブクマ・評価を本当にありがとうございます!
「アッシーの気持ちは分からないでもないわ。あなたって一緒にいると不思議と落ち着くのよね。私も毎回誰にも言えない愚痴をグチグチと垂れ流しちゃってるし。だから、そうよ、あなたは癒し系なのよ!」
限定ケーキに手を伸ばしたエレーナ様は恥ずかしそうに顔を赤くしたと思ったら得意げに言い張る。そんなに豊かな胸を張られると目のやり場に困る……
「アッシーは有能だから沢山仕事を任されすぎて大変なのよ。憎たらしいことに顔には出さないけどね。んで、あなたといると癒されてるみたいだから、完全にお似合いじゃない。スキンシップも嫌じゃないんでしょ?」
「それは……はい……嫌じゃないです」
「じゃあ、問題ないわよ。結婚したらどうせするんだし」
今でも十分恥ずかしいのに……結婚したら今以上……思わず遠い目になる。
「エレーナ様はエドエド殿下と一緒にいて何か感じますか?」
「腹が立つわね。むしろ殺したくなるわ」
「ひっ」
エレーナ様の目が据わってしまった。
「この婚約は政略結婚だもの。好き嫌いどころではないわ。自分で選んでいいならあんなエドエドなんて閉店セールで残ってても選ばないわよ」
エレーナ様は閉店セールに行くはずはないだろうが、例えが酷い。アシュフォード様と良い勝負だ。
しかも王子が閉店セールまで残っていたら悲しすぎる。
「アッシーとあなたみたいな関係はほとんど奇跡なんだから。あんまりウジウジしてたら婚約者に杜撰な扱いされてる令嬢達に嫉妬で刺されるわよ」
「う……はい……」
「ま、しっかり学園ではイチャついてちょうだい。あなた達にあてられて婚約者を大事にしようって雰囲気が生まれつつあるから。エドエド以外」
「エレーナ様は……どうされるんですか……?」
「そうねー。学園の間の火遊びかと思って放置してたらそうでは無さそうだし、ああいうのは私が口を出すとムキになって余計燃え上がるだろうから。それに私はエドエドのこと好きでもないし、観賞用にもしたくないから。むしろキャミラちゃんに貰ってほしいわ。キャミラちゃんとこの男爵家は跡取りがいないから彼女を引き取ったでしょ? もうエドエドは男爵家に婿入りでいーじゃなーい」
「そ、そうですか……。では放置の方向で?」
「そうね。でも婚約者費用をキャミラちゃんに使用したりするのはダメだからそういう所はきっちりシメておかないとね。あと授業に出ないのも公務をさぼるのもダメね。小さい頃は天使みたいに可愛かったのに、今じゃ顔だけ良いダメ男に成り下がったわね」
エドエド殿下が第1王子だとうっかり忘れそうなこき下ろしっぷりだ。そういえば、まだ誰が立太子するかも決まってない。
「まさか申請書にスリーサイズを載せさせたのって……」
「財務大臣に私が進言したわ。あれならドレス仕立てる時にバレると思って。あとは王妃様にチクったわね。そうしたら財務大臣がアッシーを使って色々やってくれたわ。アッシーの仕事を増やして申し訳ないけど、学園でのアッシーの株は上がってるから相殺してね。私がエドエドに言うと反発するのよね」
アッシーは有能すぎて、無能というか普通の人間にはアッシーの要求と態度が厳しすぎて周囲の不満と軋轢を生むのよね、と呟きながらエレーナ様は限定のフルーツケーキを完食する。
「あなたと一緒にいるところを見たら、アレもちゃんと人間なんだって分かったわ」
とうとう、アッシーからアレに短縮された。
エレーナ様はメニューを開いてケーキを物色している。まだ食べるらしい。
お次に選んだのはチョコレートケーキだ。
運んできたウエイターは、彼氏に振られてやけ食いでもしていると思ったのか、
「こちらはサービスです」
とにこやかにクッキーを置いていった。
「エドエドはあれでマトモになればいいけど」
婚約者というよりも手のかかる弟のような扱いだ。
いや、それともダメ男の更生だろうか。
「それにしてもジゼル、むかつく」
エレーナ様が1番腹に据えかねているのは、エドエド殿下でもキャミラさんでもなく、エレーナ様と同じクラスのご令嬢、ジゼル様に対してだった。
エレーナが喋りすぎてあんまり進まなかった笑
次はジゼルがどんな令嬢か書いていきます。