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小話 サンタさんからプレゼントだよ!

「雪だぁ~!」


「わぁ~い!」


 昨日の晩に降った雪にイリナとオリガは大はしゃぎで、庭に出て2人で仲良く遊んでいる。


 仲良く……


「えい! きゃははっ!」


「いたぁ~い! うわぁ~ん!! ……えい!!」


「いたいっ!! うわぁ~ん! パパぁ、オリガが雪玉ぶつけてきたぁ~!」


「ちがうよパパぁ! イリナがさきにぶつけたんだよぉ~! えぇ~ん!」


「オリガが!」


「イリナが!」


「「むむむぅ~!!」」


 2人で雪合戦をしていたと思ったらいつの間にかケンカになっちゃったみたいだな。

 仕方ない、この時期だけ使える魔法の呪文を……


「うふふっ、2人とも? ちゃんといい子にしてないと…… サンタさんが来てくれなくなっちゃうよ?」


 俺が言おうとしたセリフをベランダから顔を出したエリザに言われてしまった……


「えぇっ!? ……イリナいい子だもん!」


「オリガだっていい子だよ!」


「じゃあ2人ともちゃんとごめんなさいしようね? いい子ならできるでしょ?」


「……オリガごめんね?」


「……イリナごめんね?」


「うふふっ、いい子だね! これならサンタさんも来てくれるよ、ねっ? シュウちゃん♥️」


「あ、ああ、そうだな! じゃあイリナとオリガ、いい子だからパパの雪かきも手伝っ……」


「きゃははっ! イリナ、ゆきだるまつくろ?」


「いいよ! じゃあオリガはあたまのほうをつくってね!」


 ……お~い、聞いてるか? って、まぁいいか。


「うふふっ、頑張ってシュウちゃん♥️」


 キリエを抱っこしたエリザが笑顔で俺を応援してくれているから、それだけで百人力だ!

 そして雪かきを終わらせて家に入ると


 ピカピカと点滅するツリーに、イリナとオリガが一生懸命作った飾りが壁に掛かっている。

 

 明日はクリスマス、という事は今夜は……




「パパ! ケーキおいしいよ!」


「もぐっ、あまぁ~い! パパもたべて!」


 今日はクリスマスイブ、俺やエリザの両親も集まりみんなでクリスマスパーティーをしている。


「ほら、2人とも口の周りが汚れてるぞ?」


 イリナとオリガはケーキに夢中で、口の周りにクリームを付けながら美味しそうに食べている。


「キリエ~? はい、あ~ん!」


 エリザもキリエを抱っこしながら料理を食べ、母ちゃんやアリサお義母さんと楽しそうにおしゃべりをして


「はぁ~、賑やかでいいなぁ」


「そうだね、こんな幸せに過ごせるのもシュウくんとエリザのおかげだね」


 そんな家族の様子を眺めつつシャンパンを飲んで話をしている父ちゃんとタケルお義父さん。


 みんなクリスマスの楽しんでいるが、特に子供達が1番楽しみにしているのが


「サンタさんくるかなぁ~?」


「いいこにしてたからくるよぉ!」


「イリナはママのおてつだいしたもんだいじょうぶ!」


「オリガはパパのかたをトントンしてあげたからだいじょうぶ!」


 イリナとオリガはサンタさんにプレゼントを貰えるか心配しているみたいだ、お互いにいい子にしていると褒め合って……


「うふふっ」


 エリザがそんな子供達を見て微笑み、俺の方を見てウインクしてきた。





 そしてパーティーも終わり、子供達が寝静まった後


「さて……行ってくるか」


「うふふっ、サンタさん頑張ってね!」


 サンタの衣装を着た俺は、エリザに見送られながら音を立てないように子供達の寝室へと向かった。


「「すぅ…… すぅ……」」


 ベッドで眠る可愛い娘達の顔を見てから、枕元に置かれた大きな靴下を……


『サンタさん、イリナの靴下はここ!!→』


『サンタさん、オリガの靴下はこれ!!→』


 サンタさんが間違えないようにと靴下のそばに置かれた紙にはカラフルな文字とイラストが書いてある。


 昼間に2人で一生懸命書いていたのを見ていたので、用意したスタンプを紙の隅に押し、そして……


「2人とも、メリークリスマス……」


 プレゼントを靴下に入れ、俺は子供達の寝室を出て自分達の寝室へと戻り……


「……えっ!? エリザ?」


「うふふっ、メリークリスマス、シュウちゃん♥️」


 部屋に戻ると、サンタの衣装に身を包んだエリザが待っていた。


 真っ赤な衣装……だが、スカートは超ミニだし、上着のボタンはお胸様の部分が留まりきっておらず谷間様がお見えになって…… 


「今年もいい子にしていたシュウちゃんにはサンタさんからプレゼントだよ!」


「えっ!? 俺にもプレゼントくれるの?」


「うふふっ、プレゼントは……わ・た・し♥️ ……なんちゃって! シュウちゃんにはこれを……」


「エ、エリザぁぁぁ!!!」


「えっ? あっ! あぁぁぁ~ん♥️」


 ……………

 ……………



 いいクリスマスだった……

 朝、昨夜の事を思い出しながらコーヒーを飲んでいると


「パパぁ! ママぁ! サ、サンタさんきたぁ~!!」


「イリナにもきたぁ!!」


 ドタドタと階段を駆け降りてきた子供達の手にはサンタさんからのプレゼントと、昨日書いたサンタさんへの紙が握られていた。


「お~! 2人とも良かったなぁ!」


「みて、パパ! イリナがおねがいしたぬいぐるみ!」


「ママ! オリガがサンタさんにかいたてがみに『たいへんいいこにしてました』ってサンタさんがへんじしてくれてる!!」


「うふふっ、良かったねぇ~!」


 すると、子供達が俺達に向かって


「ねぇパパにはサンタさんきた?」


「ママにもきたぁ?」


 そんな事を言われて、思わず俺とエリザは顔を見合せ笑ってしまった。


「あぁ、パパも最高のプレゼントを貰ったよ!」


「ママもい~っぱい貰っちゃった♥️ ね? シュウちゃん♥️」


 可愛い娘達の嬉しそうな笑顔に、愛しの奥様の…… 俺にとって最高のクリスマスプレゼントだよ!

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