表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/96

シュウちゃん……あのね?

 冬休みもあと残り何日かという頃。


「シュウちゃん、頑張って~」


「ああ! ……すごい降ったな~」


「私も手伝えればいいけど……ごめんね?」


「具合悪いならしょうがないだろ? 無理しないで横になって待っててくれよ」


「うん……じゃあソファーで横になって見てる」


 今日は朝起きるとドッサリ雪が積もっていたので朝から雪かきをしている。


 いつもならエリザも一緒にやると言うんだけど、なんか具合悪いみたいなので俺1人でして、エリザは家の中で休んでいる。


 家の窓の方を見るとリビングのソファーで横になりながら俺を見つめるエリザ、たまに手を振ってみるとエリザも振り返してくれるが、その様子はあまり元気がない。


 悪い病気じゃなけりゃいいけど……


 心配になったので母ちゃんに相談すると、タクシーを呼び、エリザを病院に連れていってくれると言ってくれた。


 俺も一緒に行くと言ったのだが、バイトも行かなければいけないので、母ちゃんに、お前はバイトに行けと言われてしまった。



「あっ! ……すみません!」


「シュウくん、今日はもう上がった方がいいよ?」


「本当にすみません……」


 エリザが心配で全然仕事が手につかずミスを連発、見かねたマスターに言われ、俺はトボトボと家に帰る。


「ただいま~ ……」


 エリザはまだ帰ってきてない……本当に大丈夫だったのか? まさか悪い病気で命が危ないなんて事……


 不安になり家の中をウロウロ……


 エリザがいなくなったらどうしよう……

 いや、大雪で道が混んでるだけ……

 まさか病院帰りに事故に巻き込まれて……


 嫌な考えがグルグルと頭の中を巡る。


 いつも笑顔で一緒にいるエリザがいないとこんなになってしまうなんて、俺はもうエリザ無しじゃあ生きられないな。


 リビングに飾られてある文化祭の時に撮った、ウエディングドレスを着て笑顔で写るエリザとの写真を見つめ家で待っていると……


「ただいま……」


「おかえりエリザ……どうだった?」


 帰ってきたエリザは泣いた後なのか、目を真っ赤にして母ちゃんに肩を抱かれながら帰ってきた。


「……ちょっと遅くなったわね、とりあえずリビングで待ってて」


「……わかったよ」


 ヨロヨロと歩くエリザを支えながら母ちゃんと2人で奥の部屋へと入っていく。


 エリザ……一体どうしたんだよ、あんなに疲れ果てたようなエリザの顔は見たことない。


 俺の不安は的中したのか? ……いや、そんな訳ない! ……でもあのエリザの様子は……


 エリザが奥の部屋から出てくるまでの時間がとても長く感じる。


 エリザにもしもの事があったら……

 不安になった俺はソファーに座り俯いている、すると奥の部屋からエリザと母ちゃんが……


「エリザ、一体どうしたんだ? まさか病院で……」


「シュウちゃん……あのね? 私……」


「…………」


 下を向くエリザ、その様子を見つめる俺、2人とも沈黙し、シーンとした時が流れる。


 すると母ちゃんがエリザの背中をポンと叩く、ビックリしたようなエリザに母ちゃんが笑いかける、そして……


「シュウちゃん……あのね……」


「ああ……」









「シュウちゃん、私、赤ちゃんが……私達の赤ちゃんが出来てたの…… うぅぅ~!」


「えっ? 赤……ちゃん?」


「うん! 妊娠してるって! 2ヶ月目だってお医者さんが言ってたよ~! うわぁ~ん!!」


「……俺達の……赤ちゃん? 本当か!?」


「うん……」


「ダークエルフだから子供が出来にくいからって言ったよな? でも……俺達の赤ちゃん!! やった! エリザ! 良かったな!」


 そう言ってエリザを抱き締めると、エリザはビックリした顔をして


「シュウちゃん、喜んでくれるの?」


「何言ってるんだよ! 俺達の赤ちゃんだぞ? 喜ぶに決まってるだろ!?」


「あぁ……シュウちゃん、シュウちゃ~ん!」


「良かったな~、本当に良かった……」


 エリザと抱き締め合い、俺達は喜びでワンワンと泣いた。


 お互い落ち着いてきた頃、母ちゃんが俺達を見てため息をついた。


「エリちゃん、だから言ったでしょ? シュウは喜ぶから心配要らないって!」


「そうでしたね……良かったです」


「どういう事?」


「エリちゃんったら、シュウに赤ちゃん出来たって言ったら嫌われるとか捨てられるとか急に不安になっちゃってね、シュウは喜ぶからそんな事絶対ないって言ってるのに、パニックになってなだめるのに時間かかっちゃったわよ」


「エリザ……」


「だって……高校生活もまだ1年残ってるのに、赤ちゃんできたなんて言ったら、シュウちゃん嫌な顔するかもって……そう思ったら段々不安になって……そしたら涙が止まらなくなっちゃったの……」


「バカだな……高校生活が残ってようが何だろうが、できないかもって思ってた赤ちゃんができたんだぞ? そりゃ嬉しいよ! これで俺達はずっと……」


「シュウちゃん?」


「エリザ、今度誕生日がきたら俺は18歳になる……そしたら、結婚しよう! 俺と結婚してくれるか?」


「あ、あぁ……うぅぅ~! こちらこそ……よろしくお願いします~! シュウちゃ~ん!」


 涙でぐちゃぐちゃの笑顔で俺に飛び込んでくるエリザ、そんなエリザを強く抱き締める。


 そして……











 


次で最終話になります! 夜には投稿しますのでよければ読んでみて下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ