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ただいま戻りました~!

 あれから次の日には電車が動いていたので、帰る事が出来た。


 あんまり寝てない俺達は、電車の中ではほとんど寝てしまっていた、そして……


「ただいま~!」


「ただいま戻りました~!」


「あら、2人ともお帰り! 楽しかった?」


「ああ!」


「それはもう……♥️」


「あら? あらら~? ……エリちゃん、よかったわね」


「はい!」


「あっ! 2人ともおかえり~」


「ママ!?」


「アリサちゃんと丁度お茶してたのよ」


「あら~? 2人とも~、……よかったね~」


「「…………」」


 何かバレてる! 親バレってめちゃくちゃ恥ずかしい! ……でもアリサおばさんには……


「すいませんでした~!!」


 もうバレてるならここは土下座だ!


 家族計画もしないで……


「……という事で…… もしもがあったら絶対責任は取ります!」


「シュウ! ちゃんと渡したでしょ!? あんたって子は!」


「アヤノおばさま! 私が悪いんです! シュウちゃんはちゃんとしようと……でも私がポイしたんです!」


「エリちゃん?」


「あれ~? ちゃんとシュウくんに説明しなかったの~?」


「……ママ、ごめんなさい……」


「じゃあ~、私から説明するね~」


 そしてアリサおばさんが説明してくれたのだが……


 簡単に言うと、ダークエルフは非常に子供が出来にくいらしい。

 だから……家族計画しないのが家族計画だと……


 そんな事いいのかよ! って思ったが……


「万が一があっても、うちの家族でもサポートするから~ うちもエリザが出来るまですごい苦労したから、シュウくん達も……覚悟はしといてね~?」


「覚悟って?」


「もしかしたら……ずっと子供は出来ないかもしれないって事だよ?」


「えっ?」


「……」


 俺達には子供が出来ないかも? ……そんな!


 ふととなりに座るエリザを見ると、申し訳なさに加えて怯えたような顔をしてうつむいていた。


 正直何て答えたらいいか分からない。

 ただ俺が思っている事を伝える事にした。


「大丈夫ですよアリサおばさん、俺はエリザと一緒にいれるだけで幸せですよ、……それに子供はいつかは絶対出来るから大丈夫です、だからエリザ、そんな悲しそうな顔をしないでくれ」


「シュウちゃん、ごめんなさい…… 言わなきゃいけない! って思ってたけど、それを知ったらシュウちゃんに捨てられると思って…… だから、先にシュウちゃんに私のすべてをあげようって……卑怯だよね……」


「エリザ…… 心配しないでくれ、たとえ最初に分かってても俺は絶対エリザを手離さないからな! 別れてって言われても絶対別れないからな!」


「シュウちゃん! ごめんね……そしてありがとう」


 俺はエリザを強く抱き締める。


 こんな事で俺達の絆は揺るがないぞ?

 だから安心してくれエリザ!


「シュウもエリちゃんも気にしすぎよ! そんなあんた達にいい言葉を教えてあげるわ!」


「何だよ母ちゃん」


「教えて下さいアヤノおばさま!」


「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」


「「なっ!?」」


「あはは~、アヤノちゃん面白~い♪」


「母ちゃん……」


「何よシュウ? 鉄砲上手なの?」


「母ちゃん……なんかお下品……」


「アヤノおばさま! シュウちゃんは凄いんです! あまりシュウちゃんの事を言わないであげて下さい!」


「あら? どういう事?」


「シュウちゃん……弾数が凄くって……♥️ 私はもう……♥️」


「え~? なになに~? ママも知りた~い!」


「もっと詳しく!」


「はい、シュウちゃんったら、弾数が凄すぎて……最後の方の記憶がなくなるくらい私……♥️ それで……」


「……え~!? シュウくんすご~い!」


「我が息子ながら……あっぱれだわ!」


「それなら~、なんか大丈夫そうだね~」


「私達一族は安泰ね、アリサちゃん!」


「私、頑張ります!」


 ワイワイと盛り上がるレディー達に着いていけず、俺はその空間からそっと逃げ出した。


 あと一言、言い訳させてくれ!

 俺だって必死だっただけだ!


 タケルおじさんに言われた『やられる前にやれ!』

 今の俺には何となく分かった。

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