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刺激?

 朝、目が覚めると俺は何故かベッドに、そして……


「エリザ!?」


 ベッドの下では、床に座り頭を下げるエリザが……いわゆる土下座ってやつだ。


「おい! 何やってるんだよ?」


「シュウちゃん…… 迷惑かけてすいませんでした」


「何の事だよ?」


「ママとケンカして…… 気が付いたら私はあの……裸でベッドに…… それで床に寝てるシュウがいたから…… ごめんなさい!」


「大丈夫だよ、何もなかったから安心してくれ!」


「それは大体わかった…… でもシュウちゃんが床に寝てるのを見て、私……うぅぅ!」


 そして泣き出してしまったエリザ。


「もう気にしなくていいから、頭を上げてくれよ」


「シュウちゃん、私の事……嫌いにならないで! ごめんなさい、ごめんなさい!」


「……」


 何も言わずにエリザの肩に手を置き、俺の方を向かせる、そしてエリザの涙を拭いてあげてから、真っ直ぐとエリザの目を見る。


「エリザ、俺の事は大丈夫だ! こんな事でエリザの事を嫌いになんてならない! でも、ちゃんとアリサおばさんにも謝っておくんだぞ?」


「ありがとう! わかったよシュウちゃん……」


 笑顔でエリザの頭をポンポンすると、泣き顔だったエリザが笑う。


 そして一緒にリビングへ降りていくと……


「あら~? エリザにシュウくん、おはよ~」


「は、はは……2人ともおはよう……」


 リビングには笑顔のアリサおばさんと、少しやつれて疲れたようなタケルおじさんが……

 アリサおばさんはなんかツヤツヤしてるような気もする…… やっぱり……


「ママ……ごめんなさい……」


「いいのよエリザ~、逆にありがとう♪ なかなかいい刺激になったよ~!」


「えっ? 刺激?」


「うふふ~、こっちの話! ね? あ・な・た♥️」


「あ、ははは……」


「パパもごめんなさい……」


 何があったんだろう? ナニだろうな……

 朝方まで騒がしかったもんな……


 エリザとアリサおばさんが話をしている、そしてタケルおじさんが俺に近付いてきて、小声で話しかけてきた。


「シュウくん、大丈夫だったかい?」


「えっ? 特に何もなかったですよ?」


「そうか…… いずれシュウくんにもわかる時がくると思うが……」


「はい?」


「ひとつアドバイスだ、やられる前にやれ! ……これだけ心の片隅においといてくれ……」


「タケルおじさん……よく分からないけど覚えておきます」


「ああ、僕はちょっと横になってくるよ……」


 タケルおじさん…… 疲れた顔してたな。




「そしたら俺は帰るよ、明日の旅行の準備もしなきゃいけないし」


「あっ、シュウちゃん帰っちゃうの?」


「ああ、明日の朝迎えに来るからな」


「うん、じゃあ明日ね? うふふ」



 そして自分の家に帰ると……


「あら! もう帰ってきたの?」


「シュウ…… おかえり……」


 笑顔の母ちゃんとやつれた父ちゃんが……


 母ちゃんはなんかツヤツヤ……


 あれ? デジャヴ?


 こういう時は…… 気にしないのが1番だ!




 自分の部屋に戻り旅行の準備をする。


 一応1泊2日の予定だから……


 着替えぐらいだよな……


 すると部屋のドアがノックされ、母ちゃんが入ってきた。


「シュウ、明日の旅行にこれ忘れないで持っていきなさいよ?」


 と母ちゃんに渡されたのは……



「『家族計画☆うすうす』? これは!?」


「あんたも男なんだから分かるでしょ? エリちゃんのためなんだからちゃんとしなさいよ?」


「な、何言ってんだよ! それにそんな事するかどうかも……」 


「そういう時になかったら困るでしょ? エリちゃんが大切なら尚更よ!」


「わかったよ…… でも箱でなんて……」


「若いんだから、そんなのすぐ無くなるわよ? すぐに!」


「……母ちゃん、お下品……」


「何ですって~!?」


「ギャー!! 4の字固めはやめてー! 母ちゃんギブ! ギブ!」




「うふふ、シュウちゃんとアヤノおばさま、仲良しだね?」


「あら? エリちゃんいらっしゃい!」


「お邪魔しますアヤノおばさま」


「エリザ! あー!! 母ちゃんも普通に話をしてないで、足を離してくれ~!」


「うふふ、シュウちゃん面白い!」


「ギャグとかじゃないから! 本気でお願い!」


 母ちゃんに痛めつけられた俺はクタクタになりエリザに泣きつく、そんな俺をよしよしと慰めるエリザ。


 そんな俺達を見てため息をついた母ちゃんだった。

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