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【3年前、入隊②】


“パンパン”と、いきなりの爆発音に驚く。

 目の前に広がるのは色とりどりの紙のリボン。

 瞬く間に、まるで頭のてっぺんから、紙のリボンをブッ掛けられたようになる。

 歓迎してくれるのは好いが、少し馴れ馴れし過ぎて馬鹿にされた気がしてリボンを退けると、目の前に居たのはお調子者のトーニ。

 そして、その向こうにはブラームとモンタナ、それから初めてここに来た時俺を襲ってきたフランソワにジェイソンとボッシュ。

 それにニルスに……それから……それから……。

 急に目の前が涙で霞む。

 だけど、その顔だけは霞まない。

 ハンスだ!

「LéMATリマットへ、ようこそ!」

(※Légion étrangère Mer Air Terreの略、架空の部隊)

 そう言って握手を求めて来たブラームに飛びつくと、トーニが「オイオイ黒いの、良いとこ取りは許さねえぞ」と怒っていた。

 将軍から部隊長との面談と聞かされていたが、どうやら事前に面談テストはパスしていたらしい。

 テーブルに並べられた御馳走やドリンクを見る限り、これはどうみてもパーティー。

「どうでぇ兄弟。このままパーティーを楽しむかい?それとも堅苦しい面談テストを受けるかい?」

 モンタナが俺の肩を抱いて言ってきた。

「もちろんパーティーは楽しむ、だがその前に部隊長に挨拶だけはしておきたい」

 そう言うと、野郎どもが女の子みたいにキャーキャーと言った。

 それを放って置いて、つかつかとハンスの前で立ち止まり敬礼する。

「ナトー二等軍曹、只今からリマットへ着任します!」

 ハンスは立ち上がって「よく来た」と言ってハグしてくれ、そこでまた野郎どもがキャーキャー言った。

「三等軍曹で採用されたと思ったら、もう二等軍曹かい?こりゃたまげた」

「という事は、ナトーおまえ、空挺特殊部部隊用の訓練成績をトップで卒業したのか!?」

 トーニとモンタナが目を丸くしてい言った。

 そう、トップ成績で、しかも想定成績よりも優れていると認められた者だけが、一階級昇進のご褒美を貰える。

「なにも驚くことは無いだろう、俺たちに勝ったんだから」

 ブラームが、そう言ってグラスを俺に渡してくれた。

 グラスを高く持ち上げたトーニが、声高らかに言う。

「新しい戦士のために!」

 それを皆が俺の方にグラスを向けて復唱する。

「乾杯!!」

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