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【Is Paris burning?(パリは燃えているか)㊴】


『どう!? 何機か落ちた?』

 リズから無線が入る。

「いや、1機も落ちない!」

 ドローンを撃ち落としながら、答えた。

「ニルス! 聞こえる? 携帯の電波を止めるには、どうしたらいい?!」

『それは、相手の登録番号が分かれば、携帯電話会社に連絡すれば止められるけれど、手続きに時間が掛かると思うよ』

「相手の登録番号なんて分からない! 沢山の携帯を今直ぐ通信不能にするには?!」

『そんな無茶な……でも基地局を潰せば何とかなるかも』

「基地局って?」

『ほらビルの上や横に取り付けてあるだろ、ヒラヒラの棒のようなアンテナが4本くらい付いた奴。その下にあるBOXを破壊すれば、その基地局が受け持っている範囲の通信は途絶えるよ』

「ありがとう」

 銃を降ろしてビルを眺めた。

 最初は目に付かなかったけれど、しばらく眺めていると、今まで気が付かなかった携帯電話用のアンテナが見えるようになってきた。

 再び銃を構えて、その下にあるBOXを狙って撃ってみる。

「何機落ちた?!」

「10機……いや20機くらい、まとめて落ちたぜ!」

 俺の隣に来ていたトーニが空を見上げて、明るい声を上げた。

「ベル! 携帯の基地局を狙え! みんなも!」

 携帯の基地局は、携帯電話メーカーごとに設置するから、結構な数がある。

 特にここのような街中の観光地には、1台の基地局では通信量が足りないので、何台も設置してあるから手分けして虱潰しに壊してゆくしかない。

「止まっている的なら、俺様だって」

 トーニがそう言って銃を構えたが、それを制止した。

 別にトーニの射撃技術を疑っているわけではない。

 誰かが飛んでいるドローンを見張る必要があるから。

 そうでないと、もしも敵が攻撃目標を替えたときに対応できなくなる。

「10機、今度は5機、おっこれは多いぜ30機くらい落ちたぜ」

 携帯の基地局を潰せば潰すほど、面白いようにドローンは落ちて行く。

 銃声が止んだ。

 見える範囲の基地局は全部潰し終わった。

「やべえ! 3機だけまだノートルダム大聖堂に向かっているぜ!」

「なぜ?!」

 辺りをもう一度見渡している俺にハンスが怒鳴る「撃ち落とせ!」と。

 そして俺とハンス、そしてベルが、今にもノートルダム大聖堂に取り付こうとするドローンに狙いを定める。

「俺は右の奴を狙う」

『じゃあ、俺は左だ』

 そして俺は真ん中を狙い、一斉に引き金を引いた。


 全てのドローンが地上に落ちたとき、爆音とともにフランソワたちがやって来た。

「ナトー、乗れ!」

 フランソワに言われて、直ぐにハーレーの後部座席に跨った。

 既にジェイソンのバイクの後部座席にはブラームが乗っていて、ハンスもボッシュのバイクに飛び乗った。

「行先は分かっているのか」

「ああ、モーリーホテルだろ。バイクならここから1分で行けるぜ。よっく摑まっていな!」

 俺がフランソワの体を抱くように摑まった途端、バイクは猛スピードでモーリーホテルに向かって走り出した」

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