ステータスとナビさん
よろしくお願いします
「さて、どうしよう。」
理由は解らないがミミックになっている事が発覚して2度目か3度目のパニックを味わったが数分経ち少し落ち着いてきた。
うむ、幸いにも水はある..、後はやっぱり食料かなぁ。
てかこの体飯食うのか?味覚はあって欲しい。
そんな事を考えていると。
《おはようございます、マスター。》
(!?俺と同じ声?)
後ろを振り向き人を探すが誰もいない、この声は頭に直接響く様な、自分で声を発した時と同じ感覚だった、
そして何故か自分の1部のような感覚を抱いた。
《申し訳ございません、マスターの魂の一部損傷を確認、修復中により低活動モードとなっておりました。》
はい...?
言ってる事が良く分からないので、とりあえず説明して貰っても大丈夫ですか?
まだミミックになって数分の初心者ですので。
なんて事を思いつつ頭を回転させるがこれといって当てはまりそうな答えもない。
ここはどこかの森で俺がミミックになっているって事は解るが...何故ミミック?
森の中の植物を見た感じ、そもそもこの世界は地球なのかすら怪しい。
素人が見ても人目でおかしいと解る形の植物が生えていた。
《死後マスターの魂は肉体を持たぬまま魂のみの状態でこの世界厳密には異世界アウルムへ転移しました。》
心読まれてる、もしかして脳内の妄想的な何かだったりする?後遺症?
《先程の質問に戻ります、私はマスターの魂が転移する際、次元を潜った事により損傷し欠けた魂の一部より発生した存在です、その為マスターは先程安心を抱いたのでしょう、
そして転移する際世界の知識をインストールしました、後遺症、という解釈で問題ありません。》
なるほど、ここは異世界で貴方が俺の魂の一部と。
そして、俺は死んで転移した、と。
なるほど解らん、と、言うよりこれで全て状況を把握出来るのは数万人に1人の天才か何かだろう。
とりあえず疑っても先に進まないので説明を受けよう、てか何?俺ってそんな危ない状況だった訳?魂のままで転移とか普通出来ちゃう物なの?
《通常は次元を潜る瞬間、魂は歪み砕け時空からは抜け出せません、マスターがこの世界に辿り着いたのは奇跡と言う他無いでしょう。》
えぇ...そんな危険な状況だったのか...。
でも何故人間じゃないの?なんでミミックなの?そこは凄く気になるんですが。
こんな姿で転移?転生?しても不便で仕方ない。
《転移したマスターの魂は後数分で次元を潜った損傷により砕ける筈でしたが、この世界には魔物と呼ばれる魔素を多く含んだ存在を確認、1000種類以上の魔物が存在する中で一体のみマスターを救う可能性のある種を確認しました。》
それがミミックと、いや、なんで?なんでミミック?他に強そうな奴居なかったのか、いや、居なかったんだろうな、現に俺ミミックになってるわけだしな!
自傷気味に言う。
ミミックってあれでしょ?迷宮とかで惑わせてちょっと噛み付くくらいの雑魚キャラじゃないの?
《この世界のミミックは魔素の多い土地で人が死後、意志を持たない魂として発生、欲に惹かれ宝箱に取り憑き魔物となった存在です、ミミックでなければマスターの魂は肉体を持つ事が出来ませんでした。》
なるほど...、でも、その魔物とかが居る世界なんでしょ?俺なんかすぐ食べられちゃうんじゃないの?
《ミミックを喰らう種族は存在しません。》
...。
何か解んないけどちょっとだけ傷付いた。
《それに通常のミミックは思考できない為、低ランクモンスターとして認知されていますがマスターは意識を持ち、思考出来る為これに当てはまりません。》
でも考えれても考えられなくても素の力一緒だったら違い無いんじゃないの??考えても考えなくてもそんなに変わるものなの?
《...。そうとも限りません、ミミックは水分や食料を必要としません、先程喉が乾いたのは人間であった時の影響でしょう、そしてミミックには固有スキルがございます、詳しくはステータスオープンと唱えてみてください。》
あ、何か今、馬鹿を見る目で見られた気がする、声だけだからわかんないけど、気の所為か?
って、早くも食料の問題が無くなったな。
固有スキル?特性見たいなそんな感じか?
考えるよりやってみた方が早いか、って事で...
「ステータスオープンッ!!」
______________________
ステータス
種族 ミミック 名前 未設定 歳0歳(34歳)
称号 無し
魔法スキル
無し
通常スキル
噛み付き
ユニークスキル
無限宝庫 擬態
固有スキル
ナビゲーション 契約
ワールドスキル
無し
______________________
「えっと...。」
ステータスオープンと気合を入れて叫ぶと目の前に文字が並んだ、ナビゲーションはこの人の事だよな?おそらく。
何これ、ゲームとかでよく見るとステータスだな、本当に違う世界に来たのか、と改めて思う。
とりあえず説明お願いします!ナビゲーションさん!!
《了解しました、種族はその個体の種族を表しています、名前は同様の物ですがマスターはこの世界に発生してからまだ名付けを行って居ませんのでありません、
歳はこの世界で生きた年数を記録しています、地球と同じく1年は365日、1日24時間で間違いありません、称号、これは周りから呼ばれるなど周囲に認められた時に記録されます、
スキルは通常のスキル、ユニークスキル、固有スキル、ワールドスキルと別れておりますが戦力や知力、同ランクのスキルであっても強弱や相性があります、
これは固有スキルとワールドスキルなどでも同じで一途にどれが強い、とは言えません。
基本は通常スキル、ユニークスキル、固有スキル、ワールドスキル、の順で強くなっている、と認知されています、
マスターの所有しているスキルを説明します、
通常スキル
噛み付きは噛み付く事に多少の補正が入ります
ユニークスキル
無限宝庫は素材や水、食料など腐らせず、無限に取り込めます、
擬態
これは倒した魔物や人族を取り込みその姿に変更する事が出来ます、基本ミミックに食欲などは存在しないので思考出来ないミミックが使う事は殆どありません、存在すら確認されていません
固有スキル
ナビゲーションは私です、マスターのサポートに努めますのでよろしくお願いします。
契約
契約を結んだ魔物のステータス閲覧、強制進化を可能とします。
ワールドスキル
こちらは世界に数人しか所有者の居ないスキルであり、そのほぼ全てが1つの国を滅亡させる程の力を持っています。》
おおぅ、説明ありがとう、名前はあっちの世界のでも良いかな...、でもせっかく転生した訳だし、何か次は凄い人生にしたいなぁ、前世の名前に未練も特にない、新しい名前、決めちゃうか。
「あ、その前に、これからナビゲーションさんのことナビさんって読んでもいい?」
《はい、問題ありません。》
「それと...、その声、何かムズムズするから変えれない?」
《...。》
「いや、無理なら無理しなくていいからね?」
《いえ、了解しました
こちらでよろしいでしょうか??》
俺の前世のダミーボイスから無機質な女性の声に変わった。
「なんか、その、ごめんな、自分と話してるみたいでムズムズしてたんだよ。」
本題に戻ろう、うーん、俺の名前かぁ、どうしよう何も考えて無かったなぁ...。
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