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冒険者対策。

よろしくお願いします!

 あれから俺達の宴は空が明るくなるまで続いた。

そして踊り疲れたのか大半の者が眠っている様だ。


 俺に睡眠は必要無いが瞑想すれば魔力が早く回復するらしいのでそうしていた。



「おはようございます、フラム様。」


 いつの間にかリンが起きていたようだ、もう日の高さ的に昼の様に思う。


魔力もすっかり元通りになっているので安心した。


「おう!リンおはよう!早速で悪いが昨日、冒険者が来るって話をしていただろ?その事に付いて話したい事があるから何処か場所変えてもらってもいいか?」


 まだ寝ているエルダも居るので場所を移す事を提案する。


「はい、解りました、ですがその前に少々お待ち頂いてもよろしいですか??」



「ん?おう、いいぞ?」


 そういいリンは何処かに行ったが数分で戻ってきた。

 何しに行ったんだ?


「おいリン、何しに行ってたんだ?」


「宴の後処理をすでに起きている者達に頼んで来ました。」


 あぁ、なるほど薄々思っていたがやはりリンは他のエルダのリーダー的立ち位置なのだろう。


 俺は片付けを始めたエルダを見ながらそう確信する。


「そうか、わざわざありがとうな、それで場所を変えたいんだが...、俺はこの村の事を知らないから何処か話せる場所まで案内を頼んでもいいか??」



 リンははっとした顔で言葉を述べた。


「配慮が足らず、失礼しました!

私の家が御座いますのでそちらまで御案内致します。」


 先程から思っていたがエルダ達の忠誠心が少し強すぎる気がする、皆の俺に対する態度が硬すぎる。

俺にちょっとちょっかい出しただけなのにエルダの少女を叱ったり...。

 自分達の肉を俺に運んできてくれた奴も居たな。


《それはマスターが契約主であり自分達の主である事が原因と推測します。》


 え?なんで?


《弱い魔物に取って進化と言う物は一生に一度、あるか無いかと言ったものです、なのでそれを一度に複数進化させたマスターに感謝し、そしてそれを可能にしたマスターの魔力に惹かれているのでしょう、


 その他の原因として称号に「ダークエルダの主」がございます、そちらの効果がダークエルダの主に対する信頼度の上昇です、こちらも少なからず関わって居るのでは無いでしょうか。》


 あぁ、なるほど、でもなんか洗脳してるみたいで悪いな...。

 皆を騙してる様で罪悪感が出てきた...。


《いえ、マスターに本気で従えたい、と思わない限り称号は発現しません、それにそれら物が関わって居ると言うだけであってエルダ達の忠誠心は本物の様です。》


 そうか、それなら素直に受け取っておくよ、

それに出来るなら俺もアイツらに相応しい主になりたいしな。



 俺がナビさんと話しているとリンの家に辿り着いた様だ。



「フラム様、ここです、申し訳ありません少し狭いですが...。」


 フラム案内された家は周りと対して変わらないテントの様な家だった。


 話するだけだし・・・、特に問題は無いな。


「いやいや、話するだけだから充分だぞ?」


 そう言って申し訳なさそうにしているリンの隣を通り中に入る。


「こちらをお使いください」


 リンが藁で作った座布団の様な物を渡してくれた、


 俺が座ったのを確認してリンが座る。


「よし、早速だが昨日言っていたよな?ここは直に冒険者が攻めてくる、って。」


 本題に入る。


「はい、そうですね...、

 私の兄が周辺の村を襲って居たので...、申し訳ありません、ですが進化を終えた我々なら今から逃げれば特に問題は無いかと思います、

 ですが逃げた先に食料と水が確保出来る場所となると...。」


ふむ、そうなるのか...。


 だが俺はさらさら逃げるつもりは無い、何処にでも人間は居る、俺の世界でそうだった様にこれは人間が存在する世界なら何処も一緒なのでは無いだろうか。




「いや、逃げるつもりは無い、逃げた先でも村が大きくなればその内、人間は討伐に来るんじゃないか?」


 リンは苦虫を噛み潰したような顔をした。

やはりこの世界も人族が大半を支配している様だ。


「そう、ですね...、我々は魔物ですから...。


 戦うのであれば私達はフラム様に続きます。」


 リンは戦う決意をした様に俺に視線を向ける。

 

 いや、だけど...、戦う訳ないじゃん、俺も怪我したくないし一緒に飯食った仲だ1人も欠けて欲しくはない。


「いや、勘違いしてるみたいだけど戦うつもりも今の所無い。」


 リンは口をかぱっと開けて驚いた後、質問する。


「は?で、ではどうなさるおつもりですか??」


「うーん、村を攻めていたゴブリンは皆二本角だったんだろ?ならお前らが悪い訳じゃ無いんじゃねぇの?」



「いえ、ですが同じ種族でしたので...、はいそうですか、と人間が許すとは私には思えません。」



「まぁ、そうだねね、でも俺は仲間のエルダには死んで欲しくないし、人間を殺したくもない、甘い考えだと言う事はわかって居るがそれなら話し合うしか無いだろ。」



「そうですが...、しかしっ。」


「大丈夫、話し合う時は俺一人で行く、お前達に被害はなるだけ出さない様にするから!反論は認めん!」


 まぁ初めからそうしようとは思っていた、さっきも言ったが俺は殺したくもないし殺されたくもい、それなら話し合うしかないのでは無いだろうか。


 リンは少しの間考え、そしていきなりこっちに顔を向けて笑ったかと思うとこんな事を言い出した。


「な、ならその時は私も行きます!魔物として主を護らない訳には行きませんからね!」


「いや、お前なぁ」


「反論は認めません!」


「グッ。」



 さっき俺が言った言葉と同じ事を言われて何も返せなくなった、だが元々戦闘になるつもりは毛頭ない。

大丈夫だろ。



「はぁ、わかった、どうなっても知らないからな!」



 取り敢えずの方針を決めて外に出る頃には広場はすっかり綺麗になっていた。


「あ、そう言えばフラム様、兄の持っていた大剣の回収が出来ていますがいかが致しましょうか。」


 あ、そう言えば昨日リンに頼んで居たな。


「んー、どしよっかな。」


 あの大剣は並の物では無かった。

どんな性能なのかみたいし俺が預かろうかな、リンが欲しいと言うならコイツの兄の物だ、そりゃ渡すが...、


「いえ、私には必要ありません、昔から大剣は好まなくて...。」


あー、称号になんか書いてたな、トラウマか何かだろうか。



「じゃ、そういう事なら俺が預かっとくよ。」



そう言って大剣を預かる。


ナビさん、解析とかできる?


《はい、可能です


 こちらは竜骨の大剣、古びた竜の骨とミスリルを混ぜて作った合金を使用した大剣の様です。


筋力、耐久力が微量に上昇します。》


 へ〜、やっぱり硬かっただけあってなかなか強そうな名前だな、特性とかあるし。


 使うつもりだったけど...、当分は魔法でいいかな〜、

 使いたくなったらリンにでも剣の振り方を教わるか。


 そうして俺は家の建築などこれからの事に思いを馳せながら村を見て回った。

ありがとうございました!

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